寝台特急「あさかぜ1号」殺人事件
目次 主な登場人物
第1章 食堂車の女
第2章 甘い罠
第3章 旅する女
第4章 北斗4号
第5章 流氷の町
第6章 死者たち
第7章 女の過去
第8章 職員録
第9章 二人の自殺者
第10章 死への旅
第11章 第4の殺人
第12章 人違い
第13章 復讐
第14章 スキャンダル
第15章 敵と味方
第16章 不毛の愛
第17章 最後の殺人
第18章 死者への手向け
ISBN4-19-891960-7

2003/10/15初刷

徳間文庫
648円(税引)
428ページ
本田不動産会長・本田徳一郎
本田の息子・本田剛、その妻・冴子
白井マユミ
中光商事・駒田信行、山内興産相談役・長田安次郎
安次郎の妻・夕子
東名相互銀行・荒木人事部長
安田京子・森田
東名相互銀行社長・浅見猛
週刊現代編集長・新田、ライター・中村正和
小池自動車社長・小池幹也、その妻・あき
小池の友人・三浦
特急「北斗4号」車掌・山下
元、東名相互銀行管理部長・野田
新東京興信所・久保寺、田原人事興信所・田原功
マユミの両親、父・貞之、母・治子
白崎恭一郎、佐野武、小滝リエ子

清水刑事・田中刑事
三上刑事部長・杉本刑事
北海道警室蘭署小木刑事
北海道警網走署鈴木刑事
博多行寝台特急「あさかぜ1号」の個室で男が毒殺された。被害者は成城に広大な邸を持つ資産家。
同伴していた女はなぜか岡山で降りていたのだ。
偶然同じ列車に乗り合わせ、彼女に惹かれた警視庁の杉本刑事は、十津川らと事件の捜査にあたる…。
(裏表紙文参照)

この作品は1988年12月光文社より刊行されました。
TBS系十津川警部(渡瀬恒彦さん)シリーズ第34作、寝台特急〈ブルートレイン〉「あさかぜ」殺人事件、原作。初回放送、2005年3月28日
最初の舞台は、「あさかぜ1号」でしたが、二人目の殺害の舞台として、「おおとり」という特急が登場します。 この特急列車、今でこそ、運行していませんが、函館から網走まで走っていたものです。今でいうと、「北斗」と「オホーツク」を 足した経路を走る特急となります。ここで、考えてみると、「北斗」は函館から走って札幌に着く時は、苗穂方面から入線してきます。 ここから、網走に走ろうとすると、今度はバックする形で再び、苗穂方面に走る事となり、スイッチバックの形となります。 そして、遠軽に着くと、現在もそうですが、ここで再び方向を変え、網走に到着し、2回の変形スイッチバックをした珍しい特急だった と思います。キハ80形が全国非電化区間で全盛期だった頃だったようですが、東海道山陽本線の寝台特急もなくなり、さみしい限りです。 一度、見てみたい特急でした。
この事件は、TBS系の十津川警部シリーズ34作品目で2005年3月28日に放映されたようです。このほど、再放送にて録画したDVDを 見直してみました。この放映の1か月前の2月28日を以って、「あさかぜ」は廃止されてしまい、その影響もあり、 34作品目で放映したようにも思えます。
原作では、博多行き「あさかぜ1号」と、 全盛期に上下2本あった頃でしたが、放映時は、下関止まりとなっています。謎の女性の白井マユミ役には、ファッションデザイナーの 山本寛斎の娘さんの山本未來さんが演じています。個人的には、なかなかいい人選をしたんじゃないかと思います。 原作では、若い杉本刑事が出てきますが、渡瀬恒彦さん演ずるTBS系の十津川警部が、この役割を違った構成で関係しており、 岩国にて十津川の恩師を祝う会が開かれる為に、十津川自身が寝台特急「あさかぜ」に乗車し事件に遭遇するという形になっています。 列車は、このあさかぜの他は、原作では、北海道の2つの列車となる訳ですが、テレビでは「ソニック」が登場します。
最終場面では、原作では、寝台特急の「はやぶさ」が登場しますが、テレビでは、運行最終日の「あさかぜ」という設定ですが、 実際に、最終日には寝台券なども数十秒で売り切れる状況もあり、列車の中でもホームでも、なかなかドラマのように整然と捜査が できる状態ではないな。と思いながらも、惜別記念で放映されている事と、鉄道ファンという観点もあり、そこんとこは見ない事に しておきましょう(笑)。
ページ数もかなりありましたが、杉本が惚れてしまった白井マユミは、事件とどう関わっているのか?読んでみてはいかがですか。

評価
☆☆☆☆ 星4つ(星5つで満点)