2005.endlessSHOCK
構成 演出 台詞 楽前改定バージョンA
【ワールドアドベンチャー2】
ステージ中に幕が。その前で踊る黒人ダンサーさん。左からナレーション役の黒人の方が、「レディースエンジェントルマンっ、、、ウェルカムトゥ、、。ニューヨーク、、 シアター、、、、、、、、(中略)、、、、ワールドアドベンチャー、、トゥー!!」黒人ダンサーさんは、高いジャンプとか、くるくる回転とか。さすがかっこいいですよね。

幕が開いて、スタート。
〔アメリカ〕コウイチ ゴールドの上下。軽快な曲とともに、ダンス。バックは有名なミュージカルの看板の電飾など。リカはピンクのドレス、ツバサはシルバー。ここのダンス本当に好き。
〔ジャングル(アフリカ)〕
スモークとうす暗闇のなか、バックにはジャングルのセット。ターザン的な衣装のダンサー。ダンサーさんの人垣の後ろで、着替え。コウイチも皮のベストにジャラジャラと皮のフリンジがついている。パンツのが浅めで黒のパンツのラインがみえる。たいまつを持ったり、ここのダンスは力強いので毎回好き。生き物を捕まえる仕掛けみたいなネットが出てきて、それに絡まるフライング。すぐに足と手でネットをひろげて、美しいフライングになりました。着地のときいつも不安定でしたが、二月後半には、下りる少し前に足からネットを外してちゃんと着地できるように。
曲終わりで、セットがががかーっと左右から動いてきて、コウイチが消える。
〔イギリス、中国、ブラジル、、、〕
ラターニャと黒人ボーカルさんの歌で、前の方でのりのりで踊る。次には赤いきらきら衣装のツバサ君が、太極拳風のふりつけの中国。黒人ダンサーさんの激しいラップとMAのブラジル。みんな出てきて、決め。
〔スペイン〕
後方の旗が下ろされると、黒地に金の刺繍、赤の裏地、帽子をかぶったコウイチ。赤いドレスの女性ダンサーはフラメンコ調の衣装。
静まり返るなか、タップの音が響く。コウイチにスポットライト。
タップ終わり決めポーズで、曲が掛かる。
歌 コウイチ『Love&Lonliness』 「孤独を抱いて 鏡にうつる お前の、、」 
女性をシフトしているような、振り付けが好き。女性ダンサーに囲まれて現われるリカが、お人形みたいに孤独な感じで座っているのが好き(ものすごく印象的、他の人には出せない映像だ)。後方のセットには、ツバサが赤い衣装を着て慌てている様子。右足を引きずっている。
コウイチ一人になり、舞台の競りが上がり、「もう君はいない(歌詞)」のところで女性ダンサーが一瞬出てきて、コウイチが手を伸ばす振りつけ。
曲終わりで、台宙。
〔ギリシャ〕
暗転から、奥のセットが競りあがってくる。ギリシャ神殿風で真っ白。ツバサが真ん中で堂々と立っている。ダンサーは生成りの衣装。ダンスのなか、中央にロープが下りてくる。ダンサーさんと走りこんでくるコウイチ。金と黒の衣装。腰の幅広のベルトがやけに細い腰を際立たせるんですが、、、。MAの後ろでロープを足首にかける。ロープが上がり、上に行くと身体をさかさまに。秋山がゆっくりと回転させる。その回転のなか、身体をくるくると自転させる。そのあと両手をひろげて。
身体を起こして、ロープにつかまり、ステージに下りる。秋山の大きな身体に隠れて、ロープを外す。
ステージ前まで出て、全員でダンス。決めポーズが両手を組んで頭の上に高く掲げる。このポーズかっこいい。

