◆ひとりごとの記載◆


Legolas ------------------------------

1作目ではじめて彼を見た時は、あの、優美なオーラに、ものすごい衝撃を受けました。
「エルフ」に深く興味を覚えたのも、元はと言えば彼に惹かれたからでもあります。
指輪の仲間が発足されて間もない頃の、彼の、まだ堅さのある言動に、「エルフ」の凛とした魅力を感じたものです。

しかし、指輪物語にしてもシルマリルにしても、「エルフ」とはなんと難しいひとたちなんだろうか・・。
「エルフ」を知ろうとすればする程、あの「不思議な種族」に翻弄させられます。

で、今回(二つの塔)のレゴラス。
やはり、ずば抜けてかっこいい!
そして、アラゴルンやギムリに心を許していく姿が、彼の物言いや表情にものすごく現れていて、それがとても良かった!

ファンゴルンの森の前で、『メリピピ、オークどもの死体と一緒に焼かれたか!?』ってなシーンで、ショックをカラダで表現するアラゴルンとは対照的な、あの、クールな憤り(?)・・
あれぞエルフ!!

ヘルム峡谷に戻ってきたアラゴルンに「遅かったな・・」の一言。
そして、あの喜ばしい笑顔。
アラゴルンの傷の酷さに、思わず顔をゆがめるレゴラス・・。
「ひどい格好だ・・」
(だけどそのぐらい・・きみなら平気だろ?)ってな言葉が聞こえてきそうなクールなレゴラス。
心のうちではとっても心配してるクセに、奥の深い言い回し・・。
あれは、信頼し合った仲だからこそ言えるセリフ・・・。
思わず笑ってしまうアラゴルン・・あの一言、心に滲みただろうな。
で、きっと傷の痛みなんぞぶっ飛んだろうな・・。

レゴラスは戦うシーンも十分に魅せてくれますが、あの、「表情で語る姿」にたまらなく魅力を感じています。

そしてあの、弱音をはくシーン。
戦おうとする人間達の目に恐怖の色が宿っている・・それはあの場合、仕方のない事でしょう。
でも、レゴラスまで弱気になるとは、「え”〜っ!?レゴラスともあろうお人が・・?」・・・と思ってしまいましたが、その後の、弱気なんて微塵も感じない勇ましい戦いっぷりには、安堵。
あれは、アラゴルンの強い意志に打たれたって事なんでしょうか・・。
それにしても、エルフが人間に弱音をはくシーンは撤回してほしいなぁ・・・(笑)



Gollum ------------------------------

今回、頭の中に描いていた彼は、もっと(いいスメアゴルと悪いスメアゴルとの)葛藤に苦しむ、悲惨なものでありました。
何百年もの間、己と指輪だけを頼りに生きてきた彼、フロドに剣を突きつけられただけで、以後、あそこまで豹変するものかと・・・・安易すぎる変化に、ちょっぴりがっかり・・。


フロドを助ける彼の心には、絶えず指輪への下心があったはず。
スメアゴルは「いとしいしと」に賭けて誓ったはずなのに、あれでは「フロド」に誓ったみたいに思えちゃうかも。

それに、今回の(映画の)彼、あまりに「いいスメアゴル」すぎて、過剰に警戒するサムがとってもいじわるに思えてしまった・・。


自己との語り合い・・という事で、彼の苦しい心のうちを表現しようとの試みなのでしょうが、それにしては彼は陽気すぎる・・かな。

姿形にしても、髪は抜け落ち、背骨はゴツゴツ浮き出て・・確かに哀れ・・ではありましたが、前回、サウロンに捕らえられて拷問を受けた時の古傷が痛々しく残ってる・・・そんな姿を想像していたもので、あの、躍動感のある筋肉質な大腿や、色は薄いとは言え、それが反対に透き通るようにキレイに見えたなめらかな肌に・・かなり違和感感じてしまいました。
彼が、「ゴラム」(スメアゴル)という名の新しい人種であるなら、あれもアリ・・なのでしょうが、元、ホビットで指輪の力が及ばない今の姿は、確か見るも無惨になっていたはず・・。

フロドの目が普通の大きさに見えるぐらい(笑)の、スメアゴルの大きな澄んだ瞳には、彼の苦悩があまり写っていなかったかな・・・・。(私には、感じ取れなかったよ・・)

スメアゴルが、過去に、指輪をどうやって手に入れたのか・・、そのせいで、彼が自己の「何」と戦う事になったのか・・その描写が少しでもあったら、も少し共感できたのになぁ・・・。

「王の帰還」で、スメアゴルの描写をどう締めくくるのかとても楽しみです。



Elrond ------------------------------

あの父親像はちょっと・・・・(困惑)
アルウェンに、人間との恋云々をさとすにしても、あのように感情剥き出しの話し方をするとはちょっとびっくりでした。
彼は、半エルフだし、過去には、人間としての一生を選んだ弟との悲しい別れもあったであろうから、それこそ、こういう形で娘と別れなければならない・・というのは、耐え難い苦痛を伴うだろうな・・と、お察しする次第ですが、もとより彼は、この度の指輪戦争を予見していたのと同じように、娘の行く末も、わかっていたはず・・。

それでも、声を荒らげて、アラゴルンに言うのであれば、
「そなたが難関を乗り越えて、『王』になるまでは、誰をも娶る事はできまい!」
・・・・そういうような一言であって欲しかったな・・。

