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西安 いにしえの都を訪ねる 1


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渭城跡の近辺 土手の向こうに渭水が流れる 渭城の朝雨、軽塵をうるおし

客舎 青青 柳色新たなり

君に勧む 更につくせ一杯の酒

西の方 陽関を出れば故人無からん

今朝、渭城に降った雨が辺りの土埃を落ち着かせ
宿の柳が青々として見えるようになった
さあ君、もう一杯飲みなさいよ
西方の陽関を越えると、君と親しく語り合える友はいないのだから

上記の詩は、唐の玄宗皇帝に仕えた高級官僚であり、また詩人としても著名だった王維が作った、「送元二使安西」という詩と伝えられています。
この詩は、安西(現在の新疆ウイグル自治区)へ皇帝の使者として赴く「元二」という友を見送る為に、王維も元二と一緒に渭城まで行き、その時に作られたそうで、「渭城曲」という別名で広く世に知れ渡ってます。

元二が無事に役目を果たして長安の都に戻ってくる頃、王維はきっとまた渭城まで迎えに出かけたんだろうなぁ。
当時は自動車はもちろんの事、ハイウエイも無かった時代。
今でも一般道路を走ると、空港から西安まで行くのに2時間以上もかかるそうで、馬に乗るか徒歩が普通だった昔なら、渭城まで行くだけで二、三日は掛かったのではなかったろうか。
そんな時間をかけてまで友人を送って行くくらいだから、当時の旅は苦難の連続だったのだろう。
そんな想いをはせながら、空港からいにしえの都、長安、現在の西安市へ向かうハイウエイを、ワンボックスカーに揺られて走っておりました。

関西空港から利用旅客機を見るその渭城のあった渭水のほとりから更に北行すると、今現在は西安空港があります。
空港に降り立った旦那と私を迎えてくれたのは、王維ならぬ現地のガイドさん。

年の頃は三十歳を少し上回ったばかりの女性で、日本語も達者でチョロッと出てくるギャグが面白かった。
中国の女性はほとんど化粧をしないそうで、化粧っ気が無いからこそ、却って若く見える。
その方の旦那さんのノロケと年齢に関するカミングアウトがなければ、二十歳代の半ばくらいと思いこんでたもんね。

「今、渭水に架かる橋を渡ってます。」
と案内されて、「渭城って、どこにあったんですか?」と訪ねると、この近くだったと教えられて大びっくり。

この地に来る前、せっせと中国の地図を見、それぞれの史跡についての解説などを読み込んではいたが、今の地図には古い地名は載っていない。
漢詩を習い始めた頃に覚えた「渭城」という地がどこかも解らなかったけど、まさかここに在ったとは。

その事が切っ掛けで前述の王維の詩の話が出、遠い歴史に関する話が出ると、ガイドさんも歴史好きとかで、狭い車中は大盛り上がりのドライブとなりました。
この日の我々に対するガイドさんの仕事といえば、空港からホテルへ向かう間に、明日のツアーについての打ち合わせをする程度で、その他と言えば、我々に代わってホテルのチェックインをするのみ。
だから、必要事項の打ち合わせが終わってしまうと、他に共通の話題は無い。
ひょっとしたら、一時間以上も何も話す事もなく、無言でいたのかも知れなかったわけで、気詰まりと思える時間を回避するきっかけを作ってくれた「王維」様さまの道中になりました。


関西空港の喫煙室それにさかのぼる事、約11時間前。
午前6時少し前に自宅を出ると、スーツケースをゴロゴロと引っ張りながら関西空港を目指しておりました。
ツアーの係員との待ち合わせは、午前7時25分。
そんな時間に間に合わそうとすると、まだ薄暗い時間帯に家を出なきゃならぬ。
幸いに空港へのリムジンバスは空いていて、列車移動より遙かにラクチンで出かける事ができました。

大阪から西安へ行くには、北京か上海で飛行機を乗り換える必要があります。
この旅では、上海が乗り換え空港になりました。

関空でチェックインすると、まずは朝ご飯。
それが済むと、しばしはボーッ。
つまり、待合室のソファに腰をかけると、目を開けたまんまでの二度寝状態。(苦笑)