【ニューヨークシアターのバックステージ】
走りこんでくるスタッフ。ツバサに謝っている。
ツバサ どういうことなんだよっ!
スタッフ セットにひっかかって、、、
ツバサ そんなの理由になるかよっ、どっちにしたって笑われるのはおれなんだからなっ。どう責任とってくれんだよ
秋 どうしたんだよ
つばさ どうしたもこうしたもあるかよ。スペインの頭だよ、セットがソデ塞いで出られなかったじゃねえかっ。
リカ そこコウイチがつないだじゃない
ツバサ そういう問題じゃねえだろ。あそこは俺の見せ場なんだぞ。あれじゃコウイチのソロじゃねえか。おかげで足までくじいちまった。どう責任とってくれんだ
屋良 だからスタッフが誤りに来てんじゃねえか
ツバサ 謝ってすむ問題かよ
秋 よせよ、まだ二幕もあるんだからさ、
ツバサ こんなんじゃあけられねえよ
コウ (ステージの奥の鏡の台の前で座って聞いていた。衣装は脱いでいて、黒のタンクトップ。)いいかげんにしろ。セットの動きが悪いことなんて、ステージに立ってれば分かるだろう
ツバサ だから上ソデから奈落回って下ソデに、、
コウ その前にわかるっつってんだよ。ステージは生き物だ。何かあったらそれに対応するなんて当たり前のことだ。
ツバサ そうじゃねえだろ。いっこいっこ、変らぬものをやるのがプロなんじゃねえのかっ
コウ だから進歩がねえんだお前は
ツバサ なんだとっ
みんな ツバサ!やめろ
リカ コウイチだって色々あるけど、何も言わないじゃない
ツバサ だから慣れてたるんでるんだ。俺が代表してカツ入れてやってんじゃねえか。スタッフも、ダンサーにも!!
(飛び掛ろうとするダンサー。秋山がみんなをなだめて出て行かせる)
コウ ステージにいればセットの動きが悪いことなんか分かる。全体が見えてなければいいものなんか出来ない
ツバサ じゃあこの怪我も、俺のせいだっつうのかよ
みんな ツバサ、、、
コウ ツバサ、お前はもうステージに立つな
屋良 コウイチ!なにもそこまで
ツバサ、コウイチのところまで駆け寄る
コウ 俺はもう次のステージを考えている(言いながらステージ右のほうへ歩く)
みんな ええっ
ツバサ まだ始まったばかりじゃねえか
コウ このショーに一番満足しちまってるのはツバサ、お前なんだ。だからちょっとしたことでムキになるんだ
リカ でもコウイチ、ロングランこそが私たちの夢じゃない
ABC そうだよ、客の反応だってこんなにいいし
コウ そんなにこのショーにこだわるなら勝手に続けるんだな、俺抜きで
屋良 それはねえだろっ
秋 ちょっと待てよ!!お前ら、、、この劇場に来てから、どうかしてんぞ、、、。
みんな 、、、、、(しーん)。
秋 俺、このショーが終わったら自分の劇場に戻るわ
ツバサ 秋山!!
秋 どうも、でっかい劇場って、性に合わなくてな
コウ 、、、後ろを振り返るのか
秋 俺だって色々考えてんだぜ。俺、シェークスピアを土台にした芝居やってみてえんだ。
屋良 正気なのか??せっかくオンブロードウェイに来れたんだぞ
コウ いいじゃねえか。、、、ほっとけ。
秋 、、、コウイチ、、。そんなに走り続けて、疲れねえのか?(悲しそうに)
コウ 、、、、、、、。(顔を背ける)
二幕を知らせるベルが鳴る。
秋 さ、みんな、二幕が始まるぞ。準備しよう。
何か言いだけに駆け寄る屋良を、留まらせる町田。
みんな出て行く。泣きそうな顔のリカ。
リカ 私、何があってもコウイチについていくから。今までそうしてきたから、それしかわかんないし。
コウ (顔を見ないで冷たく)ベル鳴ったろ。準備しろ。
後ろへ歩いていくコウイチ。走って出て行くリカ。
ツバサ リカ、、、。
(コウイチ、鏡の前の椅子に座って頭をがっくりとしている。)
ツバサ 、、、、分かってんのかコウイチ。このカンパニーをかき回してんのは、お前なんだぞ。
コウイチ、机をどんっとたたいて、ツバサに掴みかかる。
コウ 今立ち止まったらそこで終わりが来ちまう。
ツバサ 、、、、、。
睨んでいたが、手を離すコウイチ。
ツバサ ショーマストゴーオンか、、、。
刀に気がつき、意味ありげにコウイチを振り返って出て行くツバサ。
劇場の雑踏が入り、現実に引き戻される。ラターニャが声をかける。オーケーといって、衣装を取るコウイチ。遠くをみつめて、決意の表情。
〔二幕 ジャパネスク〕
雨の音。横壁に雨の映像。山伏姿のMAとお姫様のリカ。真っ赤なでかいでかい傘を取り、姫が登場。MAとリカ、横並びで。15センチくらいゆっくりと競りが上がるのがいい感じ。出てくる、ブルーの刀を持った歩兵、武士。たいまつをステージ前に並べてさしたり。スローモーションみたいに動き。
姫が左壁を見上げると、甲冑をつけたツバサ。ステージ飛び降りる。姫に刀を向ける。雷が鳴って、客席通路に金色の甲冑の白い連獅子みたいなのをかぶったコウイチ。刀をゆっくり振りかざして、いけー!の合図で、全員が決闘をはじめる。ステージに上がると被り物をとるコウイチ。ここから断続的に殺陣のシーンが続く。敵を切りつけたり、ツバサと間合いを取っていたり。ゆっくりした動きがかっこいい。
はしごでせりに登ると、向こう側からツバサの一団。ツバサのノボリも。
平らなステージで縦に並んで向かい合ったり。秋山に頷きかけるコウイチがいい。
姫がブルーの衣装の武士に囚われる。
両袖から、船の感じの小さい箱が出てきて、乗っていたそれぞれの人が跳び降りて「やーーっ」ていうと中から武士がばらばらっと出てきて、剣が爆竹みたいにばんばん燃えたり。
その、船の装飾をとって、空になった透明の箱。星と月のマークの布を滑らせると、それぞれの箱の上にはコウイチとツバサが立っている。
拍手
殺陣のシーンは続く。後方には大階段のセット。高い位置に、赤い布に拘束されている姫。コウイチがツバサにとどめを刺そうとしたそのとき、青い武士が鉄砲を構え出てくる。驚くコウイチ。姫に手を伸ばそうとしたとき、撃たれるコウイチ。そしてMA。悲しげな音楽に切り替わる。倒れるコウイチ、力を振り絞って敵を倒していく。「じゃまだーーっ」となぎなたを振り回すコウイチの気迫がすごい。
階段を上がり姫を挑発しているツバサ。上からコウイチを見下ろしている。
敵を倒してぼろぼろになって階段を上がるコウイチ。いよいよツバサと刀を合わせると、ツバサは刀を落としてしまう。驚くコウイチ。両手を広げてうすら笑っているツバサ。駆け上がってくる秋山。刀を差し出す。その刀を抜くコウイチ。瞬間、真っ赤なライトがはいり、、、、。
コウ 、、、っっ!!あきやまっ、、、、、。はあ、、、はあ、、、、。!!
決意のコウイチ、ゆっくりと刀をツバサに差し出す。視線をそらせるが、ついに刀を受け取るツバサ。駆け上がり、台の上の竹を叩ききる。ばっさりと落ちていく竹。驚く秋山が駆け上がる。リカは立ちすくむ。しかしコウイチは、その刀に身体を突き出して迫る。思わず腰が抜けるツバサ。コウイチがツバサに切りかかる。ツバサは「うあーーー」っとコウイチの首を切り、左腹に刀を刺す。扉に吹き上がる血しぶき。呆然としてるツバサ。腰を抜かしている秋山。コウイチは、ツバサを突き飛ばし、刺さっている刀を抜き、高々と掲げる。
そして次の瞬間、よろめいて階段から転げ落ちる。うめき声。秋山の「コウイチーーーー」という悲鳴。頭を抱えているツバサ。
幕が下りていくなか、奈落に落ちていく血まみれのコウイチ。力尽きて沈んでいく。


