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自己女性化愛好症とはなにか


 この症状の特徴は、非常にシンプルなもので、下記のようになっています。

「男性にみられる性的な倒錯傾向で、自分自身を女性であると考えたり想像したりすることで性的に興奮すること」

 つまり、女性化した自分を想像すると、性的に興奮ということです。たとえば、ミニスカートをはいたりブラジャーやショーツなどを身につけた自分、あるいは女性のように豊かな乳房や感じやすい大きな乳首を持っている自分、そういう女性化した肉体を持っている自分を想像すると、それだけで性的に興奮してしまう人たちのことです。そして、実際に女装したりすると、もっと興奮したりするのです。しかし、ここでちょっと問題になるのが「性的な興奮」という部分です。もう少しここの部分を詳しく書いてみましょう。

 自分が女性化することで得られる興奮には、極めて激しい性的な興奮から、非常にソフトなレベルまで、さまざまなものがあります。激しい興奮の例としては、たとえば初めて女性の下着を身につけてみたときなどに、目のくらむような強烈な興奮がわきおこり、ペニスがギンギンに勃起して、たまらずに何回もオナニーしてしまうことがあります。しかし、これとは反対に非常にソフトなケースでは、ほんのちょっとだけエロチックな気分、という程度で終わってしまうケースもあります。

 最初は激しい興奮を覚えた人であっても、繰り返し女性化してみることで、だんだんと興奮のレベルが低下してきて、やがて落ち着いたものになっていくことがあります。そして、人によっては性的な興奮が完全になくなってなくなってしまって、ただの「愛好」というレベルになっていきます。これは、女性化することで「心が落ち着く」「自分が自分であるという感覚を得る」「女性化した自分に深い愛情を抱く」という状態になっていくのです。ここには、もはやエロスな要素はなくなっているのです。

 しかし、女性化を進めて行っても、性的な興奮を繰り返し味わっている人たちもいます。たとえば性転換をして、身体から男性ホルモンが完全になくなった人であったとしても、それでも自分が女性になるという空想をすることで、性的な興奮を得るのです。

 このように性的な興奮には、人によってさまざまなレベルがありますが、共通しているのは、自己の女性化によって、過去に一度は、なんらかの形で性的に興奮した体験があるということです。そして、この性的な興奮体験があるということこそが、この症状の最大の特徴なのです。ですから、用語的にも自己女性化「愛好症」と訳するのではなくて、自己女性化「性愛症」という訳す人もいるのです。

 いろいろな調査によりますと、男性のうちの2%から3%くらいの人が、性的な空想として、女装や性転換の空想を用いているそうですので、おおざっぱに言って、だいたいこれくらいの人がこの症状に該当するのではないかと思われます。

 では次に、誤解を招きがちな、同性愛との違いについてみてみましょう。

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