【廃墟マニヤ File065】
D髏塔(愛知県)
(その3)
そんな多少のドキドキを味わいつつ、それほどの広さもないのですぐ奥へ辿り着きました。
奥の壁には観音様らしき絵が描かれています。
さて、ここで問題発生です。一つ前の写真の左の方を見てもらうとわかるのですが、なんと2階へ上がる木製階段の踏み板が、完全に朽ちてなくなっているじゃあないですか! ざっと見回しても他に階段はありません。
仕方ないので、廃墟探索七つ道具(本当は七つ以上あるんですけど……)を引っ張り出して、2階にアプローチしてみることにします。
じゃ〜ん! なんとか無事2階に上がることに成功! ……でも、床がかな〜り危険な感じです。
この建物、一見鉄筋コンクリート造のように見えますが、実はやぐらのように四隅の柱だけコンクリートで(あ、中央付近にもう1本柱があるんですけど、なんかセメントブロックを積んだだけのような雰囲気です)、壁もブロックを積み上げただけ。断熱材はもちろん内装もなく、住居用として造られた建物でないことは明らかです(結局トイレや風呂など水周りの設備もありませんでした)。
さらに各フロアを仕切る床(=天井)は木造となっており、建物として使われなくなって何年経つのか不明ですが、経年劣化で崩落寸前のようです(ガラスがなくなっている窓も多く、侵入した雨水が劣化の速度を加速度的に進めていると思われます)。
そんなわけでかなり動きを制限された中、何かこの施設の正体を示すものがないか周囲を見回していると、床にアルバムが落ちているのを発見(白い収納の下に注目!)。
「これはっ!?」と思いパラパラめくって見たけれど、全くそういった情報はナッシングでした。
この2階の壁にも絵が描かれていたようです。
懐かしの8トラックカラオケ。8トラックが何だかわからない方は、まわりの中高年の人に聞いてください。
カラオケ後ろの中央の柱には、壁と違って湿気の影響を受けにくいためか、まだ色鮮やかなイラストが残っていました。こちらは布袋尊でしょうか?
床に落ちていたのは、カラオケ曲の入った8トラックのカセット(正しくはカートリッジ)。杉良太郎、小林旭、殿様キングス、渥美二郎、ヒロシ&キーボーと演歌系かと思わせておいて、最後に中森明菜の「少女A」が入っているところがシブイですね。
かすかに残る、何かが描かれていた痕跡。色の感じからして「青面金剛」あたりでしょうか。少なくとも忍者タートルやハルクでないことは確かだと思います。
(続く)
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