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子犬ちゃん


3月3日


 朝、みんなでパートナーのブラッシングに行ったら、犬舎がやけに騒がしい。あれだけキーキーキャンキャンやってたら、普通は職員さんたちが口口に「ノー!」って叫んでるところだけど、誰も叱らない。それに何だか声そのものが高いし、バタバタと、箱の中で暴れてるみたい。
 何事かと尋ねてみると、生後2ヶ月の子犬が7匹、繁殖ボランティアのお宅から届けられたのだそうだ。
 がき大将みたいにいばって他の子を威嚇する子、キャンキャンと弱気な声を挙げている子など、既に個性が現れている。
 指導員が、その中の1匹を抱き上げてつれてきた。
 むくむく、ふわふわ、ぬいぐるみみたい。
 ティンクルが焼き餅しそうだけど、抱っこさせてもらった。
「いい子になりなね。」<
って、顔を近づけてすりすり。私の腕の中で、彼はプルプルと尻尾を振ってくれた。
 お母さん犬と離れて寂しいのか、箱の中で何頭かが悲しそうにピーピー言っている。明日からは、うーんとかわいがってくれる家族が待ってるとも知らずに。
 あと2年もすればあの子たちもハーネスつけて、キリッとした顔をして街を歩くのかな。
 子犬を箱に戻して、私の大切なこの子に向き合う。いやな顔一つせずに、さっきと同じ姿勢で、ブラッシングの再会を待っててくれた。
 こんな感じで、またたく間に過ぎた休みの1日だった。

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