太田川に沿って秘境を目指す
頼りない線路を確かめるように歩んだ列車
山間に高らかにこだましたエンジン音も記憶の彼方
三段峡にて
加計にて
可部線はかつて広島から三段峡までを結んでいた。私が最初に乗った2001年当時は既に可部から先三段峡までの非電化区間の廃止が検討されており、列車の増発による利用呼び込みの実験などが行われていた。私の隣の座席に座っていた御婦人も地元の鉄道を廃止にしてもらいたくないばかりに用もないのに「桜乗車」していたのであった。JR側も、「工事中につき」との理由で信じられないほどの徐行運転を敢行していたのを記憶している。お陰で帰りの新幹線に乗り継げなくなり、指定席券を可部で払い戻してもらうことになったのであるが・・・。地元の方の(或いは一部の人だけなのかもしれないが)願いも叶わず、結局この区間はJR化後初の廃止決定路線となり、鉄路が失われた。なお残された広島〜可部間は105系電車などが走る広島への通勤区間である。