紫陽花・・・
雨が似合う数少ない花である。
紫陽花が好きなのは梅雨時の小糠雨。
音も無く降る優しい雨が好きなのである。
 
かつてはしとしとと降るのが一般的な梅雨の雨であった。
大きな災害をもたらす豪雨は、梅雨末期の一時的なものであった。
だが昨今の梅雨の降り方は大きく様変わりしている。
晴天が続くかと思えば、土砂降りの日が続くこともある。
まるで熱帯地方の乾季と雨季とが訪れているような雨の降り方だ。
局地的な集中豪雨も珍しいものでは無くなった。
このような雨は紫陽花には相応しくない。
 
梅雨と言えば、
かたつむりもまた風物詩の一つであると言えよう。
だが、そのかたつむりもとんと見かけなくなった。
童謡に歌われた世界は、確実に姿を消しつつある。
自然界の荒廃は、
人間の心がそのまま映し出されている・・・


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