【 マルチプル・オーガズムの部屋 】
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感覚に集中する練習

 みなさん、PC筋のトレーニングは続けていますか。何度も繰り返しますが、マルチプル・オーガズムを体験するにはPC筋の筋力が鍵となりますので、がんばってトレーニングを続けてください。

 それでは、PC筋のトレーニングを続けている間に、興奮のレベルをコントロールする練習をしていきましょう。なぜこのような練習が必要なのかといいますと、マルチを体験するためには、PC筋を締め付けるタイミングをつかまなければなりません。PC筋を締めるタイミングをつかむためには、射精直前の状態を自覚して、興奮のレベルをコントロールできなければなりません。しかし、いきなり射精直前の状態を理解しろといっても、未体験の人にとっては難しい面がありますので、順を追って、ひとつずつ体験的に学習していきましょう。私にも出来たのですから、決して難しくはありません。

 まず最初のステップは、感覚への意識の集中です。みなさんの中には、ただひたすら手でペニスを強くこすり続けて、射精に向かってまっしぐらに進んでいくようなやり方をしている人もいるのではないかと思います。手で強くペニスを刺激し続けていますと、だんだんと強い刺激でないと快感を得られなくなることがあります。そうすると、女性と性交しても、膣の弱い締め付けでは射精することができなくなってしまうという「膣内射精障害」になってしまう可能性もあるのです。特にペニスを握るときの握力が10Kgを超える人は、この障害になってしまうと言われています。

 こうならないためにも、マルチへの第一歩として、自分の感覚に意識を集中させて、弱い刺激でも感じることが出来るように、自分の性感をアップさせる練習をしてみましょう。感覚に意識を集中させていけば、わずかな刺激でも、いろいろなことを感じ取ることが出来ますし、刺激の微妙な違いも感じ分けることが出来るのです。ですから、このエクササイズは、あくまでも感覚に集中することを目的に行います。興奮を高めたり、射精したりすることが目的ではありません。

 このエクササイズをするときは、微妙な感覚をゆっくりと味わうことが出来るように、布団やベッドの上に横になって、最低でも十五分から二十分以上の時間をかけて行ってください。あるいは、いまこの文章を読みながら、エクササイズの内容をごく簡単にリハーサル的に体験してみて、あとで横になってから、じっくりと体験してみるのもいいでしょう。そういう人は、この文章を読み進む前に、いま全裸になってください。あるいは、下半身だけ裸になって、上半身はできるだけ薄着になってください。ただし寒い場合は、風邪を引かないように部屋の温度を調整してください。潤滑剤のローションを持っている人は、ローションやティッシュも手元に用意してください。(潤滑剤について

 これから性器に触れていきますが、決して意図的に快感を高めようとしないでください。あくまでも、触れることによって発生するさまざまな感覚を味わうことが目的なだということを忘れないでください。では、ローションを持っている人は、ペニスに少しローションを塗ってください。ローションを持っていない人は、指でそのままペニス触れてもいいです。いずれにしても、自分の存在がまるでペニスそのものになったかのように、触れている部分にすべての神経を集中してください。

 まず、人差し指で亀頭にそっと触れてみましょう。そして、その指先を亀頭のいろいろな部分にゆっくりと移動させてみましょう。目をつむって、指が触れることによって発生する、さまざまな感覚を、ゆっくりと味わいましょう。それから、ほかの指も使って、いろいろな触り方をしてみてください。亀頭だけではなくて、カリの下の部分、ペニスの胴体の部分、陰嚢の皺の部分、それぞれの部分に軽く触れていってください。そして、触れる部分によって発生する感覚の違いを感じ取ってください。指で撫でるだけではなくて、指先で軽く叩いてみたり、手のひらを使って撫でてみたり、軽く握ってみたりしてください。

