マグネシウムの摂取で、胆石のリスクが低減する

最新疫学研究情報No.46

米国のケンタッキー医療センター大学のChung-Jyi Tsai博士の研究チームによって、「マグネシウムの摂取量が増加すると、胆石のリスクが低減する」との報告がなされました。

研究チームは、42705人の男性(40~75歳)を対象に、「食事やサプリメントからのマグネシウムの摂取量」と「胆石の発症リスク」の関係について調査しました。マグネシウムの総摂取量によって、被験者を5グループに分け、病気の診断(2年ごと)と食物摂取頻度アンケート(4年ごと)を行い、データを比較分析しました(*調査の期間中に2195人の被験者が胆石を発症しています)。16年間の追跡調査の結果、食事+サプリメントによる「マグネシウム」の摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループと比べて、胆石の発症リスクが低下することが明らかになりました。また食事によるマグネシウムの摂取量が最も多いグループと最も少ないグループの比較も、同様の結果が確認されました。

Tsai博士は、「マグネシウムは胆石の発症を防ぐ重要な役割を果たしている」と結論づけています。

またマグネシウムの効果を示す別の研究として、スウェーデンの国立環境医学研究所の研究では、「食事でマグネシウムを多く摂取すると、喫煙男性の脳梗塞が予防できる可能性がある」との報告がなされています(Archives of Internal Medicine 2008年 3月10日号)。2万人以上の男性喫煙者を対象にして行われたこの研究では「食事から摂るミネラル」と「脳卒中リスク」の関係が調査されました。その結果、マグネシウムの摂取量が多いほど、脳梗塞の発症リスクが減少することが明らかになりました(*カルシウム・カリウム・ナトリウムの摂取量と脳卒中リスクとの関連性は見られませんでした)

出典

  • 『The American Journal of Gastroenterology 2008年 2月号』
このページの先頭へ