家 づ く り 

2.建築業者の選び方


 どの本にも書いてあることですが、大手住宅メーカーに頼んだからといって、良い家が建つ訳ではないようです。というのは、実際に家を作るのは、下請け・孫請け業者だからです。

 大手住宅メーカーの場合は、間に介在する業者が多くなる分、中間マージンを余分に取られる上、連絡や指導が行き渡らず、自分の思った通りに作って貰えないということが多いようです。伝言ゲームと同じ仕組みですね。

 やはり、小さくても地元の優良工務店に建てて貰う方法が一番良いようです。

 ところが、「では、どこが優良工務店なのか?」ということが大問題になります。私たちシロウトが、優良な建築業者を見抜くことなど不可能です。多くの場合は、営業マンの感じの良さとか、人柄で決断してしまう部分が大きいのではないでしょうか?

 私たちの場合は、私の職場の同僚のKさんの紹介でした。

 社員8名ほどの小さな会社で、その社長(40代)がKさんの友人だったのです。当時、Kさんもその工務店で自宅を建築しており、その社長の確実・誠実な仕事ぶりにすっかり感動して、私にも勧めてくれた訳です。

 この会社はカスタムハウジングのフランチャイズなので、会社自体は小さくても、住宅の設計や構造自体はしっかりしていました。

 私の評価のポイントですが、まず、こちらのわがままな要望に根気強く付き合ってくれるかどうかをチェックしました。

 注文住宅なんですから、自分たちの思ったように建てて欲しい訳です。ただ、それが建築基準法や、構造強度の問題で思うようにいかない部分は当然出てくる訳ですが、それでも施主の希望を最大限尊重してくれるのが、やはり大事なことだと思ったからです。

 それから、むやみに高いものを勧めてこないという姿勢も大事だと思いました。

 例えば、我が家の場合、夫の年収は結構高いです。当時、住宅ローンは年収の5倍まで借りられましたから、手持ちの資金と合わせて約8000万円の家を建てることも可能でした。

 そして、建築業者の中には施主をうまいことおだてあげて、より住宅に大きな費用をかけさせようとする輩(やから)もいる訳です(経験談)。

 けれど、大雑把に言って、例えば5000万円借りるということは、1億円返済しなければならないということです。住宅ローンの仕組みとは、そうなっているのです。長期返済なので返済利息の金額が元本と同じになってしまう訳ですね。

 けれど、そんなに多額の借金をして、一体どんな幸せな生活ができるものでしょうか?豪邸に住んで爪に火をともす生活をしていたら、本末転倒ではありませんか?

 私たちは、できるだけ現金払いで済ませ、ローンの金額は可能な限り低く、期間も短く抑えるというスタンスで家作りに望みました。そして、Kさん紹介の業者は、そうした私たち夫婦の方針を尊重してくれた訳です。

 その他、この会社の電話の応対が、大企業なみにしっかりしている点も、評価ポイントを高くしました。これは、社長の管理教育が社員に徹底されているということだからです。

 また、小さな会社なので、何事も社長に伝えれば末端の大工さんまで支持がきちんと届くという点でも優れていました。

 その上、何かトラブルがあれば、たちまち社長が駆けつけてくれて、すぐに誠実な対処をしてくれる点でも、信頼を厚くしました。この点は、住宅完成後のアフターサービスにも及び、今でも何かあると、すぐに修理・修繕をしてくれます。

 この会社の社長は、50坪の土地に建つ築15年の、隙間風の吹き込む木造住宅に、家族6人で住んでいるということです。おそらく、施主からできる限り金を搾り取ろうという姿勢の社長であったなら、こんな慎ましやかな生活はしていないのではないでしょうか?
 この社長は、たぶん、家を作ること自体が好きなのだと思います。

 人柄を見抜くということは、大変難しいことです。

 建築業者を選択する場合は、まずは細かな打合せの段階で、決して激高しない穏やかさがあるということが大事だと思います。それから、約束を確実に守る誠実さがあるということ、困難な局面でも乗り越えようとする粘り強さがあるということも大事です。

 一概には言えませんが、こういう誠実な人の特徴は、口が重く、軽薄な物言いをしないということではないでしょうか?

 
優良な工務店は、安くて良い家を建ててくれます。私たち夫婦も現在の家に100%満足しています。どうか皆さんも、よき建築業者に出会えますことを、心からお祈りしています。




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