オーパーツ

 オーパーツとは何か。これは舞台をご覧になった方は既にご存知のことと思いますが、 対象物が作られた当時の技術では製造不可能な、遺跡や発掘物のことをオーパーツと呼んでいます。

 数あるオーパーツの中で私が一番興味を持っているのは、写真に示すアショカ・ピラーです。 アショカ・ピラーはインドのニューデリーにある鉄柱で、1500年前に建てられたと言われています。 高温多湿のインドにおいても全く錆びていないと言うのが、この鉄柱の不思議なところです。 鉄を錆から防ぐには、クロム等との合金とするか、逆に高純度の純鉄とする方法とがあるそうです。 99.999%もの超高純度になれば鉄は錆びないそうですが、これは実験室での話に過ぎません。 アショカ・ピラーは直径が約44p、地下部を含めた高さは9mなので、全体の重さは約10トンとなります。 これだけの大きさを持った超高純度の鉄は、現代の技術を持ってしても作れません。
 アショカ・ピラーの実際の純度を調べてみると、99.7%しかなかったそうですが、 この純度では鉄は簡単に錆びてしまうそうです。 最近の研究で有力視されているのは、この地方で産する鉄は不純物としてリンを大量に含んでおり、 製造過程で鉄柱を叩くことにより、錆びにくいリン酸鉄となって表面を覆っている、と言うものです。 しかしこの説にも疑問は残ります。その当時リン酸鉄が錆びにくいという性質が知られていたとすれば、 他にも同様な鉄製品が残っていなければならないでしょう。 更に現実的な問題として、これだけの巨大な物体を鍛造できるかと言う問題があります。 現代の技術なら可能ですが、やはり当時の技術レベルを考えれば、 アショカ・ピラーはオーパーツであると言えるでしょう。

P.S.私鉄人68号の体は、リン酸鉄では覆われていません。


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