長生きするために運動をしましょう

最新疫学研究情報No.45

米国の国立ガン研究所のマイケル・レイツマン博士の研究グループによって「運動は死亡リスクを低減させる」との報告がなされました。

研究チームは、すでに退職している50~71歳の男女約25万3千人を対象に「運動と死亡リスクの低減率」についての調査を実施しました。被験者は、米国スポーツ医学会と米国心臓学会が推奨している、健康のための運動ガイドラインにそって以下の運動を行いました。

  • 1日30分程度の適度な運動(*ウォーキングなど)を週5日以上行う
  • 日20分程度の活発な運動(*心拍数・呼吸数の増加や発汗が見られる程度)を週3日以上行う

その結果、1.の運動をした人は何もしなかった人に比べて死亡リスクが27%低減し、2.の運動をした人は32%低減しました。また1.と2.の両方を行った人は、死亡リスクが50%低減(※1)しました。この研究によって「運動が死亡リスクを低減させる」ことが証明されました。また推奨基準を満たさない少しの運動量でも、死亡リスクが19%低減することも確認されました。わずかでも運動をすれば、何もしないよりもそれなりの効果があるということが示されたことになります。

※1喫煙者や過体重者、また毎日テレビやビデオを2時間以上見ている人の場合でも、同じような効果が得られています。

出典

  • 『Archives of Internal Medicine 2007年12月号』
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