それだけで、アラゴルンには充分、エルロンドの父親としてのつらき心情が伝わったはずだから。
そして、(以後は何も語らず)自分ではすでに見えている結末に、苦痛を隠しきれないエルロンド・・・そういうシーンを望んでいたのですが・・(笑)


ところで・・・ヒューゴ様、前回の裂け谷のシーン撮影では、風邪をひいて声がかすれて出しにくかったとか?
お元気になられたのかな? 今回の深みのある、とってもセクシーなお声には、思わずうっとり(壊れ)でした。

あの、エルロンド様特有の心痛の面もちには、どうも心を揺さぶられてしまいます。

「父のことは愛してはおらぬのか?」
・・・・
「(あなたは父ではありませぬが)心の底から お慕いしております」

もう・・絶叫モノですね(爆)



Haldir ------------------------------

原作での彼には、穏やかなイメージがあったので、映画一作目でのロスロリアンにて、ルーミル、オロフィンとともに、冷酷な表情で、同族であるレゴラスにさえ弓を向けるシーンには、あまり好印象は持てませんでした。

話の流れから、事態が緊迫してるせいだ・・・とは、充分理解できるのですが。

そして今回、思いもよらなかったエルフ参戦シーン。
そこではアラゴルンと、抱き合った時の彼の控えめな表情、彼のセリフ、そして前回の(ロスロリアンでの)シーンを思い出し、彼の「エルフ」としての誇り高き姿が見えたような気がして、とても心 打たれました。

結果、ああいう最後を遂げる事になってしまいましたが、私は、あれは「名誉の旅立ち」だと思う事にしています。

最後に、彼のうつろな目に写った 同族や、オークたちの残骸を通して、戦うことの虚しさを見せられたような気がしました。

あのシーンにおいて、彼らと悪の勢力との戦いは、必須だったわけですが、オークとエルフは遠い昔は同じ種族だったはず。共に倒れる姿が写された時に、その事を思い出させて心に刺さるモノがありました。

そして、突っ込みたい所もあり。
・・・・・彼は、赤マントの下には、煌びやかな立派なヨロイ(?)を着てたのに、ちっとも役に立たなかったのかな・・・・?
いや、着てたからこそ、あれは致命傷ではなかったはず!!!
やはり、どう考えてもあれは「気絶」だよ!!
そうに決まってる!それ以外考えられないっ!!・・・・・(←言わせといてやって下さい・・笑)


今回の映画では、彼の最後のシーンに これほどまでにショックを受けるとは正直、思ってもみなかったので、一時は沈みきった気分をどうする事もできずに、それこそ光を求めてもがく日々でした。


ここだけの話、であごる様のサイトのハルディアの絵を見て、彼を思い出しては涙々でありました。
某BBSでの同じくショックを受けたと思われる方の投稿にも、毎回もらい泣き・・・
皆様から、冷静かつ心のこもったお言葉をたくさん頂いて、それがとても胸に浸みて、また涙して・・・

そして、自分の書いた絵を見て、あまりのへっぽこさに思わず大笑い・・
・・・だって・・なんだか「さつまいも」みたいなんだもん!
(いや、あれでも一生懸命描いたんですがね・・汗)


「わたしはあのようなフヌケ顔ではない!!」
ハルディアが怖い顔してガラズリムの大弓の弦を引く音が聞こえてきそうだ・・

キリキリキリキリ・・・・・・・・



Orcs ------------------------------

エルフの国を守るために戦うハルディア達や、侵略から自国を守ろうと奮起するローハンの戦士(国民)達と違って、オーク達にとって戦いはいつも君主であるサウロン(またはモルゴス)に忠誠を誓っての事ではなく、君主への恐怖心からだった・・・と、そう記憶しています。

(原作では)ナズグルにさえ、恐怖心を持ち、「君主に奉公するのは、遊び事じゃない!」「おえら方が一人もいないところへ行きたい・・」とまで思う姿が何とも哀れでした。

エルフの剣に宿る光は、残酷な星のきらめきのごとく彼らの目を射る・・・エルフの国は夢に見る事さえ恐怖・・

その、描写には、何か、スメアゴルを思わせるものがありました。
元はエルフだった彼ら、堕落してしまったのは、彼らの中に、そういう弱い部分があったから・・かもしれませんが、かと言って君主に心底仕える事もできないその醜い姿・・エルフの輝きを恐怖に感じるその深層は、堕落してしまった事への罪悪感でもあるのでしょうか・・・。
オーク達の、ただ、がむしゃらにエルフを憎み、殺し合う事でしか、生きていけない状況を思うと・・・他のものを醜く作りかえる事しかできなくなった、メルコオル(モルゴス)のしでかした事に、あらためて心を痛めてしまいます。

映画の中でのウルク=ハイははっきりと、サルマンに仕える・・と宣言してますし、心身ともに卓越した「戦闘マシーン」に見受けられます。
ヘルム峡谷での戦いも、指示していたのはウルク=ハイ。
それに比べて、ただただ捨て駒のように働かされてるだけのオーク達・・。

徹底した、ウルク達なら、迷いなどないのでしょうが、戦って死んでいくだけのオーク達には、どうもなにかしら哀愁を感じてしまいます・・。

映画の中で、アルウェンからの贈り物を手にしていた死にかけオーク・・。
あの組み合わせに、彼の遠い昔を連想したのは考えすぎでしょうか・・・・・。



パランティア