穂の出揃った麦畑に、
何やら花のようなものが見える。
近寄って見ると矢車草の花だった。
 
農業の衰退に伴い、
休耕田や作物の無い畑が増えている。
そんな所には様々な雑草が生えてくるが、
雑草に負けじと矢車草も頑張っている。
勿論人間が種を撒いたわけではないから、
群生する麦の間から顔を出してくる矢車草は、
案外たくましい生存能力を持っているのかもしれない。
 
稲田では稲よりも先に稗が穂を付けるが、
稗には悪いが矢車草の方が風情がある。
収入の増加には無縁であるが、
刈り入れまでそっとしておいて欲しいものである。
 

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