しばらくして搭乗ゲートが開くと、そそくさと飛行機に乗り込み、手荷物の処理を済ませてシートに収まる頃、団体旅行客らしい一個連隊がドカドカ・バタバタと乗り込んできました。
声デカイ、とくに女性達の音域はやたらに高いから、しばらくするとイライラしてきた。

上海空港の喫煙室彼らの手荷物の量は、まるで夜逃げ規模。
それらを棚に押し上げる際にひと騒動、足元にしまい込む時にもひと騒動。
みんなが席に着いた頃には静かになると思っていたけど、いっこうに騒ぎは収まりそうにない。
それどころか、間違いなく口論をしていると思われるような、まるで怒鳴り合うような声さえ聞こえてきた。
公共の場所でこんな事を平気でやってるから、中国人観光客のマナーは世界最悪、なんてレッテルを貼られてしまうんだろうなぁ。

大量の大騒ぎ客を乗せた飛行機は、無事に関空を離陸し、瀬戸内海上空経由で、約二時間半後には、上海に到着。

上海行き飛行機内の機内食飛行機の車輪が滑走路に着いたと思われた瞬間、あちこちでガサガサし始め、飛行機はまだ滑走路を走っているというのに、もう立ち上がって荷物を取り出し始める。
それだけでなく、携帯電話を使い始める乗客もいる。
マナーもモラルも、何もあったモンじゃない。
中国人に関しては仕事柄、ごく一部分は分かっちゃいるつもりだけど、こんな人間だらけの国に来ちゃったかと思うと、旅の楽しさはどこへやら、ただただ憂鬱になったのみでありんした。

上海の浦東空港で入国手続きを済ませ、荷物を受け取ると事前の説明通りに、まずは出口に向かいました。
出口付近には、様々な旅行社の現地係員が、自分の担当するお客の名前を書いた紙を持って待ちかまえてました。
我々の名を書いた紙を持っていたのは、まだ二十歳前後に見える可愛らしい女の子でした。

「アオイ様ですか? ようこそ上海へ。 お待ち申し上げておりました。」
たどたどしいながらも、敬語混じりの日本語はハナマル印を付けてあげたい程にしっかりとしてる。

「乗り換えのご案内をさせていただきますので、どうぞこちらへ・・・・。」
その声は、甲高くも、デカくもない。 
それだけで、何となくホッとできた。

搭乗チェックインの代行をして貰うと、あとは我々だけがゲートに向かうだけ。
「搭乗ゲートはちょっと遠いですけど、乗り換えまでの時間は充分にありますので、どうぞご安心を。
 それから、滅多にありませんが、ゲートが変更される事がありますので、案内板にはご注意をお願いします。
 お帰りの際は、また私がお迎えに参りますのでよろしくお願いします。」

搭乗ゲート前の待合席@上海いや、「よろしくお願いしたい」のは私の方なんだけど、こんなに若いお嬢さんにキッチリとした「お仕事」をされると、先ほどの飛行機内の不愉快事は霧散し、また西安の旅が楽しみになってきた。
搭乗口に向かう前に、まずは持ち物と身体検査。

荷物は無事に検査をクリアしたが、私が金属探知器にかけられると、変な所で金探が反応する。
女性の係員にボディチェックされても、不審物らしき物は出てこない。(当たり前の事ですが・・・)
そこでまた金探をあてがうと、またピーンという音がする。

ポケットの中を探ると、一センチ角ぐらいの、ガムを包んでいた銀紙の端切れが糸くずと一緒に出てきた。
中国の空港で使われてる金探って、こんなチッコイ物にも反応するんだと思うと、あまりにも中国らしくて、ついつい笑いがこみ上げてきた。
係員は?と見れば、謎の物体の正体が掴めて、ホッとしたような苦笑いを浮かべておられましたな。

搭乗口に向かう前、後ろを振り返ると、先ほどのガイドさんが我々を見送るために残ってくれてました。
手を振ると、向こうからも手を振り返してくれて、また少し「うれしい度」がUPした。

