「無駄な超能力を使うのはよせ」 背後に人の気配を感じて、キースは声を荒げた。 ウォンは不思議そうな声で応えた。 「別に使っておりませんが?」 「ふむ、足音を盗むのは習性か」 「お気に召さないのでしたら、あらためますが」 「いや、いい」 キースは頬を染めたまま振り返った。 「次はこちらが驚かせてやる。覚悟しておけ」