目次 | 主な登場人物 | ||
第1章 剣士の旅 第2章 古武士の剣 第3章 狂気の階段 第4章 故郷熊野 第5章 事件の再検討(前) 第6章 事件の再検討(後) 第7章 道北拘置所 第8章 最後の試合 |
ISBN978-4-09-386294-3 2010/12/15初版1刷 小学館NOVELS 829円(税引) 新書版204ページ |
東京池袋警察署刑事・横井哲 茨城補選立候補予定者・佐々木誠 元国立歴史館館長・梅木清一郎 松平優 田中道場道場主・田中陽造 高田文子、寺務所職員・小池誠 准教授・野村功 水戸郷土史家・五十嵐秀之 松平優の両親、松平慎太郎・優子 神原真太郎 道北拘置所所長・安藤久雄 中央新聞社記者・田島 警視総監・大西錬太郎 捜査陣 十津川警部・亀井刑事・日下刑事・三上刑事部長 茨城県警柳沼警部・初動捜査班中村警部 三重県警安田警部 水戸警察署池内警部・川上刑事 | |
古来、“鹿島立ち”という言葉がある。関東武士が防人として九州へ旅立つ前に鹿島神宮で祈りを捧げたことに由来する。 鹿島神宮は常陸国一の宮で武芸の神、武甕槌神を祀る。 物語は、現職の刑事横井哲が全国剣道大会で優勝、祈願のお礼にと木刀を鹿島神宮に奉納したことから始まる。 横井は鹿島臨海鉄道に乗り故郷水戸へ出向き、そこで殺人事件に巻き込まれる。舞台は一転、東京上野公園。 「江戸歴史研究会」の一行に突如襲いかかる羽織袴姿の一人の男。それも名刀・備前長船による斬殺である。 平成の巷にあらわれた辻斬りともいえる凶行犯の時代錯誤に戸惑う十津川。 犯行後、逃げも隠れもせず現行犯逮捕された男の名は、松平優。鹿島新当流の使い手という。 犯行の動機の裏に隠された謎に挑む十津川の前に、次から次と明らかになる日本刀による斬殺事件。連続人斬り事件である。 更に、驚愕の事実が…。横井刑事と松平は剣道仲間であり、深い親交があったのだ。十津川の疑念は募る―。 (裏表紙文参照) |
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最近になって、地方のローカル私鉄を舞台にした事件が登場しています。この作品に近い出版順とすれば、4作品前、
「生死を分ける転車台 天竜浜名湖鉄道の殺意」という事になりますが、遡れば、2006年12月に出版された「北リアス線の天使」は
三陸鉄道北リアス線が登場しました。細かく見ていくと、もっと古くからかもしれませんが、「駅シリーズ」「祭りシリーズ」とシリーズ
として言うならば、「ローカル私鉄シリーズ」という事になるのでしょうか。ただ、この作品で何作目かというと、私的には8作目では
ないかと思うのですが・・・。 今回の事件は、辻斬りとも言える内容のもの。拳銃事件などはおそらく慣れっ子な十津川警部でしょうが、名刀での惨殺とは、びっくり したんでしょうね。礼に始まり、礼に終わるという武士道ですが、こういう手は、如何なもんでしょうか? 評価 ☆☆☆☆ 星4つ(星5つで満点) 辻斬り事件発生! |