セラフィ:「・・・ちょっと、作りすぎでしょうか・・・?」
ジェイド:「わたくしたちの料理を残すなんて出来ないでしょうから、へーきですよセラフィ様」
セラフィ:「・・・なんだか、以前より明るくなりましたね、ジェイドさん。」
ジェイド:「そうでしょうか?わたくしには判りませんが・・・・」
セラフィ:「・・・とりあえず、皆を呼んできましょうか。」
ジェイド:「そうですね。」

セラフィとジェイドの呼びかけで食堂に集まった一同は、その料理の量を見て愕然とした。

 ジュノ :「・・・なぁ、これ誰が食べるんだ・・・?」
 アル :「・・・俺たち以外にないと思うが?」
 ファル :「まぁ、ジュノは大食いだから平気だろ?」
ケルビナ:「食べきれる自信がないです・・・」
ルーシィ:「でも、みんなおいしそーだねw」
ジェイド:「さ、皆様遠慮なさらずにどうぞ? セラフィ様と二人で作ったのですから」
ルーシィ:「それじゃ、いただきま〜す!」

次々に料理を口の中に入れるルーシィ

 ジュノ :「俺も負けてらんねぇな! 大食い王の力、見せてやるぜ〜!!」
 ファル :「・・・いつ、そんなコト決まったんだよ・・・」
ジェイド:「皆様、お茶もありますからご遠慮なくお申し立てくださいね♪」
ケルビナ:「私たちもいただきましょう」
 アル :「そうだな。」
 ファル :「いいモンがなくなっちまう前になw」
 ジュノ :「アンバーも、そんなトコに突っ立ってねぇで食えよ。
      んまいぞ〜?」
アンバー:「ええ、いただきますねー」

しばし、うまい食事を肴に談笑が続く。
無論、徐々にハメが外れていくわけだが・・・・・・

 ジュノ :「そんで、そのときのファル兄ぃつったらよ〜w」
 ファル :「ジュノ、こらてめぇ! それは言うなって!」
 ジュノ :「いーじゃねぇかよ、減るモンじゃねぇし。そいでな〜?」
 ファル :「テメェ、表ぇ出ろぉ〜〜!」
セラフィ:「静かにしなさい!」

ゴズッ

二人の頭にセラフィの拳が振り下ろされた。

セラフィ:「まったく、二人はいつもいつも・・・」

正座する二人に対して、仁王立ちのセラフィが説教を開始した。

 アル :「・・・いつものこと・・・か。」

アルは苦笑する。

ケルビナ:「やっと、いつもの雰囲気に戻った感じがしますわね。」
ジェイド:「ずずーーーーっ」
アンバー:「ずずーーーーっ」

姉妹二人して我関せずお茶をすすっていた

 アル :「・・・あっちはあっちでマイペースだな・・・」
ルーシィ:「あれもこれもそれもどれも・・・おいし〜〜!!」
 アル :「・・・あいつは誰に影響されたんだか・・・」
ケルビナ:「まったくですわね・・・でも、あの無邪気さがかわいいのですけれどw」
 アル :「一理あるな。」
ジェイド:「皆様、お茶のお代わりはいかがですか?」
セラフィ:「・・・一杯いただきます。」

説教を終えたセラフィが、湯飲みを差し出す。

ジェイド:「はい、どうぞ。」

八分目までお茶を注ぐ

セラフィ:「ありがとうございます。」
 ジュノ :「俺も、俺も・・・!」

ジュノは、いつものようにノドにつまらせたらしい。

ジェイド:「はい、どうぞ・・・・・あら」

どうやら空になったらしい

ジェイド:「申しわけありませんジュノ様。すぐ湯を沸かしてまいりますので、お待ちになっていてください」
 ジュノ :「ん・・・ぐが・・・」

ものすごく苦しそうである。

アンバー:「あらあら、大変ですねー」

とんとんと背中を叩いてやる

 ジュノ :「んぐ・・・げほっ! た、助かったぜ・・・」
アンバー:「そんなに急がなくても料理は逃げませんよー」
 ジュノ :「逃げないけど、冷めちまう〜」

また料理のほうに走っていくジュノ

ジェイド:「お待たせいたしましたジュノ様、お茶をどうぞ」
 ジュノ :「お、サンキュ〜w これでまだまだ食えるぜw」
 ファル :「・・・せっかくの料理を流し込む気か、お前は・・・」

ジュノとルーシィの猛威もあり、料理の数はもう少なくなっていた。

アンバー:「あらールーシィちゃんもなかなかやりますねぇー」
ジェイド:「セラフィ様、あの量で十分でしたね」
セラフィ:「そうみたいですね。」
ジェイド:「さて、ソロソロ後かたずけの準備ですかね・・・・」
セラフィ:「そうですね。ジュノ君とルーシィには、キッカリ手伝ってもらいますよ?
      さんざん食べ散らかしてくれましたからねぇ・・・」
ジェイド:「これも修行だと思って・・・・しっかり手伝ってもらいますよ?」
 ジュノ :「っしゃ〜ねぇ、このすばやさを生かしてガっとやってやるか。」
ルーシィ:「私も〜w」
ジェイド:「ダメですよ、ちゃんと丁寧にしてもらいませんと・・・・」
アンバー:「・・・・・・なんか、新しいお姉ちゃんみたいですねジェイドちゃん」

