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つぶやき


3月11日


 卒業という具体的ゴールが間近に見えてきたけど、何だかこのごろ少し気持ちがダウン気味。
 厳しい、大変と思っていた訓練だけど、何だかんだ言ってもここの生活は楽しい。
 犬のことさえ考えていればいいみたいな感じだし、日ごろの思い煩いから、完全に開放されている。家に帰れば、あれやこれやの問題が、再び私を悩ませることだろう。ああ、せめて訓練終わったその足で、そのまま、この東京の人の群れの中へ溶け込んでいけたらいいのにな。
 ふるさとの小さな街に、いつまでも馴染めず孤独な私。ノエルが支えてくれたように、この子も元気をくれるかな?私がかえってこの子の元気を消してしまうようなことにならないかな?ふ〜、正直めんどい。背を向けていたい。あの環境に戻りたくない。帰ったら、逆ホームシックになること間違いなし。
 な〜んてたわ言はおいといてと。

 電車乗りもだいぶ慣れてきた。地元では普段ほとんど電車乗らないし、自動改札なんてものもないから、私はすぐに正しい歩行スタイルを忘れてしまうけど、犬はちゃんと覚えてるんだよね。いつ東京に来ても、ノエルは訓練で覚えた通りに動いて私を驚かせた。きっとティンクルもそうなんだろうな。すごいよね!?<BR>  電車まで少し時間があったので、ホームのベンチに座っていると、知らない人が二人、こちらを見ながら言っていた。
 「賢いわねぇ!訓練されてるからおとなしいわねぇ。」
 「ほんとに、おりこうなワンちゃんだわ。」
 ふ〜、実はまだ訓練中なのよ。こうやって、毎日毎日私だって頑張ってんのよ。私にもおりこうって言ってくれ〜!疲れも手伝って、まじでそんなことを思った。これ、日ごろからよくあることなんだよね。誰もが犬に注目し、おりこうだの、お行儀がいいだのと猫なで声で褒めちぎる。でも誰も、この「おりこう」を保つために私たちがどれだけの努力をし続けているかに想像を巡らせてはくれない。だから、いざ犬を叱ってるところなんか見つけると、私たちが極悪で優しさのかけらもない者であるかのように
 「まぁ!あなたのためにこんなに尽くしてくれる犬に、そんなことよくできるわね!
なんて言うのだ。そういった言葉に、私たちはとても傷つく。頼むから私たちのことも認めてください。もちろん、この子を訓練し、私を教育しなおしてくれた指導員さんはもっと偉いけど。
 なんだか変なことを書いてしまったな。体疲れてんのに、頭が休む気配なし。まいるなぁ。まぁ、こんな日もあります。

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