左京
下鴨神社(賀茂御祖神社)
所在地:京都市左京区下鴨泉川町59(京阪・叡電 出町柳駅徒歩8分)
HP:http://www.shimogamo-jinja.or.jp/index.shtml



下鴨神社
  


 2006年1月5日から1月7日にかけて、僕は京都の映画史跡をめぐる旅をした。東映太秦映画村を始め、京都文化博物館などを回ったが、それについては「京都旅情」にまとめたので、そちらを読んでもらいたい。今回、その際に 詳しく書くことのできなかった下鴨神社について紹介したい。
 



世界文化遺産の碑
 


 1994年に京都の17の寺社や城が「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録された。それは、上賀茂神社、東寺、清水寺、延暦寺、醍醐寺、仁和寺、平等院、宇治上神社、高山寺、西芳寺、天竜寺、金閣寺銀閣寺、龍安寺、西本願寺、二条城。そして、ここ下鴨神社である。

 下鴨神社は正式名称を賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)という。京都でも最も古い神社の一つで、崇神天皇7(BC90)年に社の瑞籬が造営されたという記録が残っており、さらにもっと古い時代から祀られていたと思われる。実際、この地からは弥生時代の遺跡が多く見つかっている。

 御祭神は賀茂建角身命(かものたけつぬみのみこと)と玉依媛命(たまよりひめのみこと)。東西の本殿は国宝、さらに53の重要文化財がある。
  



「君が代」に歌われたさざれ石
  


 見所は実に多い。
 7つの摂社と多くの末社があるが、摂社の一つ河合神社は玉依媛命を御祭神とする。
 「方丈記」(1212年)の作者・鴨長明(1155〜1216)が住んだ「方丈」が河合神社の境内に復元・展示されている。これは長明が下鴨神社の禰宜・鴨長継の次男として生まれたという由縁によるもの。長明は河合神社の禰宜に推挙されたが、実際にその地につくことは適わなかった。1204(元久元)年頃に公職を辞し、日野山へ「方丈」を建て隠遁した。
    



方丈の庵
 


 下鴨神社の境内は「糺の森(ただすのもり)」と呼ばれている。
 正確には高野川と鴨川が合流する三角州地帯の森林を指している。かつては495万平方メートルにも及ぶ原生林であったが、現在は約12万4千平方メートル。それでも、樹齢200年から600年の樹木が生い茂る全国有数の森林地帯である。「源氏物語」や「枕草子」はじめとする古典文学作品にも描かれた名勝である。
 



糺の森
 


 下鴨神社から三角州に続く、鴨川公園には、日本映画史上最初のスーパースター尾上松之助(1875〜1926)の胸像が立っているが、これについては「京都旅情」 および「完全無欠のスーパースター」を参照してもらいたい。
 



鴨川公園から鴨川を望む
 

(2006年1月5日)

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