楊貴妃芍薬  芍 薬
 
 「立てば芍薬、座れば牡丹・・・」と言う言葉がありますが、 牡丹と芍薬はどちらもキンポウゲ科の植物でよく似た花を咲かせます。 切手の図案で花を取り違えた話もありましたが、 両者の大きな違いは芍薬が草であるのに対し、 牡丹は低木と言うことでしょうか。 同じ仲間で木と草が混在するのは不思議な気もしますが、 英語では芍薬が peony、牡丹は木なので tree peony と言うそうです。
 「花舞う長安」でも牡丹の観賞が話題になっていましたが、 中国の人にとって牡丹は特別な花のようです。 唐代は孟郊の詩に「一日看尽長安花」と言う一節がありますが、 これは科挙の試験に合格した者はその日一日に限り、 長安のどの家の庭でも自由に入って牡丹の花を見ることが出来る、 と言う制度を表現したものです。 とかく評判の悪い科挙制度ですが、こんな粋な計らいもあったんですね。
 さて写真は「楊貴妃」と名付けられた芍薬の花ですが、 赤ら顔だったと言われる楊貴妃とは違って何故か黄色い花を付けています。 芍薬の「楊貴妃」は中国原産となりますが、 すでに中国で「楊貴妃」と名付けられていたのかどうかは分かりません。
 この芍薬を購入したのは一昨年の檀ちゃんの大劇場退団公演の時ですが、 かなり大きな蕾を付けていたにもかかわらずその時は咲きませんでした。 そして次の年も同じような状況で花を咲かせることは出来ず、 3年目の今年になってようやく咲いてくれました。
 花の色は黄色とは言ってもけばけばしいものではなく、 淡い感じの上品な黄色でとても気に入っています。 写真の花は八分咲きくらいの状態ですが、 私は満開になった花よりもこれくらいの方が好きです。 今年は僅かに5輪しか咲きませんでしたが、 来年はもう少し沢山咲いてくれるように手入れして行こうと思っています。

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