ここはアンバー・ジェイドの隠れ住まい・・・ アンバー:「あ、おはよジェイドちゃん」 ジェイド:「・・・おはようございます姉上・・・」 些か眠そうではあるが起きてはきたらしい アンバー:「ねージェイドちゃん、この前アルさんたちのところにいたとき何か話した?」 ジェイド:「いいえ? 特にこれといっては・・・」 アンバー:「そっか・・・ねージェイドちゃん・・・」 顔を曇らせ気味にアンバーが問う アンバー:「このままだとアルさん立ち巻き込んじゃうかもね・・・ ってか、もう首突っ込んでるね・・・」 ジェイド:「・・・・・・・・・」 ジェイドは答えない アンバー:「どうせもう関与してくるだろうしどうする?」 ジェイド:「何をです?」 アンバー:「このまま何もいわずに私たちだけで決着をつけておくか、 少なくとも話をしておくか」 ジェイド:「ですが・・・」 アンバー:「少なくとももうターゲットのことを知っちゃったし、 向こうも私たちの接点ってことで狙わなくもないよ 何してくるかわかんないんだから・・・」 ジェイド:「・・・・・・・・・」 ジェイドはすっかり考え込んでしまった アンバー:「だったら話だけはしておいて、とっさの対応くらいは 取れるようになっておいた方がよくない?」 ジェイド:「そう・・・ですね・・・」 アンバー:「何かあってからじゃ遅いからね・・・ ジェイドちゃんだって巻き込みたくはないでしょ?」 ジェイド:「当然です、わたくしのマイロードのためならどんなことでもして守り抜きます!!」 アンバー:「・・・・・・ジェイドちゃん・・・・・・」 珍しい大きな声にアンバーはちとびっくりした アンバー:「でもジェイドちゃん、もうそんな仲になったんだー・・・ おねーちゃんはうれしぃよぅぅぅ!!」 ぎゅーーーっとジェイドを抱きしめた ジェイド:「あああああ姉上・・・そんな仲だなんて・・・ アル様は私のお仕えするただ一人のお人ですから・・・だから、その・・・」 アンバー:「うんうん、いーのいーの隠さなくたってー♪」 ジェイド:「と・・・ところで姉上、話をするにしてもどうやって・・・・」 危険察知をしたのか話題を変える アンバー:「そうねぇ・・・この前ジェイドちゃんもお世話になったことだしー・・・ お礼もかねてお茶会でも開こう!」 ジェイド:「お茶会・・・・ですか?」 アンバー:「そ、なかなか騒がしい皆さんだし、ここは安らぎと落ち着きの心をもっていただかないとー まー、あとは新しい茶葉の試飲会をかねて・・・」 ジェイド:「そちらがメインですか・・・・・・はぁ〜・・・」 企みがさらりとわかって落胆するジェイド アンバー:「やーねぇー、ついでよ つ・い・で」 ジェイド:「はい、わかりましたわかりました・・・・で、いつにするのです?」 アンバー:「そーねー、とりあえずアルさんたちの都合を聞いてからかなー?」 ジェイド:「では、交渉はお任せしますよ」 アンバー:「おっまかせぇー♪」 ところ変わってここは首都プロンテラ 今日もせっせと家計のため露店を開くファル 人通りも少なくなって露店を締めようとしたときだった カートに向かい二本の矢が飛んできてカートに刺さる ファル :「うぉぁ!? あっぶねぇなコレ・・・どっかでドンパチやってんのか・・・?」 しかし、見回してもテロや抗争の様子はない。 良く見ると矢尻に紙が縛り付けてある。 ファル :「矢文・・・?いまどきなんでこんなネタちっくな・・・ ・・・まさか、な。」 ファルはアンバーの顔を思い浮かべながら矢文を開いた。 「あはー♪よくわかりましたねー♪」 手紙の第一文がこれである ファル :「・・・時々アンバーの正気を疑うな・・・いや、毎度か。」 続く文面は以下のとおりである 「この度は我が妹が皆様にご迷惑をかけまして、申しわけありませんでした。 つきましては、ささやかなお詫びとお礼も兼ねて、お茶会を開こうかと思います。 皆様万事御繰り合わせの上、ご参加ください。 尚、もう一方に地図をご用意いたしました。そのルートに従い会場まで足をお運びください。 