休憩


《二幕》
【プロローグ】
秋 コウイチの最後のステージからもう一年が経つ。コウイチ、、、すまない。俺のミスのせいでお前は病院で寝たきりの姿に、、、。
ステージ右壁のセットに映し出される病院のシーン。ベッドと、看護婦二人と、医者らしき男。心臓マッサージしている。そしてぴー、、、という音。時計を見る医師。
秋 カンパニーはすぐに解散して、俺は自分の劇場に戻ったよ。夢だったシェークスピア劇。俺はそれに全身全霊をかけた。、、、でも客は戻ってこなかった。
全部俺のせいだ。俺が全てを壊してしまった。。。

暗闇に白いライトが後方からあたり、十字架とそれに重なるコウイチのシルエット。後ろ壁はでかい十字架に切り取られ、真っ赤に浮かび上がっている。
曲『In The Cemetery』歌 コウイチ「膝まづく限り許しを請え、、」
白いブラウスと黒いパンツ。ブラウスの袖は肩から肘まで割れて、腕が見えている。袖に白い布がひらひらとついていて、踊ると舞う感じがいい。
十字架の三本立っているセット。赤と黒の衣装のダンサーが舞う。死の世界のイメージ。周りにはぼんぼりライトが並んでいる。
曲終わりも、十字架の影と重なり、ライトに浮かび上がるコウイチのシルエット。