ゲートまでは事前の説明の通りで、やはり遠かった。
まっすぐな一本道なので迷う心配は皆無だったが、いったい何本の動く歩道を歩いたか。
あとになって数えておけば良かったと思えるほどだったから、もう、相当ですわ。

その間、至る所に喫煙ブースが設置してある。
さすがは愛煙家大国の中国。

公共の場での喫煙は厳しく制限されるようになったと聞くけれど、愛煙者への対応はしっかりしていると言うべきなのかも。
浦東空港の喫煙ルームの一つひとつはこぢんまりしている代わりに、数で勝負って感じなので、探す苦労はほとんど無い。
それに引き替え、関西空港にはゆったりと待ち時間を楽しめそうな喫煙ブースはあったけど、数が少ないので探すのが大変でした。

搭乗ゲート前のトイレ@上海手にしているチケットの番号を確認しながら搭乗ゲートを目指すと、建物の端っこまで来てしまいました。
関空や成田なら、きっと何らかのトラムを利用する事になったろうに、世界有数のハブ空港でこの様子では、体の不自由な人にとっては大変だろう。
私だって、あと十歳も年を取っていると、途中で帰りたくなるに違いない。
ふと旦那を振り返ると、ゲート前のソファーにへたり込んで、完璧グロッキー状態(苦笑)
旦那は私より十歳年上。
するとやっぱり、十年後の私はそんな状態になる可能性が高い。

しかし、トイレの場所は、そこに入るのが恥ずかしくなるほどに分かりやすかったです(^_^;)

上海空港での待ち時間は約二時間。
ヒマを持てあまして売店などを見に行くと、お茶やお菓子などの特産品が色々と売られてました。
数年前なら即行で飛びついたでしょうが、昨今の状勢を思い返すと、食指は動かない。

現地時間で14時30分。
予定より30分遅れで、西安行きの飛行機に乗る事ができ、しかし、旦那の席には知らない東洋人が座ってた。
日本人の場合、特に外国では滅多にそんな事はしないから、現地人の可能性が高い。
てか、待合室では他の旅行者グループ間で日本語は全く聞こえなかったしね。
我々の席はエコノミークラスだったけど、ビジネスクラスのすぐ後ろだから、機体の中では前に近い。

「誰か座ってるし・・・。」
こんな時に限って、旦那は気弱になってくれる(困)

私はここではガイジンなんだし、ガイジンならガイジンらしくやったろやないの。
「イクスキューズ ミー!」
少しボリウムを大きくしたその一言で、厚かましそうなオッサンは、そそくさと後ろの方へ移動して行った。

西安空港にあった「長恨歌」のポスター我々が席に着こうとする時、欧米人風白人の一個大隊が飛行機に乗り込んできました。
すると、その辺りに座っていた東洋人顔の人達が、慌てて後ろの方に移動していく。
飛行機ってバスじゃないんだから、前と後ろの乗り心地なんて一緒なのにね(苦笑)

乗客すべてがシートに落ち着いて、しかし、機体はびくとも動かない。
そーいえば、中国では飛行機が遅れてもアナウンスの一切が無いって事を聞かされた事がある。

離陸を待っている間に、早起きした反動が来たのか急に眠くなってしまい、いつの間にかウトウトと眠り込んでいました。
ふと目を覚ますと、機体は滑走路に向かってゆっくりと動いておりましたが、また眠り込んでいたみたい。
だいぶ経って、よく寝たと思いながら今度こそハッキリと目を覚ますと、まだ機体は滑走路へ向けて走っている最中でした。

その機体が方向を変えると同時にエンジン音が大きくなり、少々のGを感じさせて離陸。
聞く所に因ると、我々が現地時間14時40分発予定の便に乗ってから、離陸するまで約1時間ほど掛かっていたらしい。
ほんに、よく寝たと感じたわけです。

