シャープゲンゴロウモドキ(=アズマゲンゴロウモドキ Dytiscus sharpi sharpi)
1962年に絶滅したとされていた幻の大型水生甲虫(体長30mm前後)で、1984年に千葉県で再発見されました。環境庁編レッドデータリストで「絶滅危惧IA類(CR)」に指定されております(2012年)。また、2011年には「国内希少野生動植物種」に指定され、法律で捕獲や譲渡等が禁止されております。今もなお絶滅の危機に直面している稀少な種です。現在、千葉県の一部でしか生息を確認できません。コゲンゴロウモドキより数が少なく、生息地もごくわずかなのが現状です。コゲンゴロウモドキと比較して、オスは外見上区別はつきません。アズマゲンゴロウモドキのメスの上翅(鞘翅)の条溝は、消失している個体が多く、上翅の中央部まで見られる個体もいます。一方、すべてのコゲンゴロウモドキのメスの条溝は、上翅の中央部を越えています。現在(2012年1月)、環境省では、シャープゲンゴロウモドキは1種としておりますが、私どもの遺伝子解析の研究結果から、千葉県産と石川県産とでは、遺伝的な差異があることが判明しました(Inoda & Balke, 2012)。従って、本Webサイトでは、アズマゲンゴロウモドキ(D. sharpi sharpi)とコゲンゴロウモドキ(D. sharpi validus)を使い分けて使用しております。シャープゲンゴロウモドキは、日本固有種(endemic species)と言われておりますが、D. sharpi sharpiは中国大陸にもいるため、アズマゲンゴロウモドキに関しては、日本固有種とは言えません。ただ個体数が少なくなっているため、貴重種であることには変わりありません。個人的には、大陸の個体との遺伝的差異を知ることが今後の課題です。