失敗山日記 U−1 |
獣の足跡、砕かれた立て札 |
in 岩手県栗木ヶ原、1996年7月31日 |
by 山へ行っちゃあいけない男(登山不適格者?) |
その3 |
目の悪い私には、大きな白い動物が何かはすぐには分かりませんが、日本の山に白熊《脚注》がいるはずもありませんから、熊でなかったことにまず一安心。 犬の飼い主は自然保護団体の男で、どこかの林道の調査に来て、そのついでにこの湿原に立ち寄ったとのこと。湿原の向こうの藪を指して、 飼い主の それはそれとして、自然保護を口にする男が犬を高層湿原に連れて来るのは皮肉です。犬はそこら中に用を足しながら動き回り、人間の何倍も湿原を荒らすことが確実なのに。 後日談 翌年の春、東京で長沢新一氏にお会いすることができました。栗木ヶ原の名付け親で、岩手の山の主のような方です。 今まで2度や3度は熊に見逃してもらったことのあるであろう私ですが、栗木ヶ原行には気が進まなくなり、以後行っていません。人の訪れの似合わない湿原ですし、池塘の配置などの美しさでは千沼ヶ原、高山植物の豊富さでは雨竜沼のほうがはるかに素晴らしいわけですし・・・。 |
* 白い熊 |
月の輪熊にもメラニン色素を作る遺伝子のない白い熊(アルビノ)が |
ときどき誕生する。岩手県の早池峰山〜五葉山の一帯でこの20年間 |
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に少なくとも3頭のアルビノが捕獲されているそうです。 | |
< 捕獲例 : 昭和47年遠野市、平成3年住田町など > | |
「SOS ツキノワグマ」 岩手日報社平成5年刊より |
*連載の読み物のように、1日1ページずつ読んでいただくのが私の希望です。 |
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