2002年 ヴェネツィア (11)

イタリア最終日は、ヴェネツィア発午後6時の便でミラノに向かい、ミラノから成田に帰る予定でした。あと半日は観光できるなぁと思っていたのですが、またまたハプニングです。



  飛行機までショーペロ 

ホテルの部屋で身支度をしながら、私たちは情報番組を見ていました。画面には「ショーペロ」の文字、「そうか〜今日も何処かでストがあるのね」などと呑気に見ていたのですが、次に「本日午前10時から午後6時まで」という字幕とともに現れたのはアリタリア航空のマーク…「ん?」、「ええ?」、「はあ?」、私たちは日本に帰れるのでしょうか? 

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  イタリア語で手紙作戦 3 

ニュースの内容が正確にはわからなかったので、フロントに尋ねてみることにしました。こういう時は得意の手紙作戦です。
私たちが乗るはずのヴェネツィアからミラノ行きの飛行機の時間や、今日の成田行き航空券を持っているという事情を書いて早速フロントに向かいました。

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  親切なホテルマン 

私の手紙を読んでくれたのは、フロントのステファノさんでした。

事情を知ったステファノさんはすぐにアリタリア航空に電話をしてくれました。でもなかなか繋がらなかったので、空港に勤めている奥様に電話をして状況を問い合わせて下さいました。その結果、6時発のミラノ行きはショーペロでフライト中止、ミラノから成田へ向かう便は予定どおり運航するということがわかりました。

ステファノさんはミラノ行きの列車の時刻表をプリントアウトし、出発するのに適当な時間も教えてくれました。さらに、ミラノ駅にあるマルペンサ空港行きのシャトルバス乗り場の位置と所要時間まで調べ、成田行きのリコンファームまでも済ませて下さいました。(ヴェネツィア〜ミラノ間の飛行機を利用しなかった場合、後で乗る成田行きまでキャンセルされる場合があるようです。)なんて親切な方なのでしょう!ステファノさんには本当に感謝しています。

チェックアウトする時、私がもう一度お礼を言うと、彼は笑顔でこう言いました。
「またヴェネツィアにいらっしゃる時には、ホテル・アルレッキーノへどうぞ。」

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個人旅行では、旅行前はもちろん、旅行中も情報収集が欠かせないんだと、改めて思いました。

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ローマ広場のゴンドラのりば
ローマ広場のゴンドラ乗り場。
右に見えるパパドポーリ公園を右折すると
カナルグランデです。




   サンタルチア駅   地図…サンタルチア駅

ミラノに向かう列車の出発時間は午後2時だったので、まだ4〜5時間はヴェネツィア観光を楽しむことができます。荷物はホテルのフロントに預け、先に乗車券を買っておこうと、まずはサンタルチア駅に向かいました。
駅では自動券売機が見つからなかったので、窓口でキップを購入することにしました。早朝だったので客もまばらでスムーズに買うことができました。

サンタルチア駅と水上タクシー
サンタルチア駅と水上タクシー



   カンナレージョ地区   地図…カンナレージョ地区

キップを購入した私たちは、徒歩でカンナレージョ地区にあるミラーコリ教会に向かいました。
カンナレージョ地区は、サンタ・クローチェ地区(カナルグランデを挟んで向かい側)に比べるとメインストリートが広いので少し開放感があります。レオナルド通りの真ん中には露店が並んでおり、野菜や果物、魚などが売られていました。

この近くには、ユダヤ人の隔離された居住区であるゲットーがあります。ヴェネツィアがはじまりと言われているこの居住区では、狭いこの街の中で人口がより過密となって、必然的に建物が高層化したそうです。



   サンタ・マリア・デイ・ミラーコリ教会   地図…ミラーコリ教会

地図を広げ、通りの名前を確認しながらミラーコリ教会を探しました。どうやら横に逸れて教会に続く道を見落としたようで、いつのまにかリアルト橋のたもとに着いてしまいました。来た道を戻り、再び教会に通じる道を探したのですが、なかなか見つかりません。

2人で地図をのぞき込みながら立っていると、通りがかりの中年女性が声をかけてきて、親切にも道を案内してくれると言います。少し危険かとも思いましたが、多分教会のかなり近くまでは来ているはず。人通りが多かったので、路地裏にでも誘導しようとしていると感じたときに引き返せばいいだろうと判断して、その女性の後をついて行きました。

「サンマルコもいいけど、ミラーコリはもっときれいですよ。」とにこやかに話しかける女性には不審なところもなく、私たちは期待に少し不安も交えながら道を進みました。(そういえば、ボーヴォロ階段で会った男性にも同じことを言われたのでした。)
結局、不安はただの杞憂に終わり、数分で私たちはミラーコリ教会にたどり着きました。(疑ってごめんなさい!)

ミラーコリ教会は、周囲の煉瓦色の街並みとは一線を画す小さな白い教会です。リアルト橋から歩いて5分くらいの穴場、内部も必見の美しい教会です。  

ミラーコリ教会の外観 1
煉瓦色の中にポツンと白い教会。
周りの建物に埋もれて日陰になっているので
写真では美しさが伝わらないのが残念です。



この教会はルネッサンス古典様式の初期の建築物で、特に片側(ファザードか後陣かわかりません)の外観は半円形の屋根が美しく、宝石箱を連想させます。

壁にはベージュやグレー、薄いピンクなどの大理石が使われており、小さな窓の丸みを帯びたデザインが柔らかな印象を与えます。
ちなみに「ミラーコリ」は「奇跡」という意味です。 

ミラーコリ教会の外観 2
ヴェネツィアの宝石箱・ミラーコリ教会



中には礼拝堂しかない小さな教会ですが、明るい色調の大理石がふんだんに使われていて本当に美しいです。見学している人は数人。非常に静かだったので、椅子に腰を下ろして和んでいると、かすかにパイプオルガンの音が聞こえてきました。その讃美歌は、すぐ近くのジョバンニ・エ・パオロ教会から流れているようでした。

ミラーコリ教会の入口
ミラーコリ教会の入口




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