| カトマンズ |
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フリーク・ストリート（ジョッチェン） Freak Street （Ｊochne) |
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ダルバール広場の南の入り口のすぐ南側にある通りは以前は「フリーク・ストリート」と呼ばれていた。フリークとは異形、奇形という意味だが、かつてはここはヒッピー族のたまり場であった ことからそう名づけられたそうである。もっとも現在ではヒッピーを見かけることはめったになく、往時の「フリーク・ストリート」のよすがを知る手がかりはない。 今回は、そのフリーク・ストリートを出発し、ダルバール広場の南を散策してみたい。 |
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フリーク・ストリートにはお土産屋やレストランが立ち並び、ツーリスト街となっている。その中でお勧めしたいのが「SNOW MAN CAFE」。ここはチョコレートケーキが有名 である。確かにおいしいのだが、「ロンリープラネット」に「死ぬほどおいしいチョコレートケーキ」（＊）と書かれているほどかどうかは疑問。日本人には少々甘すぎるように感じる。「ロンリープラネット」の著者はオーストラリア人なので仕方があるまい。僕個人としてはプリンのほうをお勧めする。 ＊ 「ネパール／ロンリープラネットの自由旅行ガイド」（メディアファクトリー）１４７ページ |
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| ◆アトコ・ナラヤン寺院（Atko Narayan Temple） |
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フリーク・ストリートのもう一つ西側の道を南へ下りていく。５分ほど行くと左側にビシュヌ神を祀るアトコ・ナラヤン寺院が見える。 |
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アトコ・ナラヤン寺院は、ナラヤン神（ヴィシュヌ神）を祀った寺院で、カトマンズの４つの重要ヴィシュヌ寺院のうちの一つと言われているそうだ。正面には大小２つのガルーダ像が侍っているが、まるで親子みたい。 |
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また、寺院の４隅には獅子像がある。 |
| ◆ヴィシュヌ〈ナラヤン〉寺院（Vishnu〈Narayan〉Temple） |
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アトコ・ナラヤン寺院から少し南に行くと、ここにももう一つナラヤン寺院（ヴィシュヌ寺院）がある。 |
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| ヴィシュヌ寺院のすぐ南には白い寺院がある。牛が控えているところから、シヴァ神を祀ったものだとわかる。 |
| ◆ハリ・シャンカル寺院（Hari Shankar Temple） |
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しばらく南に行くと小さな交差点があり、右側にハリ・シャンカル寺院がある。 |
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この寺院の屋根の支柱には複雑な彫刻が施されている。 |
| ◆ジャイシ・デワル寺院（Jaisi Dewal Temple） |
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さらに南へ進むと、先の広場に一際大きな寺院が見えてくる。これがジャイシ・デワル寺院である。シヴァ神を祀った寺院で、１７世紀に建てられたもの。 |
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とにかく大きい寺院なので、何はともあれ上ってみよう。 |
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寺院の中にはシヴァ神の象徴であるシヴァリンガが安置されている。 |
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寺院の屋根の支柱にはエロチックな彫刻が施されている。もっとも、ダルバール広場のジャガナート寺院などに比べると、ずいぶんと表現は控えめである。 |
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寺院から道を隔てた西側には２メートルの大きな石のリンガがある。リンガとは男根の象徴で、日本語では摩羅石。よく見ると、女性器の象徴ヨニの上に立っている。 いやあこんなもの街中に堂々と飾っておいていいものなのだろうか。 このジャイシ・デワル寺院で写真を撮っていたところ、近くの子供たちが「写真撮って」と言ってうるさくまとわりついてきた。どうも、ダルバール広場の南はあまり観光客が来ないらしく、この後も行く先々で子供たちに写真をねだられるようになる。 |
| ◆ラム・チャンドラ寺院（Ram Chandra Temple） |
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ジャイシ・デワル寺院の西側、石のリンガの南にあるのはラム・チャンドラ寺院。ヴィシュヌ神の化身で叙事詩「ラーマヤーナ」の主人公ラーマにちなんだ寺院とのことである。 |
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入り口をくぐって中庭に入ると、色鮮やかな寺院がある。 |
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寺院の前には赤く塗られたハヌマーン像が。ハヌマーンもやはり「ラーマヤーナ」に登場し、ラーマを助けて活躍する。 |
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この寺院の壁には、色鮮やかな彫刻が施されている。中でも男女交合図が有名である。１６種類の体位を描いたものだそうだが、エロチックというよりどことなくユーモアを感じる。 |
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寺院の北側はおもしろいことに牛小屋になっている。由緒正しき寺院であっても生活の一部になっているということがわかる。 |
| ◆タカン・バハール（Takan Bahal） |
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さらに南に進むと、次第に道は細くなり、庶民の生活の色濃い町に入っていく。 すぐに右側にタカン・バハールがある。 |
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このバハールは中央に巨大なストゥーパがあるが、１４世紀に建てられたもの。集合住宅の中庭の狭そうにそびえている。 |
