在天願作比翼鳥 天にあっては比翼の鳥となり
在地願爲連理枝 地にあっては連理の枝とならん
これは白楽天作『長恨歌』の中の有名な一節ですが、
「比翼の鳥」と言うのは雌雄それぞれが翼と目を1つしか持っておらず、
雌雄が一体とならなければ飛べないと言う想像上の鳥のことです。
人間の作った飛行機は鳥をモデルにしたようなものですから、
翼が片方だけしか無いのでは飛ぶことは出来ません。
そして翼が両方にあれば当然左右対称に作られており、
もし非対称だったら飛ぶことは出来ないと思うのが普通でしょう。
実際に飛んでいる飛行機を見ても、
細かい所では違っている個所が多々ありますが、
全体的な構造としては左右対称に作られています。
いつの世にも変った人がいるもので、
右図はドイツのフォークト博士が作った『Bv141A』と言う偵察機です。
両側に翼はあるものの、
何となく「比翼の鳥」を思い浮かべ、飛べそうも無いような気がしませんか?
理論的には必要な揚力が得られ、
各方向のバランスが取れていれば飛行可能であり、
実際この飛行機の性能は悪くなかったようです。
しかし実際にこんな飛行機が飛んできたら、
相手のパイロットはびっくりするでしょうね。