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こんな場所で、こんな行為に耽るなんて想像したことすらなかった。
その場に押し倒されて、着物を剥ぎ取られる。ひんやりとした外気が肌に触れた。寒さで縮こまってしまうほどの寒さなのに、体はとても熱かった。
政宗が覆いかぶさってくる。さきほどからずっと彼は無言であった。無言で、幸村の着物を脱がせ、押し倒してきた。
そのまま幸村の喉仏に政宗は顔をを寄せ、歯を少したてた。
「ぁっ」
幸村の肩が揺れた。ぴちゃり。と、今度は舐められてちゅう。と、吸われる。
幸村をゆっくりと味わうように政宗は舌先で幸村の肌を味わってゆく。
「幸村・・・」
甘い声で名を呼ばれて、心臓がトクリ。と、鳴る。幸村は、政宗に手を伸ばした。髪の毛に触れて、それを撫でてやる。
政宗がクス。と、笑った。そうして、身を乗り出して唇を重ねてくる。
軽く口付けて、政宗の唇は幸村の顔中にふわりふわりと口付けを落としてくる。壊れ物を扱うように優しいそれに幸村はうっとりとしてしまう。
(女子みたいでなんだか恥ずかしいでござる。けど、)
気持ちよかった。政宗が触れてくるたびに、肌が粟立った。ただ触れているだけなのに、政宗が触れた箇所からジワリ。と、熱が広がってゆく。
顔に口付けながら、政宗の手は、幸村の肌を味わうように、ゆっくりと幸村の肌の上を動き回る。胸を撫でてそれから滑らせて、わき腹、腹。そうして再び胸へ。女性のような膨らみなどない、ただの筋肉で硬いそこを政宗は愛しそうに愛撫する。




「ここ、勃ってるぜ?」
「い、言うっ・・・ぁ!」
ピンと、指で弾かれたのはその硬い胸についた小さな突起である。そこは、小さいながら固く膨らんでいた。
政宗がそれを抓んで、きゅ。と、捻った。すると、幸村の体がビクンと、跳ねる。
「や、やめっ」
「NO」
政宗が幸村の乳首を口に含んで、吸い上げた。幸村はたまらず悲鳴をあげる。こんな風にされたことなど、もちろん初めてだ。政宗が、吸い上げると幸村の体に痺れのようなものが走り、言葉に表せない感覚が体を走り抜けた。
政宗がコリコリと乳首を歯で軽く擦る。幸村は、またも声をあげた。
政宗は乳首から口を離し、下へ下へと移動してゆく。舌先で幸村の腹筋の割れ目を辿り、臍を吸う。再び上がってきて、また胸の突起に触れてきた。すでに弄られてジンジンとしていたそこは、少し触れられるだ甘い痺れを幸村に与えてしまう。それを知っているのか、政宗はわざときつく刺激はせずに、掠めるようにそこに触れて、乳輪ばかりをぴちゃぴちゃと舐めてくる。
「そこ・・・だっ・・・はぁん・・・・」
時折、思い出したように政宗の舌が、幸村の乳首に触れる。ベロン。と、すでに硬くなった乳首を舐め上げられて幸村は体を仰け反らせた。と、同時に今度はそこをきつく吸われた。
「あっ・・・はっ!」
先端を舌で嬲られる。そうやって弄られていると、下半身がじわりと熱くなってきた。
(そんな、胸を弄られてこんなになるなんて)
カァ。と、羞恥に顔を赤く染めた。こんな感覚は知らない。だが、そんな思いも政宗が与える刺激のまえにあっさりと意識の彼方に飛んでいってしまう。
「んっん・・・・ぁ・・・」
「アンタをもっと知りたい」
囁くような声で言われて、体のいたるところに歯を立てられた。痛いはずのそれは、快楽の痛みに摩り替わって幸村の体に熱をためてゆく。痛いけれど、気持ちがいい。政宗の唇は妖術のようで。彼が触れると、幸村はたまらなくなってしまう。腰がムズムズして、自然と揺れてしまっていた。
「ここも、知りたい」
「アッ!」
政宗がするり。と、手を滑らせて幸村のそこに触れてきた。すでにそこは、反応しかけていた。政宗が少し触れただけで、ひくり。と、震えた。
「あっ・・・・あんっ・・・あっ!」
ぐに。と、揉まれて悲鳴を上げた。そのまま握られて、擦られる。すぐに、幸村のそこは芯を持ち、持ち上がってしまう。


