菜の花・・・アブラナの花である。
アブラナ・・・若葉は食用にもなるが、
種子から油をとるので、アブラナの名が付いたのであろう。
油を取るためには、花が咲き、種子が出来なければならない。
小さな種から油を取るのだから、大量の花が必要である。
そして見事な菜の花畑が見られることになる。

近年、菜の花畑は著しく減少した。
無計画な乱開発により、畑そのものも減少している。
利益だけを追求した資本主義経済の下では、
耕作しても利益の少ない畑作は敬遠される結果となる。
恒例となりつつある気象異常の影響も加わり、
畑は荒れ放題となって放置される。
そんな荒れた畑に、菜の花がぽつんぽつんと咲いている。
どこからか種が飛んできたのだろう。
仲間のいない独りぼっちの菜の花は、
心なしか寂しげな表情をしている。
いや・・・
孤独ではあっても、菜の花は懸命に咲いている。
その健気さを見守っていこうではないか。

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