視野の端にそんなジェイドを見ながらお茶をすする

 ジュノ :「まぁまぁ、手早くやっちまおう。俺はよくセラ姉ぇの手伝いしてるから、慣れたもんだぜw」
ジェイド:「では分担して 手早く終わらせましょうね」
ルーシィ:「はーいっ」
アンバー:「アルさんアルさん、いい奥さんになれるでしょ?ジェイドちゃんは」
 アル :「そうだな、料理もうまいし、家事全般こなせるようだし・・・」
 ファル :「セラフィに退けをとらないな・・・」
アンバー:「式はいつにします?」
 アル :「・・・いや、そう聞かれてもな・・・」
アンバー:「ま、まずはジェイドちゃんを転職させませんとねー」
 アル :「資金も準備しないといけないしな。」
アンバー:「まずはジェイドちゃんをアコにしてー・・・・・それからー・・・・」
 アル :「・・・すでにアコだろう・・・」
アンバー:「いいえ?違いますよ?
      あの衣装は私のお手製ですし、支援やヒールはグレイトフル・デッドで擬似的に作ったものですから。
      ベースは高いですけど、ぶっちゃけノビです」
 アル :「・・・そうだったのか・・・」
アンバー:「ええ、体が身体でしたし、洗礼を受けるなんてとても・・・」
 アル :「そうか・・・しかし、これでもう普通の体になったんだ。
      遠慮なく転職できるな。」
アンバー:「ええ。ただ、アルさんと肩を並べられるのがまだまだ先になってしまいます・・・」
 アル :「そうか・・・あの力がないわけだからな・・・」
セラフィ:「でも、ジェイドさんならスグですよw なんなら私がアコの手ほどきを・・・」
 ファル :「・・・殴りアコでアドバイスできるのか・・・?」
ジェイド:「ルーシィ様、まだ水滴が残っていますよ こういうところは手を抜いてはいけませんよ?」

キッチンからはジェイドの指示が聞こえてくる

アンバー:「ジェイドちゃんは力そんな強くないですよ・・・」
セラフィ:「そうですよね・・・」
アンバー:「おそらく支援型とかになるかと思いますけど・・・後は本人の意志しだいですねー」
ジェイド:「ジュノ様、ちゃんとすすいでください!洗剤が残ってしまいますから」
 ジュノ :「へいへい、わぁってるよ〜」
アンバー:「ずずーーーーっ・・・さてと、後かたずけが終わったら帰るとしますね」
セラフィ:「そうなんですか?このままココにいるのかと・・・」
 アル :「まだ荷物の準備が終わってないんだろ?」
アンバー:「なんならジェイドちゃんは置いていきましょうか?アルさん」
 アル :「それはジェイドに任せるが・・・」
アンバー:「ア・ル・さ・ん・は、どーしたいんですか?」
 アル :「・・・まぁ、本音を言えば離れたくはないが・・・」
アンバー:「そういうことは本人にいってくださいね」
 アル :「・・・まぁ、片づけが終わってからな・・・」
ジェイド:「はい、お疲れ様です 後は私がやっておきますから、向こうでお待ちになっててくださいな」
 ジュノ :「ふぃ〜・・・さすがに量が多かったぜ・・・」
セラフィ:「おつかれさまですw」
ルーシィ:「お片づけってタイヘンだね〜・・・」

一人キッチンに残り、細かい片付けをするジェイド

アンバー:「アルさん?手伝わなくていいんですかー?」
 アル :「・・・なにかけしかけようとしてるだろ?
      生憎だが、俺は台所には立てない。というか、正確には立たせてもらえない。
      まぁ、セラフィも手伝いに行ったようだし・・・」
アンバー:「むー・・・つまらないですねぇ・・・」
ジェイド:「セラフィ様、お手伝いさせていただきありがとうございました」

お礼を言いつつも手は動いていた

セラフィ:「いえいえ、一緒にできて楽しかったですよえ」
ジェイド:「またこういう機会のときは、手伝わせていただきますね」
セラフィ:「そうですね。今度はジュノ君も混ぜて3人で作りましょうw」
ジェイド:「どんな料理を作られるかちょっと楽しみですね」
アンバー:「微笑ましい風景だと思いません?アルさん」
 アル :「・・・そうだな。こうしてみるとあの二人、仲のいい姉妹のようだ。」
アンバー:「行く行くは義理の姉妹になっちゃうんですからねー」
 アル :「そうだな。立場上はジェイドが姉か・・・
      まぁ、そんなことで態度が変わるようなこともないだろう。」
アンバー:「ふふふー・・・アルさんは行く行く私の弟になるんですよー」
 アル :「それもなんだかピンとこないが・・・態度は変えないぞ?」
アンバー:「変えられたら逆に引きますよー・・・”義姉さん”とか言われたら鳥肌モノですしねー」
ジェイド:「ふー・・・お待たせいたしましたー」

