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 何故か大相撲(9月22日両国国技館)

 観劇とは別の話になってしまいますが、 初めて大相撲を生で見てきので感想を紹介しておきます。 宝塚の初観劇と同様『話の種』にと思って見に行ったものなので・・・
 
 昔は現在とは違って娯楽が少なかったので、 相撲もラジオで聴いたりテレビで真剣に見たりしていました。 現在のようにテレビカメラやビデオが発達してくると、 会場に行って遠くから見るよりも、テレビで見ていた方が詳細に見られるような気がします。 しかし観劇でもそうですが、生で見た場合にはテレビ画像とは違った良さがあるのではないかと思い、 一度くらいは見ておこうと思って東京まで出かけていきました。
 両国国技館の場合だと当日券として自由席が発売されるのですが、 楽・楽前だと早く行かなければならないので平日の13日目に行くことにしました。 自由席は2階席最後列の1列だけですが、 国技館は広いのでそれでも400席になります。 2階の椅子席も空いていたようですが、自由席は2100円と安いのでこちらにしました。 遅く入場すると良い席に座れない可能性もあったのですが、 取りあえず雰囲気を知ろうと思っていたので席に拘る気持ちはありませんでした。
 序ノ口の取組みは間もなく始まる時間でしたが、 東京へ出たついでに寄りたい所もあるので、 用事を済ませて国技館に戻ってきたのは3時半近くになっていました。 既に十両の取組みはかなり進んでいる時間帯であり、 幕内力士も国技館に詰め掛ける時間です。 両国駅を降りて歩道を歩いて行くと、 宝塚よりも大勢の入り待ちと思われる人波が出来ていました。 力士の入口は観客の入口よりも駅寄りにありますが、 国技館の敷地内でも入り待ちの人波が出来ていました。
 国技館の入場口は1箇所だけですが、 収容人員から考えるともう一つあった方が良いような気がしました。 入場時には三々五々と入るので問題は無いのですが、 帰りは一斉に出てくるので物凄い混雑でした。 この日は8割くらいの入りだったと思いますが、 満席の場合にはもっと酷い状態になるはずです。
 入場口でもぎりをやっているのは元力士ですが、 これは国技館だけのことなのか、 他の開催場所でもやっているのか気になりました。 私が入った時は琴風関ではないかと思いますが、 断言できるほどの自信はありません。 宝塚でも卒業生がもぎりをやったら面白いのではないかと思いますが、 退団すれば社員ではないので駄目と言うことなのでしょうか。 でもTCAスペシャル等で臨時にやるのなら可能かと思いますが・・・
 
 自由席は早く行くほど良い席に座れるわけですが、 幸い若干右寄りではあったものの正面側の席が空いていたので、 土俵周りの様子だけでなく、花道の方まで見ることが出来ました。 1階席は土俵が近いので迫力はあると思いますが、 館内全体の様子を知るには2階席の方が勝っていると思います。
 取組み自体に関して言えば、 2階席から双眼鏡で見るよりもテレビの方が良く分かります。 しかし実際に会場へ行くと単に雰囲気の違いだけでなく、 テレビには映らない色々なことを知ることが出来ました。 そんな中から特に記憶に残っているものを、 幾つか紹介して行きたいと思います。
 先ずは横綱の土俵入りが終わって幕内の取組みが始まる前だったと思いますが、 行事が土俵に上がって翌日の幕内の取組みを紹介します。 対戦する力士の名前の書かれた紙を前に出し、 「朝青龍には安馬」と言う風に一組ずつ読み上げていきます。 取組みの書かれた紙は正面から若干左右に振りますが、 その後斜め後ろにいる呼出し(見習い?)に渡し、 呼出しは後ろにいる客にも見えるようにその紙をぐるりと回します。 特別に練習しているのかどうかは知りませんが、 二人の息はぴったりとあっていました。
 次に取組みを行なう控えの力士は勝負審判の両脇に座っていますが、 座っている座布団は全てその力士の名前が入っているもので、 その都度呼出しが取り替えていました。 座布団は流石に大きくて分厚いものでしたが、 その座布団を全ての力士が2つ折にして座っていました。 呼出しが2つ折にして置いていきますから、 そのような仕来りになっているのだと思います。 各力士の座布団は付人の若手力士が花道まで持って来るようで、 呼出しに渡すまで大事そうに抱えている姿がとても微笑ましかったです。 こんな様子が見られるのも2階正面席の特権かもしれません。
 懸賞の垂れ幕が土俵を一周する様子はテレビでも見られますが、 それを説明する音声は良く聞き取れないことと思います。 下位の取組みではなかなか懸賞が付くことは無いようですが、 人気力士の高見盛だけは別格のようで、 この日も中入り後6番目と言う早い取組みにも拘らず、 9本もの懸賞が掛かっていました。 その内の5本は永谷園のもので、 同じ垂れ幕が先頭から続いて土俵を回っていきました。 スポンサーの紹介はどうするのかと思っていたら、 「味ひとすじお茶づけ海苔の永谷園」に続いて、 「さけ茶づけの永谷園・梅干茶づけの永谷園・たらこ茶づけ・・・」と続いていきました。 このHPでも永谷園の宣伝のようになってしまいましたが、 場内でも笑いが起こっていました。 他にも同じ取組みに複数の懸賞を掛けるスポンサーがありましたが、 やはり紹介する内容はそれぞれ違っていました。 恐らく文面は一定の文字数の範囲内で、スポンサーが決めているのかと思います。 琴欧州は化粧回しにもブルガリアヨーグルトの刺繍がありますが、 懸賞でもブルガリアヨーグルトと書かれた垂れ幕が回っていました。
 話が前後しますが土俵入りの時に着ける化粧回し、 露鵬と白露山だったでしょうか、 電飾が着いていて点滅するのには驚きました。 星とトラの目が点滅するようになっているんですね。 電源は電池でしょうけれど、遠くからでもはっきりと分かるほど明るいものでした。 かつてはダイヤ入りの超高価な化粧回しもあったそうですが、 後援会が贈るものなので細かい制約は無いのかもしれませんね。
 2階席は全て椅子席ですが、椅子が小さい(幅が狭い)のには驚きました。 勿論力士に合わせて大きくする必要は無いのですが、 外人さんも多く見られたことだし、太り気味の人はきついのではないかと思います。 でも幅の狭い割には高さは過剰なくらいで、 私の場合は足がしっかりと着かないので疲れました。 帰りに1階桝席の様子を見てきましたが、 こちらは通路の幅が狭すぎるような印象を受けました。
 
 今回は話の種と言うことで下見のような感じでしたが、 この次は早めに入場して館内の様子などもじっくりと見てみたいと思います。 2100円の自由席で一日楽しめれば安い娯楽だと思います。 勿論交通費は別としての話ですが・・・

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