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新約聖書は大きく「福音書(4冊)」「使徒の働き(1冊)」「書簡(22冊)」の三部構成、合計27冊でできています。
最初の4冊の「福音書」にはイエスの生涯の記録が書かれており、それはイエスの十字架死と復活で終わります。
続く「使徒の働き」はイエスの復活からスタートし、イエスが天に戻って後、初期の教会がどのように形成されていったかの記録です。つまり「福音書」の「続編」的な位置づけです。
最後の22冊の「書簡(手紙)」は主に使徒たちが、これら形成されたばかりの初期の教会や関係者に書き送った手紙の集合です。
このように書くと新約聖書の編集は全体がわかりやすい「時系列の進行」となっていることがわかります。実際にこれを頭に入れて読み進めれば「使徒の働き」の中には22冊の「書簡(手紙)」の宛先となっている教会や地名が登場しますから理解をかなり助けます。
このページでお伝えしたいのは新約聖書の各本が記述された順序です。実はこれら27冊の本が書かれた順序は、「福音書」>「使徒の働き」>「書簡(手紙)」ではなく、「書簡(手紙)」>「福音書」>「使徒の働き」なのです。
 1世紀の出来事
 1世紀の出来事イエスの誕生はいまから約2000年前、紀元前の5年か6年です。西暦を表す「A.D.」は「Anno Domini」、ラテン語で「in the year of the Lord(主の年)」、つまり「イエスが誕生した年」を意味します。6世紀のローマの神学者がイエスの生誕年を算出する際に使った聖書解釈の根拠が今日の解釈とずれているので、イエスの誕生がぴったり西暦ゼロ年になっていません。(ちなみに紀元前を表す「B.C.」は英語で「Before Christ(救世主の前)」、つまり「イエスが来る前」の意味です。)
そしてイエスの十字架死〜復活は西暦30年頃。それから40年が経ってエルサレムがローマ帝国により破壊されたのが西暦70年です。エルサレムの周辺で1世紀に何が起こったのかを簡単に書くと下のようになります。
イエスの十字架死〜復活の後、西暦35年頃に使徒パウロの改宗があり、パウロは三度に渡り異邦人(ユダヤ人から見た外国人)に福音を伝える伝道の旅を行います。パウロは59年頃に捕らえられ、その後にローマに送られてローマで処刑されます。この過程で多数の書簡を記述しました。
ここに新約聖書の各本の記述年を挟み込むと次のようになります。各本の記述者や記述年には諸説あるのですがここでは代表的な解釈を書いています。
「福音書(4冊)」は「 福音書」(記述者/記述した年)の青字で、「使徒の働き(1冊)」と「書簡(22冊)」は「
福音書」(記述者/記述した年)の青字で、「使徒の働き(1冊)」と「書簡(22冊)」は「 書簡(手紙)」(記述者/記述した年/記述した場所)の赤字で表しています。
書簡(手紙)」(記述者/記述した年/記述した場所)の赤字で表しています。
 Galatians」(パウロ/49年頃/Antiochにて)。「
Galatians」(パウロ/49年頃/Antiochにて)。「 James」(ヤコブ:イエスの弟/49年頃)。
James」(ヤコブ:イエスの弟/49年頃)。
 1 Thessalonians」「
1 Thessalonians」「 2 Thessalonians」(パウロ/51年頃/Corinthにて)。
2 Thessalonians」(パウロ/51年頃/Corinthにて)。
 1 Corinthians」(パウロ/55年頃/Ephesusにて)。「
1 Corinthians」(パウロ/55年頃/Ephesusにて)。「 2 Corinthians」(パウロ/55〜57年頃)。「
2 Corinthians」(パウロ/55〜57年頃)。「 Romans」(パウロ/57年頃/Corinthにて)。
Romans」(パウロ/57年頃/Corinthにて)。
 Mark」(マルコ/55〜65年頃)。「
Mark」(マルコ/55〜65年頃)。「 Luke」(ルカ/60年頃)。「
Luke」(ルカ/60年頃)。「 Matthew」(マタイ/60〜65年頃)。「
Matthew」(マタイ/60〜65年頃)。「 Ephesians」「
Ephesians」「 Colossians」「
Colossians」「 Philemon」(パウロ/60年頃/ローマにて)。「
Philemon」(パウロ/60年頃/ローマにて)。「 Philippians」(パウロ/61年頃/ローマにて)。
