句 詩 碑 篇

   子どもの騒ぎは
 
  雲のさわぐのに

 似ている

  打木 村治 文学碑

 埼玉県 第二番   
  奥武蔵の古刹を訪ねるみち
 
 
 それぞれのコースを回っていると、多くの句碑、詩碑にも巡り合います。ここではその句碑、詩碑の数々をご紹介したいと思います。

   鉄線を見に出でよ
  とぞ夫の声
 美しき花
  我に見よとて

   八木芳江の歌
 
 神奈川県第十二番  
  丹沢山塊東辺のみち
  
      平 久胤

我庵は盛りも人の
   とわぬかな
惜しまれて 
   ちる花もあるよに

 神奈川県第九番 
   弘法大師と桜のみち
    
   生ることかなしと思う山峡は

はだら雪ふり月照りにけり

   前田 夕暮

 神奈川県第九番
     弘法大師と桜のみち
  
  ものいわぬ 四方のけだもの
   すらだにも
あわれなるかなや
   親の子をおもう
  
   源 実朝

 神奈川県 第十五番
  弘法大師と丹沢へのみち 
    ひらかるる 御御厨の扉
   きしむさえ
 生きの□の
   身を正さしむ

     凱二

 神奈川県 第十一番
  巡礼峠のみち
    たまきはるいのち
   看取るは君か吾か
 二千三年の屠蘇
   酌み交わす

   長塚 まき子

 神奈川県 第十番
  太田道灌・日向薬師のみち
   雲もなお
   さだめある世の
       しぐれかな

  心敬

 神奈川県第十番
  太田道灌・日向薬師のみち

 
  
     鎌倉将軍
   源実朝御歌
 道とほし
腰はふたへに
  かがまれり
 杖にすがりて
  ここまでも来る

 神奈川県 第八番
  鷹取山・里のみち
  
 火の島へ  
   一帆目指すよ   
       芋の露

    角川 源義
 
  神奈川県第二番 番外 
   先生の
 うたい
   たまえる
 通り矢の
   はなの
 さざなみ
   ひかる
 雲母の
  ごとく
     宮 柊二
 神奈川県 第二番 番外 
  
 鶯や
   柳の後ろの
       藪の前

     松尾 芭蕉
 
 群馬県 第二十六番
   雑木のやまみち

    

 
    糸遊に
   結びつきたる
      けふりかな

    松尾 芭蕉
 
   栃木県 第十四番
     風土記のみち
    
 能面の
   憂いは稲の
       匂いかな

     桑原 月穂

 栃木県 第十四番
   風土記のみち
  芭蕉塚の碑

 志ばらくは
    花のうえなる
        月夜かな


群馬県 第四番 
  小梨峠から牛伏山へのみち 
  
ふるさとの駅には
 優しい母のにおいがする
旅から帰ってくると
そのふところに 抱かれたくなる

        鈴木 比呂志

 群馬県 第八番
  旧信州街道のみち
   帰路の上州一ノ宮駅