| ◆コサ・バハール（Kosa Bahal） |
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さらに南に行くと、両側を獅子が守るコサ・バハールの入り口がある。 |
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コサ・バハールは小さなストゥーパが一つあるだけの何の変哲もない中庭で、この辺りにはこうしたバハールが実にたくさんあって、すべてを紹介するわけにもいかない。 |
| ◆ナラヤンスタン寺院（Narayansthan Temple） |
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道なりにしばらく進んでいくとＴ字路にぶつかるので左折して東へ進む。すると、いくつかの寺院が立ち並ぶ広場に出る。近所の人に聞いたところナラヤンスタン寺院と呼ばれているそうだ。 |
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| ◆ムスン・バハール（Musum Bahal） |
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ここからブラーマー・トール（Brahma Tole）を西に向かって進む。 しばらく行くと、右に白いシヴァ寺院があるが、その横がムスン・バハールの入り口である。 |
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ムスン・バハールは広めの広場で、子供たちが遊ぶ生活感にあふれた場所である。 |
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この広場の東側にレンガの壁に囲まれた井戸がある。残念ながら扉は開かなくなっていて中には入れない。 また、広場のあちらこちらには丸い頭のチャイティヤがあるが、これはリッチャビ王朝時代のものだとか。それにしても、その形はどことなく男性自身を髣髴させる。 |
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| ◆トー・バハール（Ta: Bahal） |
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さらに、しばらく東に行き、最初の大きな道を左折する。つきあたりがラガンケル広場（Lagankhel）である。 |
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その道の途中、右側にトー・バハールの入り口がある。 |
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トー・バハールは中央に小さなストゥーパがあり、チャイティヤなどが立ち並んでいる。 |
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| ◆マチェンドラナート寺院（Machhendranath Temple） |
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その道の先がラガンケル。ラリトプール郡にもラガンケルという町があるが、こことは別。ここは広場の名前で、広々として屋台なども出ている。 この広場で一番大きく目立っているのがマチェンドラナート寺院である。 |
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マチェンドラナート祭の際にはインドラ・チョークの近くにあるセト・マチェンドラナート寺院から、神像が山車に乗せられここまで運ばれる。そして、寺院を３周した後、山車はバラバラにされ、像はバランキーンというかごに載せられ、セト・マチェンドラナート寺院に戻るのだそうである。 |
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このマチェンドラナート寺院もやはり、マチェンドラナート神を祀っている。やっぱり白い顔だ。 |
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マチェンドラナート寺院の北側にある白い屋根の小さな祠堂が気になった。というのも、屋根にたくさんの水牛の角が取り付けてあるからである。 |
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| ◆コヒティ貯水池（Kohiti Water Tank） |
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ラガンケル広場を北に抜けて、西のほうへ進む。しばらく行くとジャイシ・デワル寺院のある広場に戻ってくる。 |
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ジャイシ・デワル寺院を横目に石のリンガなども通り越して、西に向かう坂道を降りると、すぐ左にレンガの壁に囲まれてコヒティ貯水池がある。 |
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最初の曲がり角を北に右折すると、ダルバール広場に出るが、そのまま進むとビシュヌマティ川に突き当たる。 |
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| ◆ビムセン寺院（Bhimsen Temple） |
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ビシュヌマティ川は汚いのであまり見てもしかたがない。だから少し戻って角を北へ向かうことにする。 しばらく進むと、ビムセン寺院が左側に見える。装飾の施された豪華なチベット仏教の寺院である。 |
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本尊のビムセン神は商業の神とのことである。かつては通商ルートの繁栄を祈願して１２年ごとにビムセン像がチベットのラサまで運ばれていたというが、１９５９年に中国がチベットを支配するに至って、それも途絶えてしまったそうだ。 |
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ビムセン寺院のすぐ北側にはヒティ（貯水池）がある。町の真ん中にもかかわらず、ここで洗濯をしたり、体を洗っている人が実に多くいる。 |
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ビムセン寺院から少し坂を下った南側に一つの胸像が建っている。名前はシャヒード・ゴピ・マハルジャン。ラナ家専制時代に抵抗運動を起こして犠牲となった人とのことである。 |
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ビムセン寺院から坂を上れば、ダルバール広場はすぐそこである。カスタマンダップ寺院のすぐ南にたどり着く。 |
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（２００８年８月４日） |
