最果てのブルートレイン
 急行「天北」殺人事件

掲載内容 主な登場人物
最果てのブルートレイン

余部橋梁310メートルの死

愛と死の飯田線
  第1章 ローカル線への誘い
  第2章 愛の深まり
  第3章 疑惑
  第4章 崩壊

解説 関口苑生
ISBN978-4-334-70982-2

1987/8/20初版1刷
2005/2/20第36刷

光文社文庫
514円(税引)
306ページ
矢代要、妻・京子、田口徹、遠藤マリ
青木信一郎、赤木卓郎、妹・かおり
(最果てのブルートレイン)

田中敏夫 井上徹、竹内勇、原田勇策
中央新聞社・田口、 沼田徹、春日康夫
新幹線車掌長・和田太一
(余部橋梁310メートルの死)

久我、若林夕子、小林みどり
新井由紀、青柳恒夫、羽田岩男
(愛と死の飯田線)

三上刑事部長
北海道警川口刑事、北海道稚内警察上村署長
(最果てのブルートレイン)
兵庫県警早見警部
(余部橋梁310メートルの死)
愛知県警真田刑事
(愛と死の飯田線)
「私を助けて!」稚内行き下り急行「天北」の車中で、隣席の若い女性が矢代に救いを求めてきた。
が、女は別の車両へ消え、上り「天北」で殺されていた。莫大な遺産を相続したまま…。
そして、この殺人の真相を追う矢代はまた、警視庁十津川警部に追われる身でもあった。連続殺人とアリバイの謎!トラベル・ミステリーの粋を収録。
(裏表紙参照)
最初の事件(最果てのブルートレイン)は、1989年に廃止された北海道の天北線を走っていた急行「天北」が舞台。 この路線名は、旧の国名で天塩国から北見国を結んでいた事から、一文字ずつ取って命名されたようです。下りの天北で助けを求められた女性が、 上りの列車で殺されていた。影にどんなからくりがあるのか。
私は去年、あるアクシデントで、稚内から浜頓別経由で名寄まで天北線が走った地域 を通る事になった。乗車した事がない分なのか、愛おしく思えました。

次の事件(余部橋梁310メートルの死)は、山陰本線で今では新しいコンクリート製の橋になった余部橋梁ですが、時代は国鉄時代に遡り、 日本最長のトレッスル橋として存在していた頃の話。夜、ビデオ鑑賞で起きていた高校生が、余部橋梁を渡る急行「だいせん5号」から 落下する黒いものを目撃する。朝、発見されたのは人であった。余部橋梁は全長310m、高さ41.5mの橋。被害者は東京に住む竹内勇という事で、 十津川班が兵庫県警からの捜査協力要請で動く事になる。

最後の事件(愛と死の飯田線)は、土曜ワイド劇場で第14回に、高樹沙耶さん(現 益戸育江さん[本名])と船越英一郎さんが演じたものや、 鉄道捜査官の第4回に原作としても使われたものです。
舞台は、豊橋から天竜峡を通り辰野とを結ぶ飯田線。
独身の久我は、休暇をとり松本へ行った。その日の宿泊は、諏訪湖のペンションにし、そこで、二人のOLと仲良くなり、次の朝早く飯田線の列車に 彼女たちと一緒に乗る事となった。

評価
☆☆☆☆ 星4つ(星5つで満点)  今はなき、天北線。