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WEB掲載日:04/11/9
掲載誌:「人民新聞」2004年10月25日(第1193号)
京都社会フォーラムへの参加の私的呼びかけ
「反グローバリゼーション」の交流と「新たな始まり」の場をつくりあげよう!
京都社会フォーラム実行委員会 小森政孝(ATTAC京都)

 今年の12月11〜12日(土・日)、京都大学(京都市左京区)において、「京都社会フォーラム(KSF)」を実施します。日本では初の「社会フォーラム」とあって未経験なことが多く、さまざまな課題が山積する中で鋭意準備をすすめています。

 さて、今回は「人民新聞」読者のみなさまへKSFの呼びかけをさせていただきます。それも筆者の“個人的な”呼びかけをしたいと思います。(公式な呼びかけ文は、とてもカタいので。)

I 社会フォーラムってなに?

 本紙にもなんどか記事が掲載されている世界社会フォーラム(WSF)。2001年から年一回開催されている、きわめて巨大な催しだ。一言で言うと、世界中からなんらかの社会問題にかかわっている活動家や団体があつまる“お祭り”である。その幅は、環境保護団体から農民の組合、女性の権利向上を訴える団体、労働組合、野宿者運動そして先住民組織にいたるまで、ありとあらゆる社会運動から人が集まってくる。もちろん、それはただのお祭りではない。不公正がとめどなく増大していくこの惑星を、とにかく何とかしたいと思っている気持ちの良い連中が、お互いの情熱と経験と知恵を交換する場なのである。

 「社会フォーラム」はいま、世界各地でいろいろな大きさで開催されている。アジア、ヨーロッパという大陸サイズから、ボストンのような都市レベルのものまで、様々な規模で実施できるのが社会フォーラム運動の良いところだ。

II 9・11以後増加した協同の取り組み

 さて普段、ATTAC京都という小さなNGOで活動している筆者は、学生として京都にきて6年目になる。その間、日本の社会運動の事情は必ずしも好ましいものではないなあという思いが次第に強くなっていった。様々な政治的な背景を持つグループが、過去の行きがかり上、互いに反目し、そうした情況が若い世代の参加を困難なものとしてきたように思う。これは本紙読者の皆さんの多くも感じておられることではないか。

 しかし、こうした情況が変化し始めたのは2001年のことである。言わずとしれた9.11事件がきっかけとなり、報復戦争とそれに対する自衛隊の荷担に反対して、それまで反目してきた諸グループの間の協同の取り組みが飛躍的に増加した。若い世代の参加も増え、それは運動のスタイルを巡っての世代間対立のようなものを引き起こしつつも、イラク反戦運動の盛り上がりを経て、お互いにいい刺激だったと言えるところまできたと思う。

 こうした運動世界のある種の「地殻変動」の中で筆者は、自身の活動を通じて数多くの活動家と知り合うことが出来た。非正規雇用の時代を闘う労働運動、在日コリアンの取り組み、住民主体の環境保護運動、野宿者運動、産直運動など、どの運動も一生をかけるに値する内容を持っていると感じたし、取り組んでいる活動家は尊敬すべき人びとばかりだった。

III 「京都社会フォーラム」をやりたい!

 この町で社会フォーラムができるのではないか。はっきりいって、これほどの内容をもつ社会運動が、これほどたくさん存在しているのに、相互交流がないのはあまりにもったいない。

 筆者の属するATTAC京都には、それぞれがやってきた運動の経験から同様の感想をもつ若い活動家たちが何人もいた。半分は「若気のいたり」かもしれない。しかし、「社会フォーラムを成功させれば必ず運動世界全体のためになる」という確信が生まれていた。ATTAC京都という小さなNGOが、「京都社会フォーラム」を呼びかけるにいたったのは、そうした事情による。

 幸い、「京都社会フォーラムの呼びかけ人になってください!」という唐突なお願いに、多くの方に応じていただけた。いずれも一つの運動を中心で担っているような人びとばかりである。現在、実行委員会と事務局を立ち上げて、少ない時間をやりくりしながら鋭意準備を進めているところである。

IV 「フォーラム」への参加とカンパのお願い

 筆者は京都社会フォーラムを次のような場にしたいと考えています。@このとんでもない“グローバリゼーション”の時代をともに生き、社会運動に取り組んでいる様々なグループが出会い、そのアツい想いを交換し、一緒に何かをはじめるきっかけになるような場。A世の中に「なんでだよ!」と思っている連中が、様々な運動体の取り組みを見て回ることが出来、オレもやってやろうじゃねーか、と思えるような場。Bそういう光景を見た他地域からの参加者の中から、今後「尼崎社会フォーラム」や「関西社会フォーラム」が生まれ、そうした取り組みが連鎖して「日本社会フォーラム」が開催されるような、そういう“はじまり”の場。

 そのために、「人民新聞」の読者の皆様には次のことをお願いします。来て下さい!というのもあるのですが、ぜひ何らかの取り組みをされている方は、ワークショップやブースなどの形で参加して下さい(もちろん京都に限定しません)。お金の面の協力も大歓迎です。あとウワサをガンガン広げてくださるよう御願いします。詳しくはWEBサイトをご覧下さい。では!


京都社会フォーラム実行委員会
 〒600-8127 京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83-1 ひと・まち交流館内
       ATTAC京都気付「京都社会フォーラム実行委員会」
WEB : http://kyoto.socialforum.jp/   E-Mail: kyoto@socialforum.jp
 FAX :075-706-3875    
郵便振替 「京都社会フォーラム実行委員会」 00970-8-190699


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