マリン編がいわゆる“大人を心配する子ども”の視点だとするならば、デンゼル編は“大人の理屈”に対する疑問や反抗の心理。しかしながら、どちらがどうとハッキリ言えないのは書き手の技量の無さなのか、リーブに対する贔屓目の結果なのか。打消線>
疑問のすぐ隣にある不安(=心配)、その裏にある反抗心。
それらは常に隣り合った感情なのかも知れません。
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ラストダンジョン
┣━━ALERT(マリン編)
┃ ┣ALERT(デンゼル編)←今回のお話
┃ ┗ALERT(使途不明金)
┣エッジ:帰りを待つ子ども達
┣本部戦1:集結
┣━情報戦1:接続
┣本部戦2:パーティー分割
┣本部戦3:B7F-1対峙
┣本部戦4:B7F-2再会と訣別
┣本部戦5:1Fエントランス
┣独白[一部完結]
(以下略)
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■小説:On the Way to a Smile(デンゼル編)
WRO<世界再生機構>の入隊を志願するデンゼルが面接を受けに来た場面で、局長リーブの遣り取りから、デンゼルの辿った過去の回想と『星痕症候群』に感染する人々の様子が語られるというのが内容の中心です。(リーブ母の話も出てくる)
この小説を読んで、それが持つテーマを“世代交代”だと感じたんですよね、リーブがデンゼルの入隊を退けた後、語った言葉に集約されている気がするんです。それが、この言葉。
「大人の力を呼び起こせ!」
“世代交代”は、なにも人という意味ではないと思います。FF7ACでバレットが採掘に精を出している資源(魔晄→油田)とか。
中でもFF7本編での手法(=クラウド達)は、「力」によって相手を制し、問題を解決してきましたが、結果的に失った物がたくさんありました。
# エアリスとか。
# リーブにとってはミッドガル七番街に端を発する住民と都市そのもの。
つまるところ、「力に頼る事」からの脱却を計れと。
そう語る一方で、リーブは自らが立ち上げたWRO<世界再生機構>を「軍事組織」としている矛盾。ここがツボなんですよ!
■ALERT(デンゼル編)
投下当初はサブタイトルが決まってませんでしたが、上記On the Way to a Smile後のデンゼルの疑問がテーマ。
「大人の力を呼び起こせ!」と言われたところで、それは大人にしか分からない理屈だと思うのです。
入隊を志願したデンゼルの話を全て聞き終え、リーブの出した結論が「入隊拒否」。そして意味の分からない理屈を出されたらデンゼルでなくとも落ち込むと思います。現に小説を読んだ後、自分も解釈ができずに苦労したので。
子どもは素直故に短絡的です。さらに身近にクラウドやティファ、バレットなど「星を救った英雄」がいるせいで、強い彼らに憧れるのは当然の心理だと思うんです。その面から見ても、デンゼルがWROへの入隊を志願するのは自然な流れだと。
# ちょうど、FF7本編でクラウドが「ソルジャーになりたい」って言ってたのと似てる。
# ちなみにOn the Way to a Smileは、DCFF7から1年後の話。
# 時間経過はFF7本編→(2年)→FF7AC→(1年)→DCFF7→(1年)→On the Way to a Smile
■「大人の力を呼び起こせ!」に込めた願い
この「大人の力を呼び起こせ!」は、最初デンゼルにとっては意味不明な大人の理屈だったのかも知れません。その辺をテーマにしたのが「ALERT(デンゼル編)」です。
その一方で、ALERTから続く本編「ラストダンジョン」では、リーブ側からこのセリフ(大人の力を呼び起こせ!)を解釈したいなと思っていたり。
「大人の力を呼び起こせ。」
デンゼルに向けてこう語ったリーブは、彼に何かを託したかったんだと思います。
そして、志願する彼の入隊を拒んだのは、“自分と同じ道を歩んで欲しくない”という、リーブの希望であり、同時に後戻りが出来ないという彼自身の立場を暗喩しているんじゃないでしょうか?
どんなことを考え、感じていたとしても。
それを素直に口に出せないのが大人社会です。
それはFF7の時代から、リーブの背負うテーマだと思っています。そこが良いんですよ。
[REBOOT]
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