手を拭きながらジェイドがキッチンから戻ってきた

 アル :「お疲れ、ジェイド・セラフィ。」
ジェイド:「料理は堪能していただけました?」
 アル :「あぁ、美味かったぞ。 それよりジェイド、今から身支度をしに戻るのか?」
ジェイド:「はい、一応そのつもりですが」
 アル :「俺がこんなことを言うのもなんだが・・・ジェイドはもうしばらくココで体を休めて、
      そのあいだにアンバーに準備をしてきてもらうというのはどうだろうか?」
ジェイド:「ですがこれ以上は、ご迷惑になるのでは・・・」
アンバー:「いいじゃない、身体に慣れるまで時間かかると思うよ普通になったんだから・・・」
ジェイド:「それこそ迷惑になりかねないかと・・・・」
セラフィ:「大丈夫ですよ。 度毎度狩りに行ってはケガして戻ってくる誰かさんのほうが、よっぽど迷惑です・・・」
ジェイド:「・・・・・・アル様、わたくしのことを心配していただけるだけですか?」
 アル :「・・・まぁ、本音を言ってしまえば、せっかく事も終わったんだし、
      できるだけ離れたくないというのも・・・」
ジェイド:「・・・・・・はっきり言っていただかなくては私にはわかりません・・・」

そういって玄関へ向かって歩いていく

 アル :「待てジェイド!・・・俺の傍にいてくれ。」

ピタッと足を止める

ジェイド:「・・・身体を休めている間だけですか?」

 アル :「いや、もちろんその後も、ずっと・・・」
ジェイド:「なんですか?聞こえません!」
 アル :「ずっと俺と一緒にいろ、ジェイド」
ジェイド:「・・・・・・」

ゆっくりと顔を伏せたままアルの目の前に

ジェイド:「・・・・・・はい。」

そして顔を上げて

ジェイド:「いつまでもお仕えさせていただきます・・・・アル様。」
アンバー:「はい、お泊りけってーい・・・つーか移住かな♪」
セラフィ:「アンバーさんも、早めに戻ってきてくださいね?
      心待ちにしてますのでw」
アンバー:「ぇー私は対象外ですよー?
      でーはー、ジェイドちゃんのことよろしくお願いしますね皆さん」
 アル :「あぁ、任せておけ。」
セラフィ:「しっかり面倒見ますよw」
アンバー:「アルさん、とりあえずはジェイドちゃんの転職と式の準備任せましたからねー
      ではではー」

そそくさと外へ出て蝶を使い帰っていった

ジェイド:「あー・・・えーと・・・ど、どうしましょぅ?」
 アル :「あ〜・・・そ、そうだな・・・とりあえずは自由時間で・・・」
ジェイド:「えと・・・その・・・とりあえずわたくしは・・・どこに寝泊りをすれば・・・・」
 アル :「そ、そうだったな・・・とりあえず部屋に案内する。」

歩き出すアルの後をついていくジェイド。
しばらくするとアルは、扉の前で立ち止まった。

 アル :「ここは誰も使ってないから、ジェイドの部屋にしていいぞ。」
ジェイド:「あ、はい・・・ありがとうございます・・・」

ほぼ逃げるようにあてがわれた部屋へ入るジェイド

 アル :「とりあえず、アンバーを待つか・・・」

そのころ家にもどったアンバーといえば・・・

アンバー:「はぁー、ようやくってところだよぅ・・・まったくあの奥手なバカップルどもは・・・
      ま、一晩くらいは一緒にいさせれば多少意識変わってくるかなぁーと・・・・
      うん、そうしておこう」

<アルさーん、こっちも結構疲れちゃったんで、明日か明後日にでもそちらに向かいますよー
 っていうことで、ジェイドちゃんと一つ屋根の下がんばってくださいねー、色々と♪>

アンバー:「ふふふ・・・絶対向こうに行ってやらないんだから・・・・・・」

 アル :「・・・なにか今、アンバーから耳打ちが届いた気がしたが・・・
      空耳ということにしておこう・・・」

ガチャ

不意にジェイドの部屋(仮)の扉が開く

ジェイド:「あの・・・アル様」
 アル :「ん、なんだ? ジェイド」
ジェイド:「えと・・・あの・・・不束者ですが、よ・・・よろしくお願いいたします・・・
      それだけです!!おやすみなさいませ!!」

バタン!!

言い終わると同時に勢いよく扉が閉められた

 アル :「・・・・・・俺も部屋に戻って寝るか・・・」

その夜、当人たちの知らぬ間に、馴れ初め談義やら、今後どうしていくかが会議されていたのは、また別のお話・・・・
転職をしたジェイドの修業のため、数週間会えなくなるアルの苦悩もまた別のお話・・・・・・


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