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たかりにご注意

 17日雪組昼の部公演を観て来ましたが、観劇評は別項に書くとして、 かなり腹の立つことがあったので警告も兼ねて紹介しておきます。
 
 まだ公演も始まったばかりなので、 当日券もそれ程混むことは無いだろうと思っていましたが、 念のために8時半前には着けるように出掛けて行きました。 有楽町の駅を降りて線路沿いに歩いて行くと、 ガード脇の信号は赤だったので、右折して次の信号で渡ることにしました。 その信号も変るまでには大分時間があるので、 交差点の向こう側(皇居寄り)の横断歩道で渡ることにしました。 距離的には殆ど変りませんが、人間が少ないので早く歩くことが出来、 時間的には幾分か早くなります。
 歩行者の間を縫って左折する車をやり過ごし、 向こう側の道路に着いた時に自転車がぶつかってきました。 ぶつかったとは言っても肩が当たっただけで怪我をした訳でもないので、 時間も勿体無いし咎めるほどのことも無いと思い、そのまま歩いて行きました。 ところが信号待ちしていると後ろから何かが当たりました。 何度も当たるので後ろを振り向くと、 その自転車の男がハンドルの前にあるかごをぶつけていたんですね。
 その男は20歳前後と思われ、無精ひげ、 と言うよりはこの年代の人間に流行っているのでしょうか、 あごひげも含めて数ミリの見苦しいひげが生えています。 どう見ても普通の会社員や公務員で無いことは明らかです。 と言って暴力団のチンピラにしては、根性の無さそうな顔をしています。
 相手にしてもしょうがないと思っていたのですが、 余りにもしつこいのでとうとう口喧嘩になってしまいました。 この男の魂胆は次に説明しますが、 こちらが一歩も引かずに相手をしているうちに信号が変りました。 するとその男は更に強く自転車をぶつけ、走り去ろうとしました。 これには私も我慢の限界に達したので、 追いかけて逃げられないようにその男のシャツをつかみました。 その瞬間男は待っていたかのように自転車を止め、 いきなり「暴力を振るいましたね」と言ってきました。 最初はちょっと頭のおかしい奴かと思っていただけなのですが、 この時になってようやくその男の魂胆が分かりました。 要するに新手の「たかり」だったんですね。
 シャツをつかんで引きとめたところで勿論怪我は無いし、 それを暴力と言うのなら自転車をぶつける方が遥に暴力的要素は強くなります。 いきなり「暴力云々」を口にすることから見ても、 この男が初めて遭遇した状況で無いことは明らかです。 相手に何か手を出させ、その瞬間に「暴力云々」を理由にして金をせびり取ろうと言う、 新手の「たかり屋」だった訳です。 怪我をしない程度に自転車をぶつけてきたのも、 警察沙汰になった場合に証拠を残さないためであり、 周囲に通行人がいる状態でも平気で仕掛けてくるのは、 都会の人間は他人のことには無関心であり、 警察の調査に協力しないことを承知した上での行動でしょう。 それでも最悪の状況で無かったのは、その男のシャツが破れなかったことです。 もし破れ易いオンボロを着ていたり、あるいは最初から破れたシャツを着ていたとしたら、 それを理由にして警察沙汰になっていたかもしれません。 私が自転車をぶつけられた被害に関しては、 証拠不十分と言うことで無視される可能性が高いでしょう。

 今回と状況は違いますが、このような「たかり」には以前も遭遇したことがあります。 今度も相手の魂胆が分かったので、勿論言いなりになるようなことはしません。 横断の途中だったので歩きながらの口喧嘩となりましたが、 シャンテ前の交差点付近まで来ると諦めたのか、捨て台詞を残して走り去りました。 こんな奴を追いかけて更に喧嘩をしてもしょうがないし、 こんなことで時間を浪費して当日券が売り切れてしまっては元も子もないので、 とりあえず劇場前に急ぎました。
 この男の手口を分析すると、先ず最初は相手が怪我をしたり、 倒れたりしない程度に自転車を、と言うよりは体をぶつけます。 この時点で相手が騒ぎ出したら、そのまま走って逃げることでしょう。 殆どの人が相手が逃げてしまえば、怪我をしない限り追いかけることはしないでしょう。 首尾よく捕まえて警察沙汰にしたところで、 証拠不十分で相手が罰せられることはないでしょうから。 痴漢行為の場合には物的証拠や証人が不十分でも有罪となることもあるようですが、 こうした暴力行為はまず警察で取り上げることは無いでしょう。 だからこそ、このような「たかり」行為が成立するんですね。
 次にこちらが無視した場合ですが、この場合には脈があると見て、 いよいよたかり行為を仕掛けてきます。 この場合でもこちらが複数であれば、仕掛けてくることは無いでしょう。 警察沙汰となった場合に、複数の人間の証言が一致すればそちらが優先されるからです。 老人や女性の場合にも仕掛けてくる可能性は低いでしょう。 老人の場合には当たった時に倒れたり、怪我をする可能性が高いからです。 女性の場合には自転車を当ててちょっかいを出すような行為も、 セクハラとして訴えられる可能性があるからです。 そんな訳で男の方が狙われ易く、私もカモと見られたのかもしれませんね。
 暴力団員と言う感じではなかったので、集団で襲うというのではなく、 脅し取る金額も1万程度かと思われます。 これが10万位になると被害者も警察に相談する可能性が高くなりますが、 1万位だと余計な拘りあいになることを嫌い、 我慢して泣き寝入りになる人が多いかと思います。 こうした心理面も見透かした上で、 ちょっとした小遣稼ぎとして定期的にやっているのかもしれません。 こうした手口はインターネットを通じてこう言う連中の間で直ぐに広まりますから、 東京以外に住む人も用心した方が良いでしょう。
 
 この日は観劇中もこのことが頭を離れず、全然楽しむ事ができませんでした。 他にもトラブルがあって、最低の観劇日となってしまいました。

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