雲仙・長崎殺意の旅
目次 主な登場人物
第1章 雨の雲仙
第2章 雨の長崎
第3章 指紋
第4章 夫婦
第5章 わずかな進展
第6章 新しい不安
第7章 最後の戦い

ISBN4-04-152749-X

平成9年5月25日初版発行
平成10年5月10日再版発行

角川文庫
495円(税引)
298ページ
芸者明美、小柴克己
中川ゆみ
川田晋、戸田あき子
武藤寛
Kデパート副社長・水野要介、娘・水野圭子
業界紙編集者・井上
「プリンセス」ママ・浅井みどり
市村健二
K探偵社社長・柏木
ヘリコプター操縦士・仲田
週刊P編集部・加東

捜査陣
十津川警部・亀井刑事・西本刑事・日下刑事
清水刑事・北条早苗刑事・三上本部長
三上刑事部長

長崎県警矢木警部、広田刑事部長、吉田刑事
警視庁竹田
島根県警木内警部
雲仙温泉の林の中で行方不明になっていた泊り客と芸者の死体が発見された。
その直後、長崎で豪雨による土砂崩れが発生し、押し流された土砂の中から、生き埋め死体とは別に、男の絞殺体が…。
二つの事件の関連を鋭く指摘した十津川警部の推理から、二ケ月前に東京の国立市で起きた現金強奪事件の犯人達の輪郭が浮かび上がってきた。
仲間割れの果ての殺人か、口封じか?周到に計画を巡らし、冷酷無慚に凶行を繰り返す犯人の真の狙いは何か―。
(裏表紙文参照)
第2章あたりで、二人目の被害者が発見されるシーンで、あるホテルの裏山が大雨の影響で、土砂崩れとなるシーンが 書かれてあります。一階食堂にいたお客さんの大半が被害を受け、ホテルそのものも傾くといった模様でした。 去年の震災もそうですが、自然災害には恐ろしい力があるもので、想像するだけで、恐ろしくなります。
島原にある普賢岳での土石流が発生したのが、平成3年(1991年)6月3日ですから、もう21年になります。だからと言って 意識的に読んだつもりではないのですが、火山灰が凄い勢いで降りてくる画像は、記憶に新しいです。
このところ読む本での事件では、疑いある容疑者が皆殺されるという展開になる印象が強いのですが、 今回、十津川警部たちは犯人を追うのも仕事ですが、人を守るのも仕事のはず。個人的には、そんな展開が読んでみたい気がします。 さて今回、誰を救い出せたのか?

評価
☆☆☆ 星3つ(星5つで満点)  普賢岳土石流から21年