蝙蝠を嫌いだと言う人は多いことと思われる。
そしてその理由としては、外観を挙げる人が多いだろう。
あるいは吸血鬼の幻影から抜け切れない人もいるだろう。
しかし実際には蝙蝠が人間に危害を及ぼすことは無い。
むしろ蚊等の害虫を食べてくれる益獣なのである。
 
この夏は殆ど蝙蝠の姿を見かけることが無かった。
開発の名目で僅かに残った雑木林は切り倒され、
隙間の多い古い農家は近代風に建て替えられ、
農作業のための物置も著しく減少した。
その結果、住処が無くなってしまったためであろう。
 
中世ヨーロッパの魔女狩りでは猫も大量に殺され、
その結果鼠が増えてペストが流行したとも言われている。
蝙蝠の減少は自然破壊の深刻さを表すものでもあるが、
果たしてどのような災害が降りかかってくるだろうか。
一葉落ちて天下の秋を知ることの出来る人は、
経済万能の今の世にはいないようである。

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