関空から上海までは海の上ばかり飛んでいたけど、上海から西安までは陸の上ばかりを飛ぶので、窓から見える景色が興味深い。

機体が離陸して間もなく、幅の広い海峡のような景色が見え、しかしそれは揚子江の河口であった事を思い出し・・・・。

ハイウエイ沿いの景色そうなんですよ。
頭の中では分かっていても、実体験しないと分からない事が多すぎる。
揚子江の幅は瀬戸内海より広いと、小学生時代には教わっていた事なんだけど、実際に自分の目で見て、腰をぬかしそうになりましたもんね。

ヒエーッ!でかい! と、ビックラしている間に、機体はなおも北上し続け、揚子江の河口近くにある大きな湖を見せてくれました。
「ヒャーッ! 地図で見てたんと一緒やん!」(当たり前)
太湖、高郵湖、洪沢湖、徴山湖・・・。
一人密かに、心の奥底で大騒ぎしていると、機体は方向を変え・・・・。
多分、北上してから、西向きに方向を変えたのでしょう。

揚子江(長江)に沿って飛んでいた機体は、今度は黄河流域に沿って飛んでいるように感じました。
この日は元々うっすらと曇りがちで、湖や川の色合いは空の色を反映しているのか、灰色っぽく見えてましたが、黄河だけはすぐにそれと分かるほどに黄色っぽい。
川の黄土色と、回りの畑の濃い緑色が対照的。

そうこうするうちに機体は高度を低くさせ始め、農村のような町並みや、道路を走っている車などがはっきりと見えるようになりました。
民家などを上から見ると、屋根がみんな黄色っぽい。
この地域では黄色がかった屋根を葺くのが習慣なのかと思っていたら、青いトタン屋根に黄色い土埃がたっぷりと乗っかっているのを見つけた。
この辺りの民家の屋根が黄色っぽいのは、黄砂の影響みたいでした。

ハイアット・リージェンシー西安飛行機は無事に西安の空港に着陸し、ゲートに向かうと何か異様な臭いがする。
何の臭いなんだろうと考えて思い立ったのが、木造住宅が解体された時に出る、土埃の臭いなんですよね。
でも広い空港内に、解体中の住宅なんかある筈ないから、きっとこれが黄砂の臭いに違いない。

空港まで迎えに来てくださったガイドさんと合流すると、そのままホテルまでまっしぐら。
ハイウエイはほとんどカーブが無く、まっすぐな道が続いていて、その両側に広大な麦畑が広がっている。
道の両側には、ピンク色の花がほころび始めたと見える木々が立ち並んでいた。

「あー、あれは杏(あんず)です。」

杏の木を見るのは初めてだったけど、あと一週間もすると満開の桜並木を彷彿とさせるような、見事な装いを見せてくれるに違いない。
ハイウエイを走り続けているうちに、民家の建ち並ぶ景色が多く見えるようになり、そのうちに大きなマンションのような建物がたくさん建ち並ぶようになりました。

料金所を過ぎると一般道に入り、道路はかなり込んでいて、そのおかげで街の景色をゆっくりと楽しむ事ができました。
間もなく城壁が見えてきて、ガイドさんの説明によれば、明時代に建造された城壁だとか。
城壁の厚みは約10メートル、城壁の回りには幅15メートルくらいの堀が巡らされ、随分と物々しい作りになってます。

ホテル内のラウンジそして、車は我々の宿舎前に横付けされ、あー!疲れたー!
泊まったホテルは少し奮発して、ハイアット・リージェンシーにしましたが、夕食無しのパック旅行なので、まずは夕食の心配をせねばならない。

そこでガイドさんに教えて貰ったのが、ちょっと高いけど衛生面は大丈夫と言われるレストランでした。
ガイドさんにホテルのチェックインを代行して貰うと、まずは一休み。

ホテルからレストランまでは一本道だけど、約500メートル位の距離になる。
たったそれだけの距離なんだけど、その間を移動するのに、あんなに大変な目に遭うとは思いませんでした。

荷ほどきをしてホテルを出ると、辺りはもうすっかりと夜景色。
大阪の明るい夜に慣れている私にとっては、街灯の少ない西安の街はとても暗く感じました。

泊まったお部屋さて、信号をわたろうと思うと、赤信号なのにも拘わらず、歩行者はどんどん交差点を渡っていく。
でも、車は歩行者がいても容赦なく、スピードも落とさずに走っていくわけで、危なっかしくてたまらない。
信号が青に変わり、さて渡ろうとすると、中国では車は右側通行になっているんだけど、右折車がスピードも落とさず、もちろん一旦停止もせずに交差点の中に突っ込んでくる。