【シェイクスピア劇】
ステージ右そでから歩いてくる秋山。
秋 コウイチ、戻ってきてくれよ、もどってまた俺と一緒に舞台に立ってくれよ。コウイチ、、、、。(風の吹きすさぶ音)
雷の音。光、後方のくりぬかれた十字架の上のところに、亡霊。
コウ(ハムレットの父の亡霊) 裏切り者に死を。 その胸に剣を!、、、これほど卑劣な殺人はない。誓え、復讐を
秋 コウイチっ彷徨ったか!!亡霊となって俺を  しようというのか
秋山が駆け寄るとマントを翻して消えてしまう亡霊。
セットの右から歩いてくる亡霊となったコウイチ。仮面をつけている。
コウ 誓え復讐を、、、。この世は雑草の伸びるままに荒れ果てた庭だ。 むかつくものだけが、のさばり、はびこっている。
秋 、、、父上??、、、、父上!
足元にすがりつく秋山。
コウ そなたが父を愛していたのなら、、 悪逆非道な人殺しの恨みを晴らしてくれ。
秋 人殺し?
コウ そう、、、、。お前のことだ。(声が柔らかくなる)しかしお前が殺したはずの俺は生きている
仮面をとる。
雷の音と、焼けて倒れる十字架。
秋 うわああーーーーっ。
後ずさる秋山。マントを脱ぎ、秋山にかぶせて抜け出すコウイチ。なかは黒地に、白い縁取りの衣装。
天井につくきれいな色の電球が夜空のよう。それを見上げて、
コウ(ハムレット) 、、、満点の星よ!!大地よ!!俺をしっかり支えてくれ。、、、、この身を忘れるなと。、、ああ、忘れるものか。この狂った頭に記憶が残っている限り。
秋 あれは事故だ!コウイチ、俺は十分苦しんだ!!
コウ 生か、、死か、、、、。それが問題だ。
秋山、コウイチにこういわれてがっくりとしている。
コウ このまま黙って忍耐の日々を送るのと、復習という絶望的な行動に走るのと。どちらが男らしい生きたかなのか。できることなら、このまま永遠の眠りについてしまいたい、、、。
秋 (ハムレット)いやまて、眠れば夢を見る。恐ろしい悪夢に悩まされる。、、、におびえる俺。なんという情けない魂の持ち主なんだ。このけがらわしい身体、どろどろに融けてしまえばいい!!
神よ!!わが罪を許したまえぇぇ、、。
スモークとともに、リフトアップして現われるツバサ。緑のベルベット調に金の縁取りの衣装。(リチャード三世)
ツバサ やっと不満の冬も去り、栄光の春が訪れた。進軍の足取りも軽やかなダンスに変り  憂鬱な顔を見せていた戦いの女神も  影さえも見えない。今はその顔をほころばせている。しかし俺は生まれながらのひねくれ者で、五体の美しい均整を奪われ、醜い未熟児としてこの世に送り出されてきた。この俺がびっこを引き引きあるけば、犬も吠え掛かる。この俺が、この平和な笛の音に酔いしれる時勢になんの楽しみがあるというのだ。とすれば心を決めたぞ。  な楽しみを憎んでやる。筋書きはもう、出来ている。
(喪服の一団。棺を抱えている。)
ツバサ 、、、まて。その棺、そこに下ろせ
リカ お控えください、棺を通させてください
ツバサ お前こそ控えろ。野良犬め。俺の命令だ!
リカ 、、、汚らわしい悪魔。邪魔をしないで。お前は平和な大地を  に変えてしまった。今は 不満の悲鳴でいっぱいだ。その目で見たいならご覧、これが殺戮の見本!!
棺が空くと、コウイチか゛亡霊のように真っ白いマントで出てくる。
秋山 うわあーーーーっ
ツバサ がっくりと膝を突く。
コウ 思いだすがいい、花の盛りにある私を刺したあの日のことを。、、、、絶望して死ね!!
明日はお前の魂の上に重くのしかかってやる、絶望して死ね!!
ツバサ 遠くで  が青白く燃えている。何を恐れる。俺は俺だ。
切りかかるツバサ。
秋 やめてくれーーーっ俺を一人にしないでくれーーーっ
棺に押し込められる秋山。連れ去られる。
ツバサ 馬だっ!馬をくれ! 
亡霊に切りかかるツバサ。五人の亡霊が倒れる。
ツバサ 馬だ馬をくれ!敵は五人まではこの手で殺した。馬だ!馬をくれ!!代わりに俺の王国をくれてやるぞ!
コウ お前にふさわしいのは地獄しかない!
右手に持っていた探検で、ツバサの首を切り、右腹を刺す。(ツバサがコウイチを真剣で刺したのと同じやり方なんですね)
倒れたツバサを運んでいく亡霊。