Philippians」(パウロ/61年頃/ローマにて)。
 1 Peter」(ペテロ/62〜64年頃/恐らくローマにて)。「
1 Peter」(ペテロ/62〜64年頃/恐らくローマにて)。「 1 Timothy」「
1 Timothy」「 Titus」(パウロ/64年頃/恐らくローマにて)。「
Titus」(パウロ/64年頃/恐らくローマにて)。「 2 Timothy」(パウロ/66〜67年頃/ローマにて)。「
2 Timothy」(パウロ/66〜67年頃/ローマにて)。「 Jude」(ユダ:イエスの弟/65年頃)。「
Jude」(ユダ:イエスの弟/65年頃)。「 Acts」(ルカ/63〜70年頃)。
Acts」(ルカ/63〜70年頃)。
 2 Peter」(ペテロ/67年頃/恐らくローマにて)。「
2 Peter」(ペテロ/67年頃/恐らくローマにて)。「 Hebrews」(記述者不明/70年頃)。
Hebrews」(記述者不明/70年頃)。
 John」(ヨハネ/85〜90年頃)。「
John」(ヨハネ/85〜90年頃)。「 1 John」「
1 John」「 2 John」「
2 John」「 3 John」(ヨハネ/85〜90年頃/Ephesusにて)。「
3 John」(ヨハネ/85〜90年頃/Ephesusにて)。「 Revelation」(ヨハネ/95年頃/Patmosにて)。
Revelation」(ヨハネ/95年頃/Patmosにて)。
つまり西暦49〜60年頃の間に最初に書簡が流布され始め、各地の信者はこれを書き写してみなで回し読みしました。ここには「 Galatians」「
Galatians」「 James」「
James」「 1 Corinthians」「
1 Corinthians」「 Romans」が含まれています。イエスの十字架死〜復活から約20年が経って当時の信者がまず最初に書面で何を読んでいたかがここからわかります。
Romans」が含まれています。イエスの十字架死〜復活から約20年が経って当時の信者がまず最初に書面で何を読んでいたかがここからわかります。
これらの書簡を読めば、その内容から当時の最初の信者たちが何を聞き何を語り合っていたかも類推することもできます。これら書簡に書かれていたことの他にイエスがイスラエルで行った奇跡の数々やイエスが話した言葉も同時に語られていたはずで、それらは熱狂と興奮をもって迎えられていたことでしょう。さらにそれらの奇跡や言葉、行動、事の顛末が、どのように旧約聖書の預言の数々とひとつひとつ、きっちり符合しているのかも驚きと興奮と共に話されていたことでしょう。
そのイエスの生涯を綴った「 Matthew」「
Matthew」「 Mark」「
Mark」「 Luke」の三つの福音書が記述されたのが60年前後のことです。これはイエスの十字架死〜復活から約30年後、つまりイスラエルで実際にイエスの奇跡を目撃した人がまだ生きている間です。ためしにいまから30年前の出来事を思い出してみて下さい。それはまだまだ記憶に新しく、「伝説」になるには早すぎます。書簡はこの間も書き続けられますが、主要な教義の元になる書簡は49〜60年の初期に成立を終えています。
Luke」の三つの福音書が記述されたのが60年前後のことです。これはイエスの十字架死〜復活から約30年後、つまりイスラエルで実際にイエスの奇跡を目撃した人がまだ生きている間です。ためしにいまから30年前の出来事を思い出してみて下さい。それはまだまだ記憶に新しく、「伝説」になるには早すぎます。書簡はこの間も書き続けられますが、主要な教義の元になる書簡は49〜60年の初期に成立を終えています。
イエスの十字架死〜復活後、初期の教会の成り立ちの過程をルカが歴史書の形にまとめた「 Acts」」が書かれたのは65年頃。この中にも当時の信者が何を知り、何を信じ、何を語り合っていたかが多数書かれています。そして70年にエルサレムが崩壊してクリスチャンへの迫害は強まり、最後にヨハネが福音書の「
Acts」」が書かれたのは65年頃。この中にも当時の信者が何を知り、何を信じ、何を語り合っていたかが多数書かれています。そして70年にエルサレムが崩壊してクリスチャンへの迫害は強まり、最後にヨハネが福音書の「 John」、三つの書簡、「
John」、三つの書簡、「 Revelation」を書くのは1世紀も終わりを迎える85〜90年頃のことです。
Revelation」を書くのは1世紀も終わりを迎える85〜90年頃のことです。

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