住宅の洋風化に伴って障子の無い家も珍しくないが、
我家は古い農家なので沢山の障子がある。
昔は家の中が養蚕の作業場にもなっていたので、
どうしても障子の破れや汚れが避けられず、
毎年のように貼替えをしなければならなかった。
障子の貼替えは結構面倒なので、
最近は部分的な手直しに留めていたのだが、
今年は全面的に貼替えを行なった。
障子と言うのは結構上手く出来たシステムで、
水に浸ければでんぷん糊は綺麗に剥がれ落ちる。
水を使うので障子貼りには暖かい日が適しており、
風が無い方が貼り易い。
 
障子貼りと言うと「舌切り雀」の話が思い出される。
昔は飯粒を煮込んで糊を作っていたので、
雀にすれば格好の食料となっていたのだろう。
しかし最近では雀の姿がとんと見られなくなってしまった。
最も身近な野鳥である雀がいなくなるなんて、
自然が病んでいるとしか言いようが無い。
何れは人間の世界にも害が及ぶだろう。

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