こんなのを怖がっていちゃ、一生かかっても交差点を渡る事ができないって感じ。
勇気を奮い起こし、道路の中心まで行く間は、自分の左側に注意し、道路の真ん中を過ぎると、今度は右側から来る車に注意を払い。
てな事をしていると、足元の窪みに足を取られて転びそうになった。

やっとの思いで向こう岸に着くと、歩道を走ってくる車が後を絶たない。
何でよ!?
ここは歩道じゃないの!

歩道は日本とよく似ていて、コンクリート製のタイル張りになっているんだけど、その一部を駐車場として使っているビルがあるんですよね。
日本での駐車場は、それと分かるような設備になっていて歩道とは分離されてるけど、この街では足元に白いラインが引いてあるだけなので、人混みの中ではどこに駐車スペースがあるのかが見えにくい。
駐車場への出入り口が明記されてなくて、車は好きなところから歩道を走って駐車場に入ってくる。
こんなじゃ、歩道を歩いていても、決して安全とは言い難い。

五一飯店でのご飯てなわけで、オタオタしながら「五一飯店」というレストランに、まさしく、這々の体でたどり着きました。
ガイドさんは、「ちょっと高い」と言ってたけど、地元の人達が利用するレストランの安さに大ビックリ。

旦那と私の二人で、四品のおかずとご飯を買いましたが、日本円に換算すると合計で800円足らず。
この地方では米は穫れないので、コナ物文化が発達し、麺類や餃子、包子類が名物料理だとか。

その包子類も種類が豊富で、是非とも食してみたかったんだけど、注文しようとすると、大きな蒸籠に大きな包子がぎっしり入っているのが、最小単位。
とてもじゃないけど、食べきれるモンじゃない。

写真の餃子は、中の餡に香菜がぎっしりと詰まっていてとても美味しくいただきましたが、長径30センチほどのお皿に天こ盛りで、8元、日本円にして128円。
途中でお腹がいっぱいになって、申し訳ないと思いながら、お残しをしちゃいました。(汗)
餃子と一緒のお盆に乗っかっているのは、空芯菜とセロリ、ニンジン、小エビの炒め物。
これが一番高くて、18元、288円。

すり切り一杯のご飯隣のお盆にあるのが、葱と牛肉の入ったピリ辛焼きうどん風、10元、日本円にして160円。
豚肉の軟骨部分の甘煮、10元、日本円にして160円。
思わず笑っちゃったけど、すり切り一杯状態でお椀に入っているご飯が、2元、日本円にして32円。
しかし、ここのご飯はベトベトとパサパサが見事な不協和音を奏でてくれていて、お勧めできないシロモノでした。

超中国通の人から、
「酒が飲めるなら、食事を食べる時には是非とも、白酒か老酒をお飲みなさい。」と言われておりました。
実は私もそれを楽しみにしておったのでありますが、だって、日本の気候風土では、中国のお酒は合わないらしく、中国酒を飲む機会はいっぱいあったにも拘わらず、美味しいと思った事がなかったんですもの。
でも、日本で美味しく思えなくても、現地にいるからこそ美味しく感じられる場合が多いわけで・・・・・・。

しかしだ。
シラフでいた時でさえ危なすぎてどうしようもない道を、ヨッパで帰るのは危険きわまりない。

のほほん&ノンビリの典型旦那は、
「あれ? 珍しいやん! 今夜はアルコール抜きか?」
などと、のたまわってくれるけど、このレストランに来る途中、三度も旦那の服の裾をつかみ、腕をつかんでガードをしてやらなければならなかった私。
この国では、ヨメの私が旦那のボディーガードをしなきゃならないみたいで、コレじゃあ安心して飲む事もできやしない。
致し方なく涙をのんで、青島ビール、白酒、紹興酒等などの試飲は諦めましたさ。 ふぅ〜。o○



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