今年の夏は早くから猛暑となったが、
その反動でもあるかのように寒い冬が駆け足でやってきた。
各地で積雪の新記録を出すほどの寒波の襲来であるが、
猛暑と打消しあって年間の平均気温は平年並みかもしれない。
しかし雨季と乾季のような雨の降り方でも同様であるが、
平均値に惑わされては真実を見落としてしまうことになる。
平均値と同時にその分布にも注意しておかなければならない。
 
振り返ってみると昨年の2月に同じような句を詠んでいた。
日本の場合には2月初め頃が一番寒い時期であるが、
今年はその寒さが12月上旬にやってきたことになる。
環境問題としては地球の温暖化が騒がれているが、
実はもっと大きな気象異状に注目しなければならないのだ。
大気成分の比率がほんのちょっと変わっただけであっても、
ほんのちょっとの異常気象で生物は危うくなるのである。
そして自然界の生態系が変化すれば、
更にまた環境変化・異常気象へと悪循環を始めることになる。
 
満月の晴れた夜は熱が空に逃げるので芯まで冷え込む。
凍りついた空からは冷気が音も無く降りて来るようだ。

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