第3回 10月14日
T 行政国家の成立と行政学の発展
1-1. 行政国家
1-2 行政学の誕生と発展
<講義の概要>
1-1. 行政国家
● 「現代行政国家」とはどのようなものか?
主権国家の誕生から、市民革命を経て近代国家が形成されていく過程で政府活動がどのように位置付けられていったか。19世紀の近代国家の自由主義政策と工業化、都市化がもたらした政府活動の変化について解説する。
● 20世紀前半における総力戦と大恐慌を経て、政府活動が、財政政策を通して社会のあり方を規定し、社会の発展をもたらすに至った経緯を論じる。そして、そのような政府活動の拡大と社会制御の能力の蓄積により、福祉国家の実現にいたる過程を述べる。
● 1970年代以降の福祉国家の一種の行き詰まりへの対応として主張され、実施された行政改革、とくに「新公共管理論」に基づく改革の背景と現状について解説する。
<ここまで第2回の続き>
<ここから次回 10月17日>
1-2 行政学の誕生と発展
● 現代行政学が誕生したのは、アメリカ合衆国である。アメリカにおける政治的伝統と行政学誕生の背景を論じる。
● 初期のアメリカ行政学の基本的な考え方と「政治行政分断論」と呼ばれる理論を紹介する。
● 分断論の前提の変化と「政治行政融合論」への展開を論じる。
● 融合論として展開された「行政責任論」「政策研究」「政治過程分析」について紹介し、1980年代からの「新公共管理論」に至る学説史を解説する。
<文献>
● 森田 『現代の行政』 第3章
● 西尾 『行政学』 第3章、第4章