HONG KONG PUBLIC TRANSPORT TOURISM ASSOCIATION

旅のエッセイ

「香港精神　越[足包]越強」〜スタンダードチャータード・第10回香港マラソン　［2006.02.12/002］

フラッグに描かれている変な虫みたいなのは、 香港マラソンのキャラクター・マルコ君です。九 龍にも、香港島にも、沿道にはこのフラッグが並 んでいました。		スタート地点付近では交通規制。 KMBバスも一部路線変更。
		スポーツ情報センター事務局はミラマーホテル内に設置され、日本人ランナーを温かく迎えてくれました。

　「えーっ、よんまんにん!?」
2月12日の本番を前に送られてきた「ゼッケン引換証」の同封文書を見てびっくり！昨年は2万余名のエントリーだった香港マラソン、今年はエントリー総数（フル・ハーフ・10キロ合計）が4万人に達する勢いだと書かれている。マラソン人気か、香港人気再燃か、どちらにしても今年は熱いぞ！と張り切って香港に向かった。
　なかなかフル挑戦には踏み切れなくて、今年もハーフに出る。私の生涯ハーフマラソン経験は去年のこの大会一度だけなので、今年の記録が去年を上回れば「自己ベスト」、去年より遅ければ「自己ワースト」となる。

　今年はホテルをスタート地点に近い所に取ったせいで、レース当日は未明からマイクテストの大音量に叩き起こされる形になった。まだ真っ暗な1階に降り、外の様子を通りに出て眺めているフロントのおじさんに「おはよう！」とあいさつ。おじさんはびっくり。行ってきます！
過去2年と違って雨が降らないのが何よりだ。寒さもそれほどでもない。ペニンシュラホテルの壁に手をつき、海に向かって高級ホテルを押すようにストレッチ。くだらないけど、これが楽しいのだ。荷物預けのボランティアに「加油（がんばって）！」と激励されて、もうそれだけでワクワクしてくる。

曇り空にはためくのは、ゴールの運動場上空に飛行機が 飛んで、旗を振ってくれていたもの。しかしスモッグのせい か、白く煙ってよく見えませんでした。

　今年は大量の参加者のせいか、10キロマラソンが5時半スタートという、超早朝からのスケジュールになっている。ハーフのスタートは昨年より若干遅い7時35分。今年も参加者は「うわぁーい」と叫びながら走り出す。テレビの中継スタッフ、ブラスバンドの応援や主催者たちの観覧席、いろんな所に手を振りながらネイザン道から九龍警察を左折し、柯士甸道を海に向かって走り出した。

　トップランナーはやっぱり速い！われわれが走っていく道をすぐに折り返してくる。彼らはとてもきれいな走りで、思わず対向車線からみんなで拍手。がんばれー！
さて肝心の自分はといえば、今年は後半が辛かった。連翔道から西九龍公路へ行くあたりで、昨年タイムを少し上回りたいという賎しい心が頭をもたげ……6〜10キロあたりで少しペースを上げすぎてしまったのかな。トンネル前で「ちょっと足がだるい」と感じた。大丈夫かなあ。

翌日の新聞1面は、空気汚染指数甚高の中行われた大会 で倒れた人たちが載っています。その中のひとりは（いった ん心臓が止まったらしく）植物人間になる危険がある、と報 じています（続報はわからないままです）

でもトンネル突入で少し元気が戻る、なんたってここはスタート地点と同じく「うわぁぁぁーー」と叫んじゃうポイントだからだ。トンネルに声がわんわんと反響するのが面白く、トンネル入口からしばらくは声のウェーブでうるさい！でも自分も叫んでしまうんだけど。
　西区海底隧道の中で15キロ通過。香港マラソンは、このトンネルで地下35メートルまで潜っていくのが特徴のひとつだ。ここで去年は頑張れたのだが、今年は出口までの登りがだるい。暑さのせいだろうか。熱中症に備えて、5キロごとの給水ポイントでは必ず「屈臣氏（ワトソンズ）」提供の水をきっちり摂った。
　さて海底トンネルはどうにか止まらずに登りきったのだが、西営盤から中環にかけての立体交差を上がるほうが今年はもっとキツかった！　昨年は東北方向からの横風だった。今年は東正面から容赦なく吹き付けられ、それでも意地で登っていたところでとつぜん、右足付け根にビリビリ痛みが……。

ゴール後の風景。湾仔運動場。

　うえーん、ついに耐え切れず、上環〜中環で少し歩いてしまった。
「リタイアしなければ、それは完走」なのか、「歩いた時点で、完『走』ではない」のか。私の気持ちは後者だったので、ものすごく悔しかった。その後また走り出し、よれよれとゴールに到達したタイムは2時間22分。それでも去年より早く着けたのがせめてもの救いだった。

今年も完走後はいろいろ忙しい。実はこれが楽しみで来ているような私。参加賞のバナナとチョコ、ワトソンズの水をもらったら灣仔の街に出て雲呑麺屋へ直行。そのあと、そこらのサウナでマッサージを受けてのんびりする。マッサージのおばちゃんがぐいぐい揉んでくれる、ああ、足がパンパンだ！

　へなちょこランナーはこうして今年もハーフマラソンを終えたが、もうすこし鍛錬しないとなあ。この春は国内でも、10キロだけでなくハーフに出てみようかな。

早朝に尖沙咀に集合するために、マラソン列車が運転されました。

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