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Degustazione(テイスティング)
 
 まるで、ワインのように、オリーヴ・オイルの世界にも”テイスティング”は存在します。やはり、ワイン同様、”Esame Visivo(色)""Esame Olfativo(香り)"、そして"Fase Gustativo(テイスト)"の3っつの項目に分けて行われ、一般には、左手にご覧頂けるような小型のグラスが使用されますが、北から南に至る多くの品種を”先入観なしの判断”でテストしなければならない、コンテスト・タイプの品評会などでは、僅かにレンガ色がかった青いグラスにより行われているみたい。独自の文化を持った地方性の高いイタリアと言う国に於ける、食文化、土着品種、そして気候の差などにより、幾千ものヴァリエーションを誇るオリーヴ・オイルの客観的な総評を下す、ということはそう簡単なことではなく、まず第一に経験、そして総合的な知識が必要とされますが、それでも単純に”美味しいか美味しくないか”を定める目的によるものではないので、その品評には、ある種の成分分析的な項目が定められていて、全ての項目がリストアップされたチェック・リストを片手に、”パネル・テスト”と呼ばれるものが行われています。ここでは、そのチェック項目、若しくはその判断の際に必要とされる一般的な”オリーヴ・オイル”の特性を説明しますので、数種のエキストラ・ヴェルジネ・オリーヴ・オイルが手に入った時の品質比べの判断の基準にして見てください。

Fase Gustativo(テイスト)の基本的基準

   Dolce 香り、テイスト共に控えめで、一般に北イタリアのものに見受けられる特性。アーモンドの風味を備えるものが多く、高品質のオイルの持つ”長所”の一つだが、過度の甘さはマイナス点になる。
   Amaro 一般に酸化したオリーヴや、オリーヴの葉の混入が過度に行われた時に見受けられる”欠点”の一つだが、中部イタリアのオイルについて語るときには、その特性にも数えられる。
   Pungente 生産後直ぐのフレッシュ感の持つ特性で、時間と共に消えてゆく。
   Armonico 全ての要素が見事に纏まった時に使用される用語で、いわゆる”高品質”を指す。
   Caratteristico それぞれの生産地域の特性を考慮に入れる必要があるときに使用される用語。つまり、北イタリアのオイルでは”欠点”になり得る、南のオイルの強い香りなどが、参考の対象になるということ。
   Agressivo ”Armonico”の反意語にあたり、何かの要素が過度にバランスを崩している時に使用される。
   Ossidato 収穫から搾油の期間が離れてしまった時などに見られる”オリーヴの酸化”が原因となる要素。
   Molle 過度に柔らかく、つまり味のしないオイルを指す用語。一般に収穫の遅れすぎたオリーヴによる物が多い。
   Maturo 一番理想的な時期に収穫されたオリーヴ・オイルの持つ、適度な甘さを兼ね備えた最上の要素に当たる。だが、例えば有名なトスカーナの最高級オイルには見られぬ特性。
   Stanco 時の経過により特性を失ったオイルを指す用語。

その他の特性
+要素 要素
Fruttato 心地良いフルーツ香 Muffa 腐ったオリーヴが混入されたケースの欠点
Foglia Verda 適度に混入された青葉の香り。 Rancido 加熱、又は過度の日光下で生まれる要素。
Muschio 適度に感じるハシバミの実のアロマ Mosca Olearia 虫の寄生等による悪化したオリーヴの特性。
Carciofo アーティチョークの風味。トスカーナの特性 Impersonale 個性の見られぬ味、のしないオイルを指す。
Verda 若くフレッシュなオイルを指す Acido fenico 悪環境下で保存されたオイルの特性。
Soave 上手く熟したオリーヴによるもの。 Metalico 作業時の機械臭
Rotondo 熟したオリーヴによるまろやかさ。 Gelato 寒地のオリーヴの悪性