楊貴妃桜  楊貴妃桜
 
 楊貴妃で思い浮かべる花と言えば、やはり牡丹の花でしょうか。 「花舞う長安」の中でも牡丹の花が話題となった場面がありましたが、 牡丹の花は中国の人にとって特別な思いがあるようです。
 
 現在の日本で花見と言えば桜の花が対象となっていますが、 古くは梅の花が対象となっていました。 梅は観賞用として数多くの品種が作りだされていますが、 桜の場合も梅ほどではないにせよ、色々な品種が生まれています。
 右の写真は『楊貴妃』と名付けられた桜の花で、 一般的に知られている『ソメイヨシノ』とはかなり雰囲気が異なっています。 梅は一輪でも鑑賞に堪えられますが、 桜の場合には多数の花が咲揃っているものを鑑賞するのが一般的です。 しかし楊貴妃桜の場合には、 写真のように僅か四輪であっても十分鑑賞に値します。 流石は長恨歌に「六宮粉黛無顏色」とまで謳われた楊貴妃です、 桜の『楊貴妃』も優雅さの中に品格も備わっていると思います。
 
 この楊貴妃桜は昨年「花舞う長安」を記念して購入しました。 本当は梅の『楊貴妃』が欲しかったのですが、 数店の園芸店を回ったのに見付けられず、偶然見付けたのがこの楊貴妃桜でした。 桜の場合は直接地面に植えた方が良いらしいのですが、 それ程の余裕は無いので菊鉢に植えて育てています。
 ソメイヨシノの場合には花が咲いてから葉が出てきますが、 楊貴妃桜は遅咲きで葉が先に出てきます。 今年は咲いてくれないのかな、と心配していましたが、 4月下旬になってようやく咲いてくれました。 蕾のうちはかなり濃い桃色をしていますが、 花が開くに連れて色が薄くなってくるようです。
 
 梅の『楊貴妃』も八重咲きの桃色の花ですが、 機会があれば購入して育てたいと思っています。 また、牡丹の親戚とも言える芍薬にも『楊貴妃』と言う品種があるそうですが、 こちらは中国で品種改良された黄色い花で、 やはり入手はなかなか難しいようです。

散歩トップへ  不忘檀麗トップへ