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病因辨証      1.000    2001.8.5

病因辨証とは疾病の発生原因を、主に六淫、七情、飲食労逸、外傷の4つに分類した
ものである。

中医学では疾病の病因を主に上記の4つとするのですが、ここでは特に六淫を取り
上げます。六淫には風・寒・暑・湿・燥・火があり、外感病を引き起こす原因となります。

これらは季節や気候、環境と関与し、単独または2つ以上が絡んで疾病を引き起こす
原因となります。七情からの内生五邪〔風・寒・湿・燥・火〕や飲食労逸、外傷も六淫を
含めて互いに密接に関与する場合があり、特に慢性疾患では複雑な証侯を示します。

1.風淫証侯

 発熱、悪風、頭痛、汗が出る、咳嗽、鼻閉、鼻汁、舌苔薄白、脈浮緩

2.寒淫証侯

 悪寒、発熱、無汗、頭痛、身体痛、咳喘、四肢厥冷、腹痛、泄瀉等、苔薄白、脈浮緊

3.暑淫証侯

 傷暑 悪熱、眩暈、汗が出る、口渇、精神疲労、尿黄、舌質紅、苔白あるいは黄、脈虚数
 中暑 発熱、昏倒、汗が止まらない、口渇、呼吸が荒い、舌質紅絳で乾燥、脈数

4.湿淫症候

 頭重感を伴う頭痛、関節部の痛みやだるさ、屈伸不利、体が重だるい、舌苔白、脈濡滑

5.燥淫症候

 発熱、軽い悪寒・悪風、無汗、咳嗽、喉や皮膚の乾き、鼻閉、舌質は乾燥、苔黄、脈浮数

6.火淫症候

 高熱、口渇、面紅、目赤、煩躁、譫妄、吐血、鼻出血、発疹等、舌質紅絳、脈洪数か細数
 火淫症候については邪気侵襲の深さが関与するため、後述の衛気営血辨証を参照のこと

病因辨証については中医基礎理論の病因病機に関連する説明があるので、ここでは
具体的な証侯のみを取り上げました。七情、飲食労逸、外傷については省略していますが、
慢性化すると七情では関連する臓病等を助長したり、飲食では食積、労逸では気虚等、
また外傷では血虚〔大量出血時〕や、お血〔打撲等が原因〕が発生しやすくなります。