野良猫の世界は厳しい。
力のあるボス猫も、体力が衰えればその座を譲らざるを得ない。
野良猫にとって冬は更に厳しい季節となる。
厳しいのは寒さだけではない。
食物の調達に加えて、水の確保も困難になるからだ。
僅かに確保している屋外の水場は、凍ってしまえば飲むことが出来なくなる。
危険を冒してでも人家に入り込み、氷の無い水場を探すことになるのだ。
尤も最近の家では、中に入ることも出来ない家が多いのだが・・・

水場を必要としているのは野良猫だけではない。
多くの野鳥もまた、水場を必要としている。
水溜りや池は直ぐに凍ってしまう。
しかし流れのある小川はなかなか凍らない。
最近ではその小川も蓋をされ、道路の一部と化している。
自動車の通行を優先し、道幅を広げるためだ。
小川の消滅はメダカやドジョウは言うに及ばず、
ホタルやトンボ等の昆虫の生息域をも奪ってしまった。
そして更には、野鳥さえも住みにくい世界としてしまったのだ。



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