暗転。亡霊のダンサーに隠れ、白いマントを脱ぎ、ロミオの衣装の襟を立てる。深い青のベルベット調の衣装。右肩だけマントみたいについている。王子系で本当によく似合う。

コウイチ(ロミオ) 人は臨終の際に心浮き立つという。看取る者はそれを死の前の稲妻と呼ぶ。ああ、どうしてこれを稲妻と呼べるだろう。恋人よ、、、僕の妻、、。息の蜜を吸い取った死神も、君の美しさまではまだ力及ぼしてはいない。目よ、これが見納めだ。腕よ(両手を広げて、走りより)、抱きしめるのもこれが最後(死んでいるジュリエットの肩を抱きしめる)。唇よ、息吹の扉よ。正当な口付けで捺印せよ。
(立ち上がり、岩の間にある小瓶をとる。)
さあ、苦き導きて死の案内役。今こそ 疲れたこの船を、 岩角に当てて壊してくれ。、、、愛する、君のために。(一気に飲み干す、少し微笑んでいる)こうして、、、口付けながら僕は死ぬ、、、。(力尽きてそばに転がるコウイチ。)
白い妖精(女性ダンサー)の息が掛かると、仮死状態から覚めるジュリエット。花嫁衣裳の真っ白なドレス。
リカ(ジュリエット) 、、、、これはなに。杯ね。愛する人の手にしっかりと握られて、、、。分かった!毒が、、、。この人の早すぎる死を招いたのね!(杯をあける、、、)、、、意地悪、、、。全て飲み干して、一滴も残してくれなかったの?後が追えないわ,、、。あなたの唇、まだこんなにも温かい。、、、、、!人声が!急がなくては。、、、、嬉しい。短剣が!ここがお前の鞘!、、、ここでさび付いて、私を死なせて、、、。
(そのままロミオ(コウイチ)の胸に倒れていくジュリエット(リカ)。このショットが本当に本当に美しい、、、。)


【ドリームゴーストシアターのバックステージ】
ステージ左端にピアノ。寂しそうな音を弾いている秋山。(←確認したけど、本当にひいてますよ、これ)
奥のほうでは、リカが看護婦からネックレスを受け取っている。
俯いて歩いてくるリカ。黒っぽいガウンを着ている。
ピアノの秋山のところまで来て。
秋 リカ、、、。ごめんな。こんなに客の少ないところで芝居やらせちゃって。
リカ ううん
秋 このごろさ、俺の舞台に立っているコウイチの夢ばかり見るんだよ
はっとするリカ。
秋 コウイチばかりじゃない。去っていったツバサまで。、、、俺どうしちゃったんだろうな。あれからもう一年は経つって言うのに、、。
リカ あのね、今看護婦さんから、、
町田 秋山、もう楽屋の電気消すぞ!
秋 ああ。
去っていく秋山。言えずについていくリカ。

ステージ左通路から出て来るコウイチ。茶色のしわ加工のジャケットと白いタンクトップ。
コウ はーいっ!!光ちゃんでーすっ
しーん。笑
コウ なんだよ、誰もいないのか。せっかく突然戻ってみんなを驚かしてやろうと思ったのに。電気まで消えちまった。、、、それにしてもなんだ?ずいぶん寂れちまってンなあ。あいつら何やってんだ。
ピアノに近づくと、絵が落ちる。

コウ なっなんだちみわっ、、、、、。額縁です。

ラターニャが入ってくる。「あーユーリアリーコウイチ??」
ああ、自分でもびっくりするくらい元気だよ。でも病院に居たときの記憶が全くないんだよ、不思議だなあ。あ、俺どのくらい病院に居たの?、、、、一年?、、、不思議だよなあ。ステージに立っていたのが、昨日のことのように思えるよ。

ラターニャとコウイチのセッション。
歌 光り輝くステージは、、、忘れずに待って居るー 溢れる情熱消えることなく 
ラターニャがコウイチにハットを渡し、コウイチがステッキをとり、二人で楽しそうに踊り歌う。


つづき