アンバー」 ファル :「お茶会ねぇ・・・とりあえずみんなに報告すっか。」 ファルは耳打ちでお茶会の件を伝えた。 アル :「・・・それはいいがファル」 ファル :「ん?」 アル :「・・・いつ開くんだ?」 ファル :「・・・書いてねぇ。」 アル :「・・・確認しておけ。」 ファル :「わぁった。」 早速、アンバーに耳打ちをする。 -おいアンバー・・・- -はーい、お待ちしてましたー- -言うことはいろいろあるが・・・まず最初に。 殺す気か!!− -あはー♪ちゃーんと腕のいい鷹師の方に頼んで打って貰いましたからー- -待てアンバー・・・鷹師って運重視じゃねぇか・・・ウデ良くねぇだろ・・・− -細かいことを気にしたら負けですよー?- -気にするなっつ〜方がムリだろ・・・- 話がどんどん逸れていくので、ファルがムリヤリ修正する。 -そのへんはまぁいいとしてだ。このお茶会なんだけど・・・- -はーい、なんでしょー?- -いつ開くんだ? ってアル兄ぃからツッコミが・・・- -そちらのご都合に合わせて、という感じなのですがー- -ん、りょ〜かい。じゃ、こっちで日程決めて連絡するわ。ほいじゃ、またあとで〜- -おまちしてまーす- アンバーとの通信を切った。 -・・・ということなんだけど、どうする?アル兄ぃ- -・・・どういうことなのかサッパリだぞ。- -こっちで日程決めていいってさ。- -なら明日だな。- -って、即答かよ・・・ま、いっか。 アンバーに伝えとくぜ〜- -ああ、任せた。- -・・・ということでアンバー、明日になった。- -あら、意外と早く決まりましたねー笑- -即答だったぜ。 誰かさんの一秒了承みたいに。- -ではではー地図に沿っていらしてくださいねー- アンバー:「さーてジェイドちゃん、明日お茶会開くのが決まったから準備しようねー」 ジェイド:「姉上・・・・本当にコレでお茶会を開くのですか?」 アンバー:「うん」 ジェイド:「・・・・・」 アンバー:「腹くくりなさい、ちゃんとしたおもてなしもしたいでしょ?それが正しい衣装なのわかった?」 ジェイド:「わかりました・・・・・」 しぶしぶというか、いやいやというか・・・ジェイドはコレでのお茶会を承諾し、二人で準備を進めた。 一方、天使連盟側・・・ セラフィ:「明日・・・ですか?」 アル :「うむ。」 ジュノ :「もう夜だぜ・・・?今から準備っつっても・・・」 ファル :「なんもいらねぇって。紅茶もお茶請けも向こうで用意してくれるだろ。」 ケルビナ:「しかし、せっかくのご招待ですわ。 それなりの服くらいは・・・」 ルーシィ:「わ〜い! おっ茶か〜いw」 アル :「・・・ルーシィは変わらないな。」 セラフィ:「そこがかわいいんですけどw」 特に準備もなくお茶会にでかけることになった。 そして迎えたお茶会当日 ファル :「よ〜、来たぜ〜」 セラフィ:「お邪魔しま〜す」 ケルビナ:「本日はお招きいただき、まことに光栄ですわ。」 ルーシィ:「ねぇねぇ、アンバーさんの紅茶、とってもおいしいんでしょ?w」 アル :「ルーシィ・・・少し落ち着け。」 ジュノ :「い〜んじゃねぇ? ルーシィらしくってw」 扉をくぐると左右対称に見分けの付かないメイドルックの二人が立っていた 二人 :「ようこそお越しくださいました皆々様」 衣装・しぐさ・声質・表情に至るまで瓜二つのメイドが二人 ジェイドが二人そこにいた アル :「またアンバーのトリックか・・・」 二人 :「本日は招待をお受けしていただき、誠にありがとうございます。 ささやかな席ではございますが、皆様ごゆるりとお楽しみくださいませ。 それではお荷物などお取りいたしましょう。」 アル達は、二人のメイド(?)に手荷物を預けた。 ジェイドA「それでは、空いている席へご自由におかけください」 ジェイドB「すぐにお茶をご用意いたしますゆえ、しばしお待ちください」 そういって二人は手荷物を持ち奥へと下がっていった ファル :「しっかし、見分けつかねぇ・・・」 セラフィ:「ホントですね・・・」 天使連盟の一同は、見分けがつかずに当惑していた。 