ドイツ産ゲンゴロウモドキ (Dytiscus dimidiatus)
Dytiscus dimidiatusです。体長29 - 39 mmに達する大型ゲンゴロウモドキです。ヨーロッパを中心に生息しておりますが、国によっては、絶滅危惧種に指定されています。背側の形状や紋様等は、国産のシャープゲンゴロウモドキとそっくりですが、腹側はオレンジ色を呈しており、シャープと大きな違いとなります。その他、形態学的な微細構造にも、差異がありますが、機会がありましたら報告したいです。私が最初に手にした時の印象は、「巨大アズマ」でした。オスの最大全長は39mmあるようですが、うちに到着した個体も40mmクラスあり、オオゲンワイルドとほぼ互角です。オオゲンとシャープの両方の特徴を兼ね備えた非常に魅力あるゲンゴロウモドキです。ゲンゴロウ類のキング(オオゲン)とクイーン(シャープ)とが合体したような美しい造形美です。一目見て気に入り、ドイツの友人には、もっとたくさん送ってくれるようお願いしてあります。当然のことながら、大量繁殖が当面の目標です。いずれ興味のあるブリーダーと連携して、細々と累代繁殖と基礎研究を進めていきたいので、ご意見、ご感想を頂けると嬉しいです。また、是非、ブリードや研究のお手伝いをして頂ける方がおりましたら、ご一報頂きたいです。実は、既にDytiscus semisulcatusという、シャープゲンゴロウモドキの姉妹種も入手しました(詳細は、時間がある時にHPに公開予定)。これは、世界的にも極めてまれな流水性ゲンゴロウモドキで、ドイツでは、アズマと同様な超希少種だそうです。外観的には、コゲンゴロウモドキそのものです。送ってくれた友人は、シャープのシノニムではないかとまで言っており、現在共同研究中の遺伝子レベルでの解析結果が気になります。確かに、アズマ-コゲンモよりも、コゲンモ-D. semisulcatusの方が形態学的には明らかに類似しており、シノニムに限りなく近いと言う印象です(ただし、幼虫期の食性は両種において、全く異なります)。遥か遠くのドイツにおいて、シャープに近いと思われる同属近縁種が現存しているとは、なんとも奇妙な気がしています。アズマはますます、特異な昆虫に感じざるを得ません。自分的には、これらシャープに近いと思われる種の行動生態や系統進化のプロセスが非常に気になります。今後の研究課題です。