『不要の羽』


「ミカ、自分の羽むしるの、痛くないの」
「別に。だいたいこれ、本当は羽じゃないよ。骨もないし。多少は浮けるけど、飛べるってほどでもないから。着る服も制限されるし」
「なんだろうね、概念みたいな羽。天使ってそういう生き物だっけ」
「天使じゃないよ、私」
「いいかげん認めたらいいのに。私、誰にも言わないし」
「だから、サクヤと同じ人間だってば」
「ま、おかげで良い布団ができたよ。有難う」
「使ってくれる方がありがたいよ。毎月捨てるのも手間だし……出来たなら、私も用済みか」
「いや、そうじゃなくて、今夜からうちの寝床に来ない? 誘いに来たんだけど」
「あ、うん……えっ?」 



(2019.9脱稿、Text-Revolutions8【300字SSポストカードラリー】用書き下ろし、台風によりイベント中止のため、遠隔ラリーにて配布。
企画ページ→ https://300.siestaweb.net/?p=5307

前日譚つきロングバージョン(削除・修正の可能性あり)→https://narisama.booth.pm/items/3298793https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12198138

折り本版ロングバージョン(BOOTH)


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Narihara Akira
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