その中でただ一人、アルの口の端がわずかに上がったことは誰も気づかない。 しばらくするとティーセットを持って二人のメイド・・・ジェイドが現れた 二人 :「お待たせいたしました」 言うが早く静かに手早くティーカップとクッキーの入った小皿を並べていく ジェイドA「どうぞ・・・」 アル・セラ・ジュノのカップへ紅茶を注ぎ ジェイドB「どうぞ・・・」 ファル・ケルビナ・ルーシィのカップへ紅茶を注ぐ セラフィ:「いい香り・・・」 アル :「これだけでも楽しめるな・・・」 ジュノ :「い〜や〜さ〜れ〜る〜・・・」 アル :「そこ、溶けるな。」 ジュノ :「へぃ、兄者。」 ジェイドB「おかわりなどもございます、ご遠慮なさらずにお申し付けください」 アル :「ジェイドとアンバーは飲まないのか? せっかくのお茶会だろう?」 二人 :「私どもはおもてなしをする側ですので執事にに勤めさせていただきます」 ジェイドA「どうしてもおっしゃるのであれば」 ジェイドB「交代で参加させていただきますが」 アル :「・・・遠まわしな言い方はやめようか。」 アルはふぅ・・・と一息つく。 アル :「何か・・・話があるんじゃないのか?」 ジェイドA「・・・お世話になりご迷惑もかけたので」 ジェイドB「せめてものお礼の意味を込めて、という指向なのですが?」 セラフィ:「そうですよ兄さん・・・ 突然何を・・・」 アル :「・・・以前も、似たような経験がある。 なにか大事な話をする上での、"名目としてのお茶会"・・・違うか?アンバー。」 ジュノ :「ジェイドもアンバーも、気ぃ悪くしねぇでくれよ? アル兄ぃは、お茶会はお茶会で楽しむつもりなんだ。ただ・・・」 セラフィ:「ただ・・・?」 ジュノ :「さっきも言ってるじゃねぇか。"過去に経験がある"ってな。」 ジェイドA「・・・・・・・・・」 ジェイドB「・・・今はもうしばらく、紅茶の味をお楽しみくださいなもうすぐわかりますから・・・」 アル :「・・・わかった。だが、もう一つ・・・」 紅茶を一口すすって・・・ アル :「・・・その扮装、やめないか? アンバー。 似てるのはよ〜くわかってるから・・・」 直立していた二人のジェイドのうち、左側のジェイドが不意に笑顔をつくり アンバー:「ちょっとしたお遊びですよ、演出ともいいますがねー♪」 ジェイド:「姉上、悪ふざけが過ぎますよ」 アル :「・・・苛立ってたんだ、自分に。」 アルが突然語りだす。 アル :「いくら似てるとはいえ、必ず違いはあるはず。 だが、その違いが俺にはわからなかった。 "ジェイドを見分けれない自分"が悔しくてな・・・」 そう、この二人を見たときアルの口の端が上がったのは、"見分けた"からではなく、ひきつっていたのだった。 アンバー:「アルさん、それはある意味しょうがないのですよ。ただ似ているだけではないのですから」 アル :「そう・・・か。」 アルは、冷めかけでカップに残っていた紅茶を一気に飲み干す。 アル :「おかわり・・・もらえるか?」 ジェイド:「どうぞ、アル様・・・」 ポットを手に取り、空になったカップへ熱めの紅茶を入れる アル :「すまない。」 そんなたわいもないやり取りの最中、アル以外のメンバーに急激な眠気が襲ってきた ファル :「なん・・・だ・・・?」 セラフィ:「急に・・・ネム、く・・・」 ルーシィ:「ふあぁ〜〜〜・・・ぁふ。」 ジュノ :「くー・・・」 メンバーの様子を確認すると用意していたかのように毛布を持ってきて 不意に眠ってしまったメンバーへかけていくアンバー アル :「・・・用意周到・・・か。」 アンバー:「あまり気分のいい話でもありませんしね・・・・」 ジェイド:「・・・・・・・・・・・・」 アル :「そう、だろうな。」 一通り毛布をかけ終わり、ジェイドとアンバーはアルの向かいへ腰掛けた。
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