リンゴや玉ネギに含まれるフラボノールの摂取は、すい臓ガンのリスクを減らす

最新疫学研究情報No.37

米国に住む多民族を対象としたコホート研究によって、「リンゴや玉ネギなどに含まれるフラボノールの摂取が、すい臓ガンのリスクを低減させる」ことが明らかになりました。

この調査は、3つの研究機関(ドイツの人間栄養学研究所・ハワイ大学ガン研究センター・南カリフォルニア大学)による共同研究です。研究チームは、カリフォルニアとハワイに住んでいる18万3518人を対象に、フラボノールとすい臓ガンの関係について食物摂取頻度調査のデータをもとに8年間の追跡調査を行いました(被験者のうち、529人がすい臓ガンを発生しています)。

その結果、フラボノールが含まれている食物(*リンゴ・玉ネギ・紅茶・ベリー類・ケール・ブロッコリーなど)を多く摂取した人は、少ない人に比べてすい臓ガンのリスクが23%低くなることが確認されました。特に、喫煙者の場合は、すい臓ガンのリスクが59%も減少することが明らかになりました。

研究に携わったドイツのUte Nothlings博士らは、「フラボノールは、あらゆる植物性食品に含まれ、ガン予防に効果がある。今回の研究では、特に喫煙者のすい臓ガン予防に効果があることが確認された」と述べています。

出典

  • 『American Journal of Epidemiology 2007年10月15日号』
このページの先頭へ