恥ずかしい。


幸村は、顔をそらす。
「ま、政宗殿!」
ねっとりとした感触に包まれて、幸村は驚いてそこを見た。政宗が幸村自身を咥えているのが目に入る。
「汚いでござるよ」
泣き出しそうな声で言えば、政宗が幸村を咥えたまま笑う。そうして、そのまま幸村の硬くなったそれに舌を絡めてきた。
「うっ・・・はっ・・・ぁ」
舌を使って愛撫され、括れを擦られた。口に含まれただけでも、爆発しそうになっているのに。幸村のそこからは、じわり。と、滲んだものは、政宗に舐めとられ、わざとたたてられる卑猥な音に、幸村の理性は吹っ飛ぶ寸前である。
(政宗殿が某の、を)
そう思うと、心臓が余計にドクドクして、体がさらに熱くなる。政宗が愛撫するたびに、熱は解放を求めて体中を駆け巡り、幸村はただひたすら首を振り続けた。
「も・・・ふぅ・・・や・・・」
さらに口だけではなく、膨らんだものを指で弄られながら幸村は、限界を感じて政宗の頭をぐい。と、押した。このままでは、政宗の口のなかに放ってしまう。そう思っての行為なのに、政宗はそれを押しのけるようにして、解放を促すように、幸村の先端を強く吸い上げた。
「んっ! ・・・アッ・・・あ――っ!」
ビクビクと体が震え、ドクン。と、熱が吐き出された。それは政宗の口のなかいっぱいに放たれた。
(どうしよう)
幸村は、ぼう。と、した頭で政宗を見下ろした。
政宗が幸村自身から口を離し、顔を上げる。そうして、ごくん。と、なんのためらいもなく飲んでしまう。
「っっ」
幸村が、これ以上ないほどの羞恥心を抱えながらきっ。と、睨むと政宗は薄っすらと笑って、唇の端に漏れたそれをぺろり。と、舐めとった。
(うわっ)
その姿が、色っぽくて放ったばかりだというのに、幸村の体がざわついた。
「俺は、・・・・・・・アンタで満たされたい」
近づいてくる顔。政宗の唇が、そっと触れた。
政宗は幸村の手を握ると、それをそっと己の股間に導いた。
「っ」
息を飲んだ。そこは、ガチガチになっている。幸村の痴態をみてこんなになってしまったというのか。恥ずかしいけれど、嬉しい。幸村が政宗にドキドキしているように、政宗もまた幸村を求めているのだ。幸村は、そっと政宗と目を合わせた。
「ま、政宗殿。その・・・某も・・・」
精一杯の言葉を口にすると、政宗がふわり。と、笑った。その顔が、とても綺麗だと思った。









「・・・・・あっ・・・うんっ!」
受け入れるときにあったひどい痛みは、だいぶなくなってきた。奥をぐい。と、突かれて甘い痺れに幸村は酔う。
性器を愛撫される直接的なものと違って、こちらはじわじわと熱が蓄積されるような感じがした。政宗が、幸村の蕾を馴らし、そこに入り込んできたときは痛みしか感じなかったというのに、だんだんと痛みは、快楽に摩り替わり、政宗が腰を揺らして突くたびに、幸村の中心からは甘い汁が滴り落ちていた。
「ぁ・・・いっ・・・はぁ・・・・あっ」
「幸村」
甘い声に顔を上げると、政宗の唇が降ってくる。貪るように口付けを交わしていると、互いの唾液が口の端から零れ落ちて行く。
「んっん・・・・」
政宗との接吻は本当に気持ちがよくて、幸村は体がなくなってしまうような気がして目を開いた。
(・・・・政宗殿)
熱っぽい瞳。それが幸村の瞳とかち合った瞬間、口付けは激しさを増した。
「っはぁ・・・・・あんっ・・・・」
口付けの合間に漏れるのは、自分の声とは思えない甘ったるい声で、泣いているようなその声に恥ずかしくて耳を覆いたくなる。だが、政宗にガクガクと揺さぶられるたびに、幸村は声を止めることなどできず、すすり泣きのような声が鍛錬場に響き渡った。
「駄目ぇ・・・あっ・・・・いいっ」
「どっちだ?」
政宗に内壁を擦られて、それがさらに熱を高めてゆく。後ろの刺激で、幸村自身も完全に勃ちあがってしまっていた。政宗が動くたびに、政宗の腹に擦られて、幸村はその刺激に悲鳴を上げる。
もう、どうしたらいいかわからず幸村は救いを求めるように政宗にしがみついた。
「あっあっ・・・・・!」
幸村のなかの政宗がまた大きく膨らんだ。政宗が、幸村自身に手を添えて、先端に指をかけ先端を引っ掻いた。
「ひっぁっ・・・・あ――っっ」
強い刺激に、幸村の頭は真っ白になる。
その瞬間、幸村の内側もきゅ。と、締まってドクン。と、政宗自身が熱を放つ。どろりとした感触を内側に感じながら、幸村の意識はそこで途絶えた。











20.11.14.
な、なにも言うまい(逃亡)


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