 目を閉じて、手が触れている部分に集中していると、それに反応してペニスからいろいろな感覚が湧き起こってくると思います。それは、くすぐったいような感じですか。快感ですか。それとも疼くような感じですか。気持ちがいいですか。切なくなるような感じですか。溜息が出るような感じですか。もしペニスが勃起してきたら、勃起するままにしておきましょう。尿道口の部分を撫でると、どんな感じですか。カリの部分は右側と左側は感じ方が違いますか。いま呼吸はどんな状態ですか。いまの気分はどうですか。けっして先を急がずに、いま感じている官能の調べに、すべての意識を集中しましょう。

 ペニスを愛撫したら、今度はほかの部分も愛撫してみましょう。ペニス以外に感じやすい部分は、乳首と唇です。まず両方の乳首に指を這わせてみましょう。どんな感じですか。次に乳首を指先で軽く掻くようなくすぐりかたをしてみましょう。乳首にどんな感覚が発生しましたか。快感がありましたか。それともくすぐったかったですか。刺激に反応して、思わず体をくねらせてしまいましたか。小さな乳首が勃起してきましたか。男の乳首でも、愛撫することによって、女性のように感じることが出来るのです。そこで、女性の乳房を愛撫するように自分の胸を愛撫してみましょう。どんな感じですか。

 今度は唇です。人差し指を、そっと唇に這わせてみましょう。軽く触れながら唇をゆっくりと一周してみましょう。どんな感じですか。それから、唇のいろいろな部分に触れてみましょう。上唇と下唇は感じ方が違いましたか。時間をかけて、ゆっくりと、唇を撫で続けてください。この感触を味わったら、今度は舌で自分の唇を舐めてみましょう。唇のいろいろな部分に舌を這わせてみてください。唇からどんな感覚が湧き起こってきましたか。この感覚を深く味わいましょう。

 次に、全身を愛撫してみましょう。五本の指を軽く這わせたり、手のひら全体を使って、そっと撫でてみてください。まず右足の全体を両手でそっと撫でて、次は左足を撫でてみましょう。女性を優しく愛撫するような感じで、股の内側や、お尻や、腰の周りを愛撫してみましょう。おなかや胸や首、頬や耳たぶも優しく愛撫してみましょう。どんな感じですか。全身の肌の血行がよくなってきましたか。いままでと感じ方が違ってきましたか。今度は片方の手で唇や乳首を愛撫しながら、もう片方の手で体中を愛撫して見ましょう。どんな感じですか。官能的な気分になってきましたか。男でも、体を優しく愛撫していけば、女性のように全身が感じることも出来るのです。そして、この感覚をできるだけ深く味わいましょう。

 最後にもう一度ペニスに戻りましょう。指や手のひらを使って、ペニスをゆっくりと愛撫しましょう。最初にペニスを愛撫したときと感じ方が違いますか。意識的に興奮を高めようとしないで、ペニスが感じている微妙な感覚に意識を集中しましょう。そして、時間をたっぷりとかけて、ペニスに与えられる官能的な刺激を、心ゆくまで味わいましょう。

 いかがでしたか。こうやって愛撫によって湧き起こる感覚を味わっていると、オーガズムだけが全てではないということが体験的に分かると思います。オーガズムまで行かなくても、途中にもすばらしい官能の世界があるのです。手が触れている部分に意識を集中することで、グラスに注いだビールが泡立つように、自分の体の奥から、ふつふつと官能の泡立ちが発生してくるのです。その心地よい官能の泡が、神経を伝わって全身に広がって行き、体の隅々ではじけて行くのです。

 さあ、今度は布団の上で横になって、時間をかけてたっぷりと感覚のさざ波を味わってください。こうやって少しずつ感じる力を育てていきましょう。そして、あなたの肉体を、少しずつ官能的な肉体に変えていきましょう。あなたの肉体は、快感の可能性に満ちています。ですから、自分の肉体を最大限に楽しみましょう。そして、マルチプル・オーガズムの体験を目指して、さらに官能のレッスンを続けていきましょう。


参考リンク: メディカル・トリビューン
「間違った」マスターベーションで腟内射精障害に
潤滑剤について

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