第2回 10月10日

T 行政国家の成立と行政学の発展

  1-1. 行政国家


<講義の概要>

● 行政現象を分析する場合に、重要な「社会管理」「政治行政関係」という二つの視点ないし軸について説明する。

  行政現象の「制度」「組織」「活動」という三つの要素について述べ、法学部における行政学、政治学系の科目との関連について述べる。

● 現代国家は、19世紀の国家と比べて、その構造は非常に複雑になり、広がりも大きくなった。
  現代における行政の課題は、こうして形成された社会において発生した。
  まず、このような社会構造の変化を「農村型社会」から「都市型社会」への変化と捉え、現代における行政課題の性質を明らかにする。

<以下第3回>

● 「現代行政国家」とはどのようなものか? 
  主権国家の誕生から、市民革命を経て近代国家が形成されていく過程で政府活動がどのように位置付けられていったか。19世紀の近代国家の自由主義政策と工業化、都市化がもたらした政府活動の変化について解説する。

● 20世紀前半における総力戦大恐慌を経て、政府活動が、財政政策を通して社会のあり方を規定し、社会の発展をもたらすに至った経緯を論じる。そして、そのような政府活動の拡大と社会制御の能力の蓄積により、福祉国家の実現にいたる過程を述べる。

● 1970年代以降の福祉国家の一種の行き詰まりへの対応として主張され、実施された行政改革、とくに「新公共管理論」に基づく改革の背景と現状について解説する。


<文献>

● 森田 『現代の行政』 第2章

● 西尾 『行政学』 第1章と第2章

                                  −以上−

